【感想・ネタバレ】公家たちの幕末維新 ペリー来航から華族誕生へのレビュー

あらすじ

ペリー来航から明治維新まで、この15年を彩るさまざまな物語は、志士をはじめとする武家を主人公として描かれることが多い。
一方、公家たちは歴史のうねりに翻弄される優柔不断な脇役として描かれてきた。
しかし、公武合体から王政復古まで、彼らが果たした役割は大きい。
天皇復権のため、志士たちを煽り、大名を相手に種々の交渉を重ねたのは有名無名の公家たちである。
日本史の画期で奔走した彼らの奮闘に迫る。


■□■目次■□■

序章 朝廷のしくみ
第1章 政治に関与する公家たち 1853~58年
第2章 公武合体の季節 1859~61年
第3章 京都の政局 1861~62年
第4章 攘夷をめぐる激闘 1863~64年
第5章 朝廷の内と外 1865~66年
第6章 王政復古への道程 1867年
第7章 維新の功労―公家華族の誕生 1868~91年
終章 公家にとっての維新

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Posted by ブクログ

ネタバレ

幕末の動乱を、公家に焦点を当てて叙述している。公家たちの人間ドラマなど勉強になったし、やはり条約勅許の時の盛り上がりがすごかったのと、それですごくなりすぎちゃったのに孝明天皇がついていけなくなったのかなあと思った。三条実美は江戸に来てたんだね。あと、和宮のその後気になる。

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2019年10月16日

Posted by ブクログ

明治維新なんてやっても殆どの武士には損得勘定だけで言えば
損だったのと同じで、殆どの公家にしても損(と言うかアテが外れた)
だったんだなあ~、と分かる。だから維新は偉かったんだなあ~。

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2018年12月05日

Posted by ブクログ

これ面白い。
作者が言うように幕末は、小説やドラマの格好の題材で歴史上の人気者も多い。ただその中に公家はまず入っていない。そんな公家の視点からの幕末、明治維新を描く。
けど、作者の主張とは裏腹にやっぱりどうしようもない人種なんだよね、公家って。別に国の行く末や天皇家を心配しているわけではなく、保身しか考えていない。それこそが公家の公家たるところで、逆にそれを貫いているところは流石でもある。「禁門の変」で自分たちを救出にきた松平容保の服装が礼儀違反だと、「処罰すべき」と主張することが何より優先されたという件には爆笑してしまった。

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2018年12月01日

Posted by ブクログ

幕末から明治維新を公家達から見た歴史。
視点は面白いけど、やはり右往左往してる感が拭えない。ちゃんと働いてるのは岩倉具視と三条実美くらいか。大河ドラマに出てくるのも両名くらいでは?硬い話の割には面白かったかな。

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2018年11月30日

Posted by ブクログ

あまり取り上げられることのない、公家の立場から見た幕末維新史。
公家にも開国容認派、穏健尊攘派、即今尊攘派など、いろいろな立場の人がいて、様々なせめぎ合いがあったのだということ知り、興味深かった。
ただ、王政復古とともに、それまで表舞台から遠ざかっていた岩倉具視や三条実美が急激に台頭し、王政復古までは朝議等で中心となっていた摂家の人達などが表舞台から消えていく過程・内実がいまいちよくわからなかった。官位などを見ても、それまでの朝廷・公家社会の秩序がかなり転変しているが、大きな抵抗もなくそうなっていったのはどうしてなのだろうか。その点があまり得心できなかった。

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2018年11月04日

Posted by ブクログ

 江戸時代の幕引きから明治にかけての激動の中、京の公家の動きと視点から捉えなおす異色の一冊である。個々の事象について、非常に細かく調べられたものになっている。これだけでも大きな研究の成果と言えるだろう。
 室町時代後期から戦国時代にかけて窮乏を極めた公家は、江戸時代の秩序の中でひとつの安定をみて、それから200年以上もその状況を享受してきた。政治的な力を失った存在として記述されてきたものである。ところが、幕末の混乱期に至って、その存在が大きく表に出てきた。このことをどのように理解すればよいのか、それまでの経緯とのギャップ・落差が大きすぎて、感覚としてなかなか認識できないものではないだろうか。
 天皇をとりまく公家は、元をたどれば平安時代に隆盛を極めた藤原氏をはじめとする貴族に繋がる。1000年の時を越えて結びつく王政復古に対して、この著作を通じて我々読者が日本社会にある思想を確認できるような、そのようにも思える。

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2018年09月21日

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