ケン・ムーアのレビュー一覧

  • ビジネススクールで教えているファミリービジネス経営論

    Posted by ブクログ

     ファミリー・ビジネス(家族・同族経営)に関して、ファミリーならではの特徴的な問題を含んで、マネジメントを語った書。基礎的なポイントが要領よくまとめられている。各章にケースも含まれていて、具体的でわかりやすい。何よりも、読んでいてい面白い。大家族が絡んでくる外国と様子が違って、日本では家族そのもの、後継者がいないこともファミリー・ビジネスの課題として浮かび上がり考えさせられる。

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    2025年06月07日
  • ビジネススクールで教えているファミリービジネス経営論

    Posted by ブクログ

     一般に非合理的活動とされてきた「家族経営=ファミリービジネス(FB)」ですが、これが経営の合理性とどう交叉し、特有の価値を生むのかということを記した本。FB関連の国産本は「実証的なようでいて脇が甘い」、対するこの本は「ふわっとしているようで視角が良い」という感想を持ちました。

     ファミリー/オーナー/経営というスリーサークルモデルは当然として、この本はアーキテクチャ(制度・組織)/ガバナンス/アントレプレナーシップ/スチュワードシップの4項目でも切り分けています。特にスチュワードシップは目から鱗みたいな概念で、そういう家系にいない人間には認識しづらい盲点ではないでしょうか。

     FB特有の価値としては、年代記的な超長期的視点(スチュワードシップ)、ある種身分的な文化が産み出す競争優位(アントレプレナーシップ)が指摘されています。またこうした価値創出を可能にするガバナンスとして、(あえて単純化すれば)家族会議の制度化に係る記述も多くあります。

     近頃(2023年度)は、硬直化した官僚型経営組織やら世襲を巡る呆れた事件やらが数多く報道されています。制度に理念の血を通わせることは難しく、かといって血さえ通ればよいというものでもない。家族とは何か、その良きガバナンスとは何か――これは日本の将来を占う重要な論点と考えます。経済誌的な選民思想の埒外に生きる地方の生活者にとっても、実用に耐えうる身近な分析視角と言えましょう。

     ちょいちょい謎の図が出てくること、アーキテクチャとガバナンスの区別がやや曖昧なこと(前者は制度、後者は実務寄り)など気になる点があるので、★4。

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    2024年01月16日