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「この工場が死んだら、日本の出版は終わる……」絶望的状況から、奇跡の復興を果たした職人たちの知られざる闘い「8号(出版用紙を製造する巨大マシン)が止まるときは、この国の出版が倒れる時です」――2011年3月11日、宮城県石巻市の日本製紙石巻工場は津波に呑みこまれ、完全に機能停止した。製紙工場には「何があっても絶対に紙を供給し続ける」という出版社との約束がある。しかし状況は、従業員の誰もが「工場は死んだ」と口にするほど絶望的だった。にもかかわらず、工場長は半年での復興を宣言。その日から、従業員たちの闘いが始まった。食料を入手するのも容易ではなく、電気もガスも水道も復旧していない状態での作業は、困難を極めた。東京の本社営業部と石巻工場の間の意見の対立さえ生まれた。だが、従業員はみな、工場のため、石巻のため、そして、出版社と本を待つ読者のために力を尽くした。震災の絶望から、工場の復興までを徹底取材した傑作ノンフィクションが待望の電子書籍化! 解説/池上彰
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年11月02日
何よりも、「この出来事を本にして、世の中に知らせるのだ」という意志を感じた。
冒頭70ページの東日本大震災の当事者からの目線だけでも圧巻だった。
そこから、キレイだけでない話、人間の絶望と希望、紙製品への誇り、プラントへの愛。
様々な要素がテンポよく混ざり合って駆け抜けていく、レベルの高いノンフ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月20日
メモパットのインスタライブで知った本。b7バルキーという紙。b7は紙を作った人が好きなギターコードでバルキーは嵩高の意味だと言っていた。本当かどうかは知らんけど。紙についての説明も見逃せないノンフィクション。東日本大震災の悲惨さ。製紙工場存続の危機。出版業界との信頼関係。この人たちがいたから紙の本が...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月21日
東日本大震災で被災した1企業の様を記した本である。東電関連の著書は多々ありTVや映画で放映もされ、私も多少は知り得ている。
が、今回、日本製紙石巻工場の話は初めて知った。被災者の生の声、世間には届いていない事実等もっともっと伝えていかなければならない。風化させてはいけない。誰もがいつ被災者になるか分...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年04月11日
涙なしでは読めない、良作でした。
ノンフィクション、震災を扱うもので日本製紙の方々、震災に見舞われた方に対する敬意を感じる丁寧な内容と感じました。
冒頭からの時系列での出来事は、もう、文字で読むだけでも辛く涙が止まりません。
決死の避難、生き抜く様子にはなんと言えば良いのか。とにかく多くの人に読ん...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年11月23日
石巻にある日本製紙の工場の再生に関わる人達の生きざまを丹念に綴った1冊。
その場にいた人ではないと決してわかりえないし、同じ場所にいても見ていたもの、思っていたことは、ひとりひとり少しずつ違うのだろう。
同じ本の紙と言っても、出版社によって色味が違う。漫画や文庫本、雑誌、新聞とどれもそれぞれに考...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年04月24日
1日で一気読み、グッとくる熱量を感じる作品だった。半端な企業小説よりもはるかに得るものがある。
本当に駅伝のように石巻工場の職員たちは紙とともに思いや魂もつないでいる。
絶体絶命のときこそ本当の責任感やリーダーシップが試されるのかもしれない。
自分だったら彼らのような行動をとれただろうか。今、プライ...続きを読む
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