黒田小暑のレビュー一覧
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黒田小暑『ぼくはなにいろ』小学館文庫。
初読み作家。
すらすらと読めるのだが、何とも息苦しく、少し辛い読書体験だった。
様々な事情を抱え、自分の殻にこもり、自分の価値を見失った人びとが少しずつ殻を打ち破ろうとする話だった。ストーリーも息苦しいのだが、背景に描かれた新型コロナウイルス感染禍が追い討ちをかける。
自分には余り共感出来なかったが、強く共感する読者も多いだろう。人それぞれ考え方が違うのだから当然だ。
交通事故で父親を失い、自らも身体に傷を負って以来、その傷を知られたくないという思いから、ひたすら人目を避けるようにに生きてきた祥司は、行きつけの居酒屋で一人の女性に出会う。
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Posted by ブクログ
ネタバレ何とも言えない、この人間関係やそれぞれの抱えているものや出来事が人それぞれあったり、依存したりすることが誰しもある。そして、始まったときには、終り始め、そして忘れていく、、
感想どう書けばいいかわかんないや笑
ランジの過去には共感したし、兄の言葉も刺さったなー、サミンの過去には、ものすごく読んでて良かった。ハルの秘密はそんな驚かなったなー、わりとそのままのハルが出ていたから。ギンマの甘えや逃げには、そこまで自分は逃げてはないが、少なからず、自分自身もある部分だと思った。
世の中でもこの人たちのような、人生を歩んでる人は少なからずいるんだろうなと思った。
最後の解説には、驚いた。そんなこと -
Posted by ブクログ
「You Tuber絶賛!新世代の小説家爆誕」というキャッチコピーに惹かれ、この本を手に取りました。
主な登場人物は同じ大学に通う4人の大学生たち。歌手としてメジャーデビューを目指すギンマの声に他の3人が引き寄せられた形で、4人は一緒にシェアハウスに住むことになります。差出人不明の白い封筒をきっかけに、4人の関係性、それぞれが持つ壮絶な過去、抱えている秘密が明らかになっていきます。
ギンマは、4人の中で最も非凡な才能を持っているにも関わらず、実は一番平凡な人生を送ってきたことに「この声さえなければ」と悩み、苦しみます。「何者にもなれない自分」を、ギンマはいろいろな人を巻き込みながら、 -
Posted by ブクログ
オリジナル曲を弾き語りで歌って、音楽で飯を食っていこうとする青年と、彼を取り巻く同居者達の群像劇です。
曲を作って人に聞いてもらう喜び。これはやった人にはわかると思いますが麻薬的な快楽です。特にステージに立って自分の歌を聴きに来た人に聴かせる時、体に満ちてくる喜びはどう言い表したらよいかわかりません。
本書の見どころは、大学というモラトリアムが作り出す万能感と焦燥感だと思います。
才能はあるけれども足がかりが見つからないシンガーソングライターと、彼の才能を信じて集った3人。時間が無限にあるならうまくやっていける関係も、終わりが見えてきた時に壊れていく関係・・・。
一人一人人生があるけれども、