髙山英男のレビュー一覧
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「暗橋」とは暗渠に残された橋の欄干などのこと
です。
つまり道路の一部になってしまっていて、欄干だ
けが車止めの柵のように残されている場所のこと
です。
欄干自体は撤去されたとしても、その支柱だけが
ポツンと、かつて橋があった名残を留めている場
所があります。
これが実は東京には数多く存在するのです。
特に都会であるほど道路の広さを確保するために
暗渠化されてしまった川は数多いです。そこに
「暗橋」は生まれるのです。
「え?あそこは元は川だったの?」だから地名も
「○○橋」なのか、と納得すると思います。
新しい目線で東京の散歩の楽しみ方を提案する一
冊です。 -
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過去に小川だった暗渠。普通に生活していると気づかない痕跡探しに過敏に反応するマニアな人々。マニアの視点から暗渠の魅力を十二分に語る一冊。
前作「暗渠マニアック」に続く一冊。雑誌「東京人」に掲載された記事がベースとなったものが多い。
個人的には、少しでも少しでも具体的な3D の地形を掲示していただけるとより楽しめるように思う。
筆者は2名、高山さんと吉村さん。お二人のおかげでちょっとした散策に、暗渠を探索するようになった。多摩人としては暗渠は旧用水路が多い。自然河川とは逆に分水嶺をたどるので、いずれ用水探索の記事もどこかで出していただけると嬉しい。 -
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・ 私が吉村生・高山英男「暗渠マニアッ ク! 増補版」(ちくま文庫)を買つたのは暗渠好きだからではない。暗渠とはおもしろさうだといふ程度の興味からであつた。つまりはいつもの本を買ふ理由と大差ない。ところが買つて目次を見て驚いた。本書の増補の1つ、第7章 「新たな観光資源としての暗渠探訪」の3つ目に「水上ビル、 酒と肴と水路と人と 愛知県豊橋市」といふのがあるではないか。「新たな観光資源としての暗渠」である。あれはさういふものになりうるのか。かういふ見方もあるのだと思つたものである。この一編で本書は、私にはおもしろい本だといふことになつた。
・水上ビルと言へば豊橋市民なら知らない人はないはずである。その名の通り水上に建つビ ルである。水上と言つてもそこが暗渠である。用水の上に蓋をしてビルが建つてゐるのである。「水路の上に被さっているすべてのものを、『暗渠蓋』と呼んでいる。暗渠蓋はコンク リート製の板であることが多いが、時たま、想像の斜め上をゆく物件と出会うことがある。とりわけ驚かされたのは、『ビル蓋』だ。」(271頁)このビル蓋は3棟あつて、「その蓋の名は豊橋ビル、大豊ビル、大手ビルで、あわせて通称『水上ビル』、その長さ800メートルである。」(同前)当然「てくてく歩いてゆけば、ビルの合間に橋が残されている。」(同前)これを吉村氏は「類を見ない珍景だ。」(同前)と書いてゐる。私などは子供の頃から見てゐるから、「珍景」と言はれても全くピンとこない。下に水が流れてゐるのだから、橋があつて当然だと思つてゐた。本書にはこの類の橋の名残がいくつか出てゐるが、その中でも珍しいものであるらしい。「一昔前は、豊橋のみならず全国に水路上建築物の事例はあった。(中略)現行の法律では、水路の上に建物は建てられない。つまり、その建物が消えれば、二度と水上に建つことはない」(同前)といふ。言はば水上ビルは絶滅危惧の暗渠蓋である。さういふものだとは知らなかつた。そんなに珍しいものではない、ごく普通の風景だと思つてゐた。ところがさうではないのである。本書を読むまではそれを知らなかつた。探せば地元の人の書いたこの類の文章等もあると思ふが、それにしてもかくも珍しいものであるとは。あれは「珍景」であつたのかと思はず納得してしまつたのである。水上ビルに関する簡単な説明もある。下の用水に水は流れてゐるといふ。「今は田んぼが減ったので、少しずつずっと流れている」(274頁)さうである。 開渠部の用水を見ると「少しずつ」かどうかは分からないが、 確かに需要期以外でも水は流れてゐるらしい。と、まあ、水上 ビルのことを書いてきたのだが、実は豊橋駅近辺の暗渠はここだけではないといふのが私の更に知らなかつたことである。「新幹線を降りてすぐ、西口の飲み屋街を見にゆき、そして違和感を覚えた。」(同前)とある。豊橋では西口と言はずに西駅である。この駅から見て右側に飲み屋が並んでゐる。ここがあやしいと言ふのである。私は名古屋へ行く時、こちらの駐車場を使つてゐた。だからこのあたりはよく知つてゐるつもりな のだが、暗渠のことを知らないゆゑに違和感を覚えたことはなかつた。ところがさすがプロ、 いやマニアの吉村氏、1度でそれを見破つたのである。「微妙な曲がり方に地面の盛り上がり(中略)わたしの嗅覚が正しければ、下に川があるはずだ。」(同前)といふことで、暗渠蓋、ここは普通の蓋である、を見つける。このあたりの嗅覚はさすがである。と書いてゐたら字数が尽きた。暗渠はかくもおもしろいの1例である。観光資源としての水上ビル、最近の流行りであつた。 -
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ネタバレ<目次>
序章 ようこそ暗渠ロジーへ
第1章 暗渠、私の「見方」
第2章 名所と暗渠
第3章 境界と暗渠
第4章 湧水と暗渠
第5章 暗渠への視線
第6章 東京近郊一都三県、暗渠勝負!
第7章 新たな観光資源としての暗渠探訪
<内容>
2015年刊の「暗渠マニアック」(柏書房)は読んでいる。その増補版。著者の吉村さんが女性なのに驚き(最初に読んだときにもそうだったはずだが)!まあ、ともかく濃すぎ!彼らの啓蒙により、自分も暗渠への視線を持ち始めたが、ここまで突き詰めていない。自分はどちらかというと、地形を見てしまう(ちょっとタモリ寄り?)ので、谷筋とかから考えていく。マニアはここまで行くんだな、と感心しつつ、自分の「銅像愛」も変わらないか…と思う。 -
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ネタバレ<目次>
序章 暗渠のきほん
第1章 街道と暗渠
第2章 鉄道と暗渠
第3章 都市開発と暗渠
第4章 データと暗渠
第5章 猫と暗渠
第6章 馬と暗渠
第7章 縦軸横軸 七つの視点
第8章 人物と暗渠
第9章 一つの都市を暗渠で斬れば「横浜編」
おわりに
<内容>
確かに”パラダイス”である。暗渠マニアの二人が好き放題書いている。それを良しとするかは、読者次第。
私は、暗渠が都市に覆われてしまった古い地形を見つけることができる部分の一つとして、興味がある。台風や大雨での土石流や崖崩れ。これと川や沢は大いに関連があるが、先だっての熱海の土石流被害の場所を、Google ストリートビューで見ても、川感はあまりない。坂沿いに側溝がある感じだった。被害に遭った人の談話にも、「ゴミが流れてきて、誰が捨てたのかしら?と思った」とある。太古からの地形を忘れていた証拠である。暗渠を探せば、そこに川が流れ、沢があったことがわかる。なので、自宅の近隣でも暗渠を見たりしている。しかし、この本はそんな感じは微塵もない。それでも、
学べることはある(そんな上目線で…)。いろいろな視点で楽しめ!ということ。暗渠沿いで飲み屋を巡るとか。歌手の人生と川の流れをつなぐとか。特に「暗渠鑑賞7つの視点」は、自分の趣味の銅像巡りにも応用が利きそう。