上畠菜緒のレビュー一覧
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ネタバレ動物の声が聞こえることがある美苑。怪我をして保護した蛇と会話ができるようになるが、人間との付き合いは苦手。24になった美苑はだいすきなイグアナのソノとの暮らしを守るため、婚活に挑むことになる。
表紙のイメージの優しい花園のイメージのまま進んでいくストーリー。つばめちゃんやキキちゃんや田中さんと仲良くなれてから、自分のことを掘り下げていって、やりたいことに挑戦できて安心した。私もソノと同じ気持ちになってた。関係を維持する力については、今自分のことで手一杯になってる自分に重ねて反省。
コミュ力が高いと思っていたキキちゃんが人間関係のハウツー本を読んでいたと分かっても「無意識にできちゃうって人の感 -
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「イグアナ?なんかグロテスクだなあ」が、最初の気持ちでしたが、表紙の絵は、そんな思いを吹き飛ばすように、夢があってとっても素敵!
主人公の八口美苑さんの小学生から大学院生までの、心の揺れ動きを読んでいると、励ましのエールを贈りたくもあり、共感する部分もありました。
彼女は、人との距離感をつかむこと、自分の気持ちを言語化することを苦手としていますが、ヘビや、イグアナとは心で会話ができます。
両親、友達との関係に悩む彼女の心が、最後には明るい方向に向かっていく過程は、読んでいて気持ち良かったです。
結婚だけに縛られない人間関係への気づき、本当に自分がやりたいことを見つけて、自信を持って生き -
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植物学者で大学教授の父親と有名な華道家の母を持つ八口美苑が主人公。矢口家は資産家で御屋敷と呼ばれる母屋の他に父が建てたアトリエがある。動物(爬虫類や両生類)とは会話できるが、人とはうまく馴染めない美苑は10歳で父を亡くし、高校生の頃から、母が寄り付かないそのアトリエで、イグアナのソノと共に暮らしている。
読み始めはやや苦戦。主人公になかなか共感できず、物語の方向も見えにくい。何しろ主人公を含め主要人物の多くが対人コミュニケーションに難がある。他人との距離を取りすぎる主人公と、距離感ゼロの後輩。さらに主人公以上に理解しづらい性格の母親。しかし、美苑は小学校時代から同級生から「変」なりに受け入れら -
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とても好きなお話でした。
生き物と話せる女の子の話、というとファンタジーな感じですが、とても自然なことのように思える話の流れ。
美苑は子どもの頃から人との関わりが苦手で、でも生き物の小さな声を聞くことができる。子ども時代のヘビとのエピソードもすごく良いし、その後長く一緒に暮らすことになるイグアナのソノとの関係性は微笑ましくて、読んでいて心が温かくなります。
ソノには心を開いていて本当の家族のよう。そんな美苑ですが、生きていく上で人と関わらずに生きていくことはできない。実は彼女の周りには彼女を見守って支えてくれている人がいる。つばめちゃん、キキちゃん、児玉先生、お父さん、母上も。色々あってそのこ -
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死期を悟ったとき、ごく稀に、島に住んでいる誰かを天国に一緒に連れて行ってくれることがあるという不思議な生き物と共生する島。そんなしゃもぬまが何故か島を出て暮らしている主人公のところを訪れることから始まる物語。
この生き物は死期が迫った者のところのを訪れ天国に導く役目を担っているのかと誤解をしたが、その訪問を受けた者は死ななければならない、あるいは身近な者を身代わりにしなければならないという極めて不穏な存在であった。
と言ってもホラー作品があまり得意な方ではない私でも怖がらずに読み進めることができる不思議な雰囲気を纏った物語、いや、生き物だったのだが。