ジョナサン・ハスケルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
英国人経済学者が無形資産について書いた『無形資産が経済を支配する』の続編。今回は、前著から導き出される問題点とその解決策を述べている。理解しづらい箇所も多々あるが、前著よりも体系的にまとめられており、概ね理解できた。資本主義社会における国家間、企業間の競争の中で、特効薬的な解決策がないことがわかった。政府にしろ企業にしろ、何かを行う場合には、必ずトレードオフがあって、全てが丸く収まることはなく、犠牲が出るということだ。
「(政治的な解決)国家能力の再構築を訴えても、選挙ではなかなか票を得られないし、こうした新制度を定着させるために必要とされる取引を行うには、創造性、巧妙さ、既得権益に立ち向か -
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Posted by ブクログ
最初に読んだとき、難しすぎて、よく理解できなかった。
ナニコレ?って思って、2021年11月21日の時点では
★ という評価にしたんだけど。。。
2022年1月19日
マイクロソフトが、米ゲーム大手アクティビジョン・ブリザードを687億ドル(約7兆8700億円)で買収する、というニュースが世界中を駆け巡った。
メタバースへの先行投資で、その朝、日経新聞を読んでて
「あ、この前読んだ、本に書いてあったヤツだ」
って気づいた。
アメリカの有形資産と無形資産の推移のグラフを見て、すぐにピンときた。
かつては、先進国ですら、無形資産は添え物でしかなかった。
しかし、アメリカでは、1990年代 -
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Posted by ブクログ
無形資産とは、物質的なモノではなく、アイデアや知識、社会関係といったものを指す。具体的に挙げると、次のようなものである。
・スターバックスの「店舗マニュアル」
・アップルの「デザイン」と「ソフトウエア」
・マイクロソフトの「研究開発」と「研修」
・グーグルの「アルゴリズム」
・コカ・コーラの「製法」と「ブランド」
・ウーバーの運転手の「ネットワーク」
1950年代から2000年代まで、上場した企業の簿価や売り上げと、時価総額との相関を調べてみると、年々明らかに相関が下がっている。など無形資産の価値について分析している。
しかしながらwithコロナの世界で起こる無形資産の価値が見直されてい -
Posted by ブクログ
無形資産が経済に及ぼす影響について記載している
スケーラビリティ 拡張性
サンクコスト 投資が回収できない
スピルオーバー 無形資産の効果が自社・他社へ波及する
シナジー 異なる無形資産が掛け合わされることでより多くの便益をもたらす
無形資産が重要になる経済では、スピルオーバーを最小化しつつシナジーを生み出そうとする、少数の支配的な企業が市場を支配する。まさに、Googleが検索アルゴリズムで市場の覇権を握りつつ、異業種とのシナジーを生み出しているのが好例と言える。
Googleの例のように、無形資産の経済では先進企業と後進企業との間で、大きな所得格差が生じてしまう。
無形資産が生み出す格差 -
Posted by ブクログ
世界時価総額上位をみれば無形資産を活用する企業ばかり。それらの企業はいまや国家を超越しようとしている。無形資産企業への富の集中と不可分性(と無形投資という多分の投機性)を、主に経済学的視点から分析する。著者曰く無形資産の特性は①スケーラビリティ、②サンクコスト、③シナジー、④スピルオーバーの4つあり、特に③④が無形リッチがWinner takes allになる本質であろう。GAFAMしかり、これからの自動運転のCASEやシェアリングエコノミーも同様の世界が来るだろう。面白いのが無形資産が優位性の源泉となればなるほど、人材といったソフト部分の流動性は高まるということだ。無形をいかに固着させるかと
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Posted by ブクログ
ー 無形資産は四つの変わった経済的性質を持つ。こうした性質は有形投資にもあるが、全体として無形資産のほうがそれぞれの度合いが高い。
その特徴とは以下の通り:
・スケーラビリティ
・サンク性(埋没性)
・スピルオーバー
・シナジー
この四つからは、さらに三つの特徴が派生する。それが不確実性、オプション価値、紛争性だ。本書の残りでは、こうした性質から生み出される、ますます無形リッチとなる経済の影響について論じよう。 ー
容易には計測出来ないけれども、意識的に投資していかなければ、急激に見える形で差が出るわけではなく、じわじわと効いてきて気がつくと大きな差が出てしまう、そんな無形資産の重要性が -
Posted by ブクログ
アメリカの経済学者による無形資産について述べた本。企業が発表する財務諸表では、有形資産のみが記されているが、「のれん代」といわれる資産やシステムやソフトウェア、ガバナンスや教育など、企業の経済活動に大きく影響する無形資産の価値が、大きくなってきている。しかしながら、この無形資産はその価値を数値化しづらく、影響も測り難い。これら無形資産の特徴を纏めており勉強になった。内容はやや発散的であり、体系的ではないところが残念。
「あのライト兄弟は、世界初の飛行の後で、もっと優れた飛行機の開発に時間を費やすどころか、特許を侵害していると思った競合開発者と戦うのにほとんどの時間をかけていた」p14
「雇用 -
Posted by ブクログ
今日、先進国では「無形資産」への投資が増えている。この無形投資の台頭は何をもたらすのか。有形投資とは異なる特徴を述べ、経済や社会に及ぼす影響について解説した書籍。
無形資産とは、物理的なモノではなく、アイデアや知識、社会関係でできた資産のこと。あらゆる先進国で重要性を増しており、一部の国では有形投資を上回っている。
無形投資には、次の4つの特性がある。
・サンクコスト(埋没費用)
無形資産は売却することが難しい。そのため、サンクコストと呼ばれる回収不能な費用が生じやすい。
・スピルオーバー(波及効果)
無形資産は、他社が比較的簡単に活用できる。例えば、ほとんどのスマホは、アップル社のiP -
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