佐々 涼子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私は震災をきっかけに石巻に就職し、数年間生活していました。震災から4年後のことでした。私は日和大橋を通りながら見る工場夜景が好きでした。そんな景色に、様々な人の思いが詰まっていることを、この本を読んで今更初めて知りました。
震災当時を知らない者として、色々な場所に行ったり、人の話を聞いたりしましたが、残念なことに記憶は薄れていきます。また、実際に震災を経験していないので、残念ながら他人事のようにも思っていたのでしょう。
この本を読んでいる時に、地震が来ました。普段の地震より、恐ろしく、自分事に感じました。幸い被害はありませんでした。もしもの時のために防災グッズを見直しています。
こうして、震災 -
Posted by ブクログ
東日本大震災で被災した1企業の様を記した本である。東電関連の著書は多々ありTVや映画で放映もされ、私も多少は知り得ている。
が、今回、日本製紙石巻工場の話は初めて知った。被災者の生の声、世間には届いていない事実等もっともっと伝えていかなければならない。風化させてはいけない。誰もがいつ被災者になるか分からないのだから。
この本を1人でも多くの方が手に取り、紙をめくり、その感触を忘れずに、そして震災の事を思い出して何かを感じてくれます様に…
そしてそして、やはり私は紙の本が好き!
「本はやっぱりめくらなくちゃね…。」
これからは紙質や色味等にも関心を持って本に接していこう…
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Posted by ブクログ
涙なしでは読めない、良作でした。
ノンフィクション、震災を扱うもので日本製紙の方々、震災に見舞われた方に対する敬意を感じる丁寧な内容と感じました。
冒頭からの時系列での出来事は、もう、文字で読むだけでも辛く涙が止まりません。
決死の避難、生き抜く様子にはなんと言えば良いのか。とにかく多くの人に読んでもらいたいと思いました。
こんな事があったと知って欲しい(もしかしたら知られてるのかもしれませんが私はこの本で知りました)、教訓を生かして一人でも多くの人が災害で生き抜いて欲しい、救われて欲しいと強く思いました。
助かった後の困難についても描かれています。
日本製紙という会社内の出来事だけでなく -
Posted by ブクログ
石巻にある日本製紙の工場の再生に関わる人達の生きざまを丹念に綴った1冊。
その場にいた人ではないと決してわかりえないし、同じ場所にいても見ていたもの、思っていたことは、ひとりひとり少しずつ違うのだろう。
同じ本の紙と言っても、出版社によって色味が違う。漫画や文庫本、雑誌、新聞とどれもそれぞれに考えられた紙が使われている。
どうしても本は紙媒体のほうがいいと思いながら、どこで作られているなんて考えたことがなかった。まさか被災地で作られていたとは。どんな想いで、半年と期限を決めて工場の再建に尽力してきたのか。
美談だけでは済まされないことが、日々の生活の中で被災した日もそれからの日々にもあ -
Posted by ブクログ
一万円選書の4冊目。
普段は手に取らないノンフィクションで、しかも東日本大震災の話というところから重たくて読みにくそうと思っていました。
しかし読み始めると、ノンフィクションだからこそ話の力強さに何度も心動かされ、あっという間に読み終えました。
今思えば、我々はまるで病気のようだったな。そして、今も心に何かを負っている。
日本製紙石巻工場の工場長倉田さんの言葉です。
震災を経験した人にしか分からないものがたくさんあると改めて思いました。
そして、復興の日々を乗り越えた人にしかない強さがあると思います。
彼らの強さに感動し、最後は涙が止まりませんでした。
この本を読めることも当たり前じ