布留川正博のレビュー一覧

  • 奴隷船の世界史

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    とても、刺激的な本であらためてよ見直してみたい。奴隷といえばアメリカ、というイメージは、ポルトガルブラジルの規模のほうがおおきいことでまず覆された。また、奴隷船のなかでの扱いがなんとなく想像した以上にひどい(死亡率など)こと、それに対する反乱もかあったことなど、しることができた。アメージンググレースの作詞社会主義が土鈴船の船長経験があり、かれなどが働きかけていくなかで徐々に奴隷貿易が廃止されていくことがわかった。やはり、運動は力を持つことが学べたし、砂糖ボイコットなど、イギリスという国家の二面性もルーツとして知れた。奴隷制廃止後は移民が増えていくわけだが、おわりにで現代にも奴隷制が暗に行われて

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    2020年05月18日
  • 奴隷船の世界史

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    奴隷の歴史には、
    奴隷貿易の歴史と奴隷制の歴史がある。

    奴隷貿易が世界から廃止されても、
    奴隷制が即座に廃止されたわけではない。

    また、大西洋奴隷貿易400年間の間のアフリカ人人身売買の前にも、古くから地中海社会に奴隷制度はあった。

    ポルトガルが先陣を切って大西洋奴隷貿易を始め、1888年にブラジルで奴隷制が廃止されるまでの400年間、アフリカの黒人奴隷達は家族と引き離され、捕獲され世界中に売りさばかれ、酷使された。

    アメージンググレースという曲は、
    元奴隷船の船長が自分の行為を深く後悔し懺悔して作った詩。

    スピルバーグ監督は、奴隷叛乱から自由を勝ち取ったアミスタッド号事件を元に、ア

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    2019年10月14日
  • 奴隷船の世界史

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    奴隷船の実態を知りたくて読んでみた本。
    紀元前以前を含む普遍的な話を知りたかったが、あくまで大航海時代以降のアフリカ三角貿易における「奴隷貿易」の話だった。

    奴隷船での輸送は過酷であり、喜んで死を選んだというのは想像に絶する。また、水夫らもまた困窮者や犯罪者であり事実上の奴隷だった。
    ただ、奴隷というと誘拐や人狩りのイメージがあったが、アフリカ内で行われた戦争により、アフリカ人により拠出されていたのは盲点。もっとも、そうした戦争も欧州人が仕掛けていたものではあるが。

    その一方で、中国人移民の8割が騙され誘拐されて船に乗せられている。水夫も経済奴隷的な形だったり、やはり誘拐も多く、そうした暴

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    2025年10月03日
  • 奴隷船の世界史

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    ネタバレ

    少し前にロビンソン・クルーソーが話題になっていて、関連本を探していてこの本に出合いました。
    20年近く前だと思うけど、映画「アミスタット」を観て衝撃を受けた記憶がある。
    あの映画も、奴隷船の真実を突き詰めたものだった。
    本書では、400年にもわたる奴隷貿易の実態を明かし、だれが利益をあげていたのか、どんな人たちが奴隷船を動かしていたのか、多角的に考察している。
    砂糖やコーヒーが、奴隷の労働力によって生産されてきた事実。
    日本では、「奴隷」と言えば、中学校の社会科でアメリカ合衆国の南北戦争のことやリンカーンの演説を学習する際に奴隷貿易に触れるが、実際はアメリカ合衆国だけでなく南北アメリカ大陸の広

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    2022年11月19日
  • 奴隷船の世界史

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    高校の世界史の教科書で奴隷が船底っぱいに横たわった状態で運搬される絵を見て衝撃を受けた。
    それがどこに所蔵されていた絵かは覚えていないが、本書第2章の扉絵でロンドンの国立海洋博物館所蔵の「奴隷船ブルックス号の構造図」がそれに近いのだろうと思っている。
    本書では歴史家たちの協力によって新しい資料や、散逸していた資料がまとめられたことによって、より詳細な奴隷貿易についてがわかる。
    驚いたのは、奴隷貿易の拠点港上位2位までがブラジルで、リヴァプールが第3位であることだ。
    これまで大英帝国が最多の奴隷船貿易を行ったと考えられていたが、実はポルトガル船、ブラジル船が最も多いのだそうだ。(35~36頁)

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    2020年01月27日
  • 奴隷船の世界史

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    奴隷船という蛮行が、特別の悪意ではなく、純粋に経済的合理性に基づいて行われていたことに、単なる残酷物語以上の恐怖を感じた。
    現在そして将来的にも、経済的合理性によって、容易に、人間の生命や尊厳がたやすく損なわれることがあるのは間違いなく、警戒心をもって生きていくべきと思った。現代でも奴隷的な児童労働もあるし、先進国でもブラック企業事例などは枚挙に暇がない、

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    2020年01月26日
  • 奴隷船の世界史

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    大型機械のない時代、奴隷は「ヒト」ではなく、「モノ」であった。大量の商品を生産するために必要なのは、土地や工場、原材料、そして奴隷だ。奴隷は主にアフリカで調達され、大農場や工場に輸送され、消費される。

    そんな奴隷貿易を担ったのが大量の奴隷を運搬することに特化した奴隷船。奴隷たちは鎖で繋がれ、立つことのできない高さの天井とまともな通気ができない船底に毎日16時間寝かされる。与えられるのは1日2回の食事と体操の時間だけ。

    奴隷の死亡率や奴隷以上に過酷な扱いをされた水夫、船を乗っ取った奴隷たちなど、本書は奴隷船をめぐる数々のエピソードを紹介し、さらに奴隷制度の発達と奴隷解放の歴史を説く。

    奴隷

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    2019年12月06日
  • 奴隷船の世界史

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    大まかではあるけれど、奴隷制の始まりから終わりまでが書かれている。
    が、現代もこの問題は続いていると知り、やるせない気持ちになった。

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    2024年08月19日