田村和大のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
第16回「このミステリーがすごい」大賞優秀賞を受賞した本作は、ある女性殺しの犯人ということで出頭したところから物語はスタートし、捜査一課の刑事 飯綱が一旦は、捜査から外されるが、別件の略式誘拐事件の捜査をしているうちに女性殺しの事件との関連性が出てきて、犯人として出頭した男と略式誘拐された男のDNAが一致するという奇妙な接点が出てきて、クローン問題まで絡んだ壮大な展開の末、真相が全て明らかにされていくという展開ですが、若干詰め込みすぎな感があり、事件の背景のディテールが浅い感じになってしまったのが残念でしたが、スピーディーな展開で楽しめる作品でした!
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Posted by ブクログ
第16回このミス優秀賞受賞作。
もちろん、著者初読み。
同時受賞に「感染領域」があり、なかなかトリッキーで新しい視点で楽しめたので、この作品も読んでみることに。
主人公は警視庁捜査一課の飯綱。主任でもある飯綱の別名は「スジヅナ」。事件の筋読みを得意とする、今までの警察小説にはいないタイプ。
よって、警察小説にも拘わらず、探偵小説のような展開になっている。
女性を殺害した疑いで逮捕された男性と、交通事故の被害者と思われる少年のDNA型が一致した。DNA型が一致する確率は4兆7億分の1。これは何を意味するのか?2つの事件はどうつながるのか?が大筋。
法学部出身。NHKに勤務経験もあり、現在は弁護士 -
Posted by ブクログ
ごちゃごちゃ系
読者をびっくりさせたいとか考えるとこうなるしかないのかなぁ
ある刑事の目線で描かれる
まず一件の殺人が発生、すぐに犯人が出頭
だが何かおかしい、本当の犯人なら分かっているはずの事が当初分かっていなかったり
しかし、DNA鑑定でも犯人と判定され、最終的には辻褄があった事もあり、更に勾留期間も切れそうという事で、多少の違和感には目をつぶって起訴
主人公となる刑事はその状況に異を唱え、所轄に一時異動?応援みたいな形で所轄に
所轄では、ある交通事故を担当するが、ただの交通事故ではない感じ
車から降りて逃げた少年が対向車にはねられ、その後、その車に再度押し込められてどこかに行ってし -
Posted by ブクログ
ネタバレとある殺人事件の容疑者男性と、別の事件(事故?)で保護された少年のDNAが一致するという、確率的にありえない事案には興味津々。
この状況とDNA、クローン技術といった先進的な題材に対して、主人公の飯綱が「筋読み」など古典的な(?)手法を用いていかに事件に切り込んで行くのか? という内容を(タイトルが「筋読み」ということもあって)勝手に期待してしまったのですが……
想像していたほど、飯綱の筋読みが事件の突破口になったように思えませんでした。最後の最後で「ヨミヅナ」と呼ばれるだけの筋読みを見せるわけですが、本作は黒幕的存在よりも、一致するはずのない二人のDNAがなぜ一致したか、という点が最も興