NHKの「フランケンシュタインの誘惑」が好きで(Eテレ全般が好き、教育者や製作者の気概を感じる)科学史の面白さを知った。
本書は科学者の一般的な功績を知ることができる。
もちろんたくさんのエピソードがあって、そこを凝縮してはいるのだが、
もっと知りたければ巻末の参考文献も是非読みたいと思わせる内容だ
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文系だから、なんて思っていたらもったいない!
ビジネスにも、教育にも、つまり普段の生活に使えるヒントが詰まっている。
元素の周期表を作ったメンデレーエフは、それを居眠りの中で思いついたという。
ニコラ・テスラはゲーテの詩から磁界を回転させることをおもいつき、欠点を長所にかえた。
アラン・チューリングのプログラムというアイデアは、今私が(これを書くのに)使っているアプリに応用されている。
ノイマンはコンピューター概念を作り、普及させた。
そこには違う分野で手を組む、という発想があった。
マウスを発明したエンゲルバートは、昔習った情報を活かした。
ナイチンゲールは今や当たり前の「統計」を活かして説得をした。
どれもこれも、過去から習って未来に繋げられる。
イラストも多く、各科学者の紹介は統一されていてみやすい。
戦争に必要だったから、戦争で伸びた技術というものも多い。
こうしてみると技術とは表裏一体で、如何様にも使えるものだということを感じることができる。
一方で、ここで示される科学者以外にどれだけ無名の人が研究をしてきたことか。
無名の人々は、しかし科学史の中の屍ではない。
皆が受け入れたことで科学は進んだのだ。
そのことにも、思いを馳せずにはいられない。