佐々 涼子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ノンフィクションの迫力に圧倒されたというのが、正直な読後感。筆者の綿密な取材とその筆力によるのが大だろうが。
3.11で被災し、従業員たちの死に物狂いの働きによって再生した日本製紙石巻工場の物語。
日本の製紙業の盛衰は自分たちの工場にかかっているのだとの誇りを持って、是が非でも立ち直らせようとする男たちの熱い思いが行間から伝わる。
津波の被害により泥水の中に埋もれ瓦礫の堆積した工場、誰もが復興に不安な気持ちでいるときに、工場長が、復興を宣言する。
「そこで、期限を切る。半年。期限は半年だ」と。
期限を切って社運を託された彼らが、必死になって立て直す様は、感涙もの。
彼らが何故、これほど必死にな -
Posted by ブクログ
2023.12.31。イベントの待ち時間が予想できたため、外出に持参して読み始めた。
東日本大地震で被災した、日本製紙石巻工場の話だ。
当時、この工場の情報は耳にしていたのだろうか?覚えてない。
まずこの本を読んで、いかにこの石巻の製紙工場が"自分にとって"大事か、思い知らされた。この工場がつくった紙でつくられた本の作品名がいくつか挙げられているが、どれも読んだことあるもの。本の紙って、もっとオートメーション的に、どこでも誰でも作れるようなものだと思ってた。思えば、ファッション雑誌、月刊漫画誌、文庫本、単行本、色んな本の紙を触ってきて、それぞれ違うなとなんとなく知ってはいたはずなのに、考えもし