前田健太郎のレビュー一覧

  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    私がいた欧州の大学では、政治学の講義においてリアリズム、リベラリズ厶に次いでフェミニズムとコロニアリズムの視点が用いられるのが一般的であった。
    この本は、そのようなジェンダーの視点で、日本の政治を丁寧に論じている本。
    全国民におすすめしたい。

    0
    2023年07月01日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    まず、政治過程論の導入書として非常に素晴らしい。一つの政治イシューがどのような経路を辿ってある政策に結びついていくのか、政治の力学を学びたい人にはオススメ。
    その上で、ジェンダーがどのように社会に、政治に影響を与えているのか、深い考察がなされている。
    東大教授の本ながら、新書として読みやすく、それでいて深みがある。
    興味を持った方は是非手に取ってみてほしい。(T.I)

    0
    2022年11月07日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    今まで読んできた政治学の本の中でトップレベルに読みやすく、そして新たな視点に気づかせてくれる新書でした。
    高校中学の社会の授業でやった方がいいんじゃないかな。
    今の日本は男性のための民主主義。女性活躍社会と名は打っても、実はそれは男性が働きやすい、または男性を助けるための政策でしかないということに気付きました。いやー、ほんと日本社会に絶望するわ

    0
    2022年04月13日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    私たちが暮らしているのは人口の半分が不当に虐げられる社会である。はっきりとそれがわかる本でした。女性と男性の対立を生むことがフェミニズムなのではなくて、女性に不当な役割が与えられている社会構造の変革を求めるのがフェミニズムだと、この考えが男女共に広がればいいなと思いました。個人的に男性や周囲の環境にぶつけて来た怒りが対社会、公的な怒りになればよりよい社会もできてくるのかなぁと考えるきっかけにもなった。
    また、政治について全く知識のない(中学の基礎的な政治についても危うい)私でも用語の解説が入っていたり、段落ごとに話す内容が整理されていたりして理読みやすい本でした!

    0
    2021年01月01日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    有斐閣に勧められて
    今年読んだ本の中で1番響いた
    女性のもやもやの大部分が説明できると思う
    その分他の文献でも読んで比較しないといけない。
    この本を読むとやる気が出て気持ちが飛び出してしまうけど、冷静にならないと

    0
    2020年09月04日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    まず、民主主義をどう定義するかをめぐる議論ののち、教科書的な政治概念を一つ一つジェンダーの視点から検討する中で、課題点を炙り出し、筆を進める。新鮮でありながら、非常に読みやすい、説得力のある内容だった。

    以下、メモ
    ・マンタラプションは、一部の男性によって集中的に行われているらしい。
    ・ピルと中絶手術。産婦人科医の既得権益
    ・配偶者控除の導入の経緯

    0
    2020年04月27日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    勉強会で扱った、女性と民主主義に関する本。

    国内における男女格差は深刻な状況であることが、賃金格差や女性議員の数などで分かり、日本は後進国だと感じた。

    最も興味深かったのは、冷戦期の東欧諸国で女性議員の採用が積極的に行われていたこと。西欧よりも進んでいたことには驚かされた。ただこれらの国で男女格差が是正されたかは疑わしい。結局は単なるプロパガンダで終わっていただけのように思える。

    クォーター制の導入にも課題があるように思える。

    メモ:
    ポリアーキー、熟議民主主義

    0
    2025年06月01日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    とても刺激的で、勉強になった。この本はもっと多くの人に読まれるべきだと思う。日本の政治が簡単に変わるとは楽観できないが、少しづつでもジェンダーバイアスから自由に人々が活躍できる社会になればよいと強く望む。

    0
    2019年12月29日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    本書は、これまでの主流派政治学は価値中立性を謳っていながら、「男性の政治学」にすぎないのではないかという問題意識の下、「ジェンダー」を、女性に関わる政治争点の一種としてではなく、いかなる政治現象を説明する上での用いることのできる視点として位置付け、ジェンダーの視点で、「政治」「民主主義」「政策」「政治家」という政治学の定番のテーマについて、これまでの政治学における標準的な学説を抜本的に見直す試みである。例えば、標準的な学説ではアメリカは民主主義の先発国とされるが、それは男性の参政権だけに着目した結果であり、女性参政権を含む民主主義の指標を用いれば、アメリカはもはや民主主義の先発国とはいえなくな

    0
    2019年12月10日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    組織の規範と男性的なジェンダーの規範が一致。この言葉は本書で述べられることだが、そもそも男性的なジェンダーの規範って何。男は大黒柱であるべきとか、弱音を吐くなとか。女性は非力であり、守るべき対象であるとか。

    でも、それって別にあっても良いと思う。問題は、規範と評価軸が重なって、腕力至上主義だったり、よって男が優秀と決めつけたり、男性側の目線で仕事スタイルが決まるのは良くない。ブロプロプリエイションいう、女性の発言を横取りするような男性もいるらしい。勘違いが暴走するのも、正義マンみたいでお門違いだ。

    それと、この本で最も考えさせられたのは「クッパとピーチ姫」に見える男女のロールプレイと、それ

    0
    2024年06月29日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    教えて頂いた本
    社会の多くのことは何らかの形でフェミニズムと絡んでいる、という男性著者の主張に頷きながら読んだ

    たまたまなんだけど最近ジェンダー絡みの人文書、小説を読み、映画を観ることが多い。世の中が違って見えてくる

    0
    2024年02月06日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    ちゃんと消化しきれたわけではないが、政治や政策の視点から、日本社会の福祉政策の特徴やジェンダー関連の課題を考えたことはあまりなかったので、かなり新鮮な視点があった。
    所謂「民主主義」と定義されているものをジェンダーの観点から問い直すことや、女性が政治に関わることで男性ばかりでやっていたときには見えなかったアジェンダが浮かび上がってくる点にはなるほどと納得。
    一方で、政策としての意図は本来別にありながらも、政策の帰結が違うものになることがある、という点は、その結果を当たり前として受け入れるのではなく政策の意図や目的にまでたちかえって一有権者として考える重要性を感じた。

    0
    2023年02月07日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    「マンスプレイニング」「マンタラクション」「ブロプロプリエイション」「クリティカル・マス現象」「コンドルセのパラドックス」「エコーチェンバー現象」

    レベッカ・ソルニットの著作をこの本の前に読んで、名付けがいかに大切かを実感したところだったから、この本に出てきた多くの新しい言葉を覚えようと思う。この言葉たちが存在することで、その現象も存在するようになるのだから。

    人口の半分を占めるのは女性、ということ。当たり前すぎて、この本で改めて指摘されて、こんなに重要なことを忘れてるなあと反省。半分なのだ。その半分の意見の反映されない政治が罷り通る不思議さ。
    なぜそうなってしまったか、研究者として解きほ

    0
    2022年08月17日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    政治にジェンダーの視点を持って論じており勉強になった。
    男性優位の政策がなされているのはなぜか?なぜ女性の候補者は増えないのか?等、他国との違いや歴史的な背景を知ることができた。

    組織内の女性比率として、30%以上いないと本領が発揮できない。政治家もそうだが企業でも女性リーダーを増やしていかないと感じた。

    0
    2022年04月24日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    我々はあまりにもおじさんorおじいさんの政治を見慣れすぎてしまったのかもしれない。

    政治学、ジェンダー論などの
    初学者にやさしい。

    0
    2021年02月10日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    「どうやら、筆者も含めた多くの政治学者は、女性がいない政治の世界になれきってしまっていた」ことへの反省から物された、テキスト的な新書。最近の議論がコンパクトに整理されていて、とても便利。

    日本の政治で女性の参加がとりわけ進まないのは、男性稼ぎ主モデルに依拠した福祉国家が構築されているため。そして、これがなかなかに崩れないのは、日本の政治過程が、男性を中心とする利益集団が男性を中心とする政治家・官僚に圧力をかける過程だからである。そこで解決策として、ジェンダー・クォータ制の導入が提唱される(ただし、ジェンダー・クォータ制が性的少数者を政治的に代表するために用いるには適さないことにも、目配りがな

    0
    2021年02月16日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    この本の視点を斬新と感じてしまう自分にショックを受けた。政治関連の本を読む時はこの視点を忘れずにいたい。
    自治体職員として仕事を通してできること、一社会人としてのキャリアアップなど、間もなく女の子の母になることもあり考えさせられた。
    高校の政経の先生が、「女医」「女流作家」など女性が例外とされる場合の呼び名を挙げさせた上で、「では、逆の言葉(男性が例外)は?」というクイズを出したことがあった。答えは…「美人(美男子)」

    0
    2020年09月10日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    男性からするとびっくりするようなことなのかもしれないが、女性から見ると、ああ、あのことね、ということを裏づけをもって書いてくれている。女性の議員が増えればジェンダーに配慮された社会になるかというと、そう簡単ではないということは初めて分かった。これからの社会はどうあればいいか考えるきっかけになる本。

    0
    2020年05月02日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    ジェンダーをキーワードとして、形式だけの民主主義から実質を伴った民主主義への進化を促す著作
    新たな視点から現在の政治学を見直す必要性を感じた。

    0
    2020年01月28日
  • 女性のいない民主主義

    Posted by ブクログ

    民主主義、に女性の政治参加は含まれていない。確かに教科書で女性の選挙権や参政権獲得のための運動などを習った際に女性には権利がないことが前提であることをうっすら疑問には思ったが、女性である私もあまり問題意識を感じてこなかった。
    権利が保証された現在でさえ、政治家に占める女性の割合は日本などでは非常に低く、政治に女性の意向が反映されない状態になっている。
    これまで知ってはいても気づいてこなかったそんな事実に気づかせてくれる本だった。

    0
    2019年12月26日