柴田秀並のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
非常によく調べて、従来ありがちなひたすら正義を振りかざした声高の糾弾型のものとは異なり、事実を積み重ねた冷静な筆致となっている。それ故に、保険業界関係者には耳が痛いところが多いに違いない。
特に損保ジャパン(SJ)の社内事情に関しては、おそらくはかなりの内部協力者からの情報を得て書いたと思われる部分が多くある。
しかし、株式持ち合いといい、取引先の販売協力といい、保険業界に限った話ではなくて、どこの企業でもある持ちつ持たれつの関係、個人のご近所付き合いの延長線みたいな日本的風土がもたらしたところでもあるような気がする。
こうした、もともと農作業に由来するとも思える「ムラ社会」での関係性でビジネスをやっていくことから本当に脱皮できるのか、さしあたり政策保有株を全廃するとは言っているが、緩やかとはいえ旧財閥まがいの企業グループを形成している大手損保は、グループ・トップの銀行株をすべて手放すことができるのか、ちょっと見ものである。
なおこの本では損保メインで書かれていて、生保はわずか50頁少々しか割かれていない。
しかも、巨大な資産を抱える生保業界が国債のみならず米国債の消化について、旧大蔵省から財務省の現在に至るまで、多大な「協力」をして、まさに持ちつ持たれつの関係であることは一切触れられていない。
そこが節税商品という名の脱税商品を監督当局が商品認可をしてきた根本のところにあるのだが。
新書の紙数の限界もあるのだろうから、第二作を期待する。
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Posted by ブクログ
一連のビッグモーター事件、損保ジャパンの転落、それらの背景にある企業文化と業界慣行について、事実と関係者ヒアリングに基づき、丁寧に書かれてあり、業界関係者のみならず日本企業に勤めるものにあっては必読の書とおもいました。
近々で事件になっていたカルテルの話も取り上げられていましたが、長年、相手方企業からは本業支援を強く求められ、その中で利益も出していかざるをえず、お互い様というところもあると思いました。
一方、日本の損保業界は利益率が欧米と比べても悪いと新聞にも書かれてありましたが、例えば、自社の営業がいて、代理店がいて、その先に顧客があるといった何重もの構造や、保険そのものの機能ではなく政策保有株など、何らかのしがらみでがんじがらめになっているような気がしました。
近年、保険業界に限らず、今の会社は従来の枠組みを維持しながらも、収益も、コンプライアンスもすべてパーフェクトにこなすのは大変だと思います。 -
Posted by ブクログ
本書は朝日新聞記者が、批判的に保険業界の問題点をまとめたものです。
最近よく目にする外貨建て保険や、複数の保険会社の商品を扱う乗り合い代理店、かんぽ生命の不正問題など興味があったトピックを詳しく扱っていたので満足度が高かったです。
顧客の利益を無視した営業をする者がどんな手口を使ってきうるのかということを知っておくことは、自分自身や自分の家族の資産を守るために大事なことだと思います。
そういった意味では、そういった手口やそういったことが発生する背景がよく分かる本書は、保険をどうしようかと考えている方や親が高齢になってきた方にオススメできる一冊です。 -
Posted by ブクログ
自分が理解できない商品は、買ってはいけない。
世に数多ある商品の中で、複雑怪奇な商品の一つが金融商品。
理解出来ないのに、少なくない人が、手を出してしまう。
金融商品に対して、少しリテラシーがあるので、こんなサギみたいな商品、
少なくとも、自分では手を出さないものを、少なくない人が、買ってしまう。
無知というのは、やはりおそろしい。
例えば、テレビCMで紹介されているモノとか。。。
金融機関が、広告まで売って、つまり余計に経費をかけて売りたいと思うものに、
契約者がお得になる商品は、ほとんどない。
少ない掛け金で安心、少額、ボーナスありなど、
聞こえの良い言葉が並んで、そうか私も必要なんだ、契約してしまうのは、
ほんと恐ろしいことだ思う。
ただ、なぜ、飛びつくか、わかるような気がする。
それは、逆説だが、よく、わからないからだと思う。
人は、わからない何か(例えば将来)に期待してしまうからだろう。
逆に宝くじは、よくわかるから、買われてる。
ただ、金融リテラシーが少しでもある人は、まず買わない。
宝くじは、もし当たったらどうしようという淡い期待と安さが魅力だが、
当たることは、まずない。一生で交通事故に何回も遭遇するより、
確率はずっと少ない。少なくない生命保険の商品が、
実は、宝くじと似ている。ただ、優れた商品もあるのも、また事実。
ただそういうものは、やはりある程度、知識がないと、絞りこめない。
くれぐれも、マネー〇〇という人には、相談するかは、よくよく考えるべきだと思う。
なんで、まともな金融機関に勤めていない彼らが、
なんとかプランナー2級という、新書1冊分の金融知識で、専門家ズラして、喰っていけるのか?
彼らは、何を売っているのか、顧客への正しい金融知識とライフプランの作成、
んなわけないからだ。こういう疑問を持つのは、重要だと思う。
この著作を読むと、まぁ、そうだろうなという状況が書いてある。
テレビで投資信託の商品CMを見たり、生命保険のCMを見ると、複雑な気分になる。
金融リテラシーの向上は、かなり前から叫ばれているが、
英語やITスキル以上に、下がっているような気がする。
日本では、どうしても、リスクという考え方が、文化的にも、
また、教育的にも、わざと理解させないようにしている。
高齢者をターゲットにするのは、確率的に騙される、
失敬、商品の「特性」をよくわからないままに、誘導営業という名の元に、
半強制に買わせられる確率が、他の世代と比べて高いからだろう。
つまり認知機能が劣っている人を今、大手金融機関がターゲットにしている。
個人的には、生命保険の契約の他に、
大手通信会社の下請けがやっているサギまがいの契約だと思う。
高齢者は、アホみたいに高い契約をしている。
その一人が自分の両親だった。
到底使わないようなオプションを山のようにつけられていた。
母親いわく、担当者は、良い青年だったみたいで、年収まで聞かれたみたいである。
これじゃ、郵政がやっていることと、そっくりじゃないかと思う。
通信プランも、実は金融商品に近いことを、もっと啓蒙すべきだと思う。
全く自身の通信状況に合わない契約をやっている高齢者は、ごまんといるだろう。 -
Posted by ブクログ
2019年刊。
世の中でかんぽ生命の不適切な販売のことが話題になったころ、タイムリーに出た本だろう。
取り上げられる話題は次のようなもの。
・外貨建て保険
・相乗り代理店
・節税保険
・不正販売(高齢者への不適正な商品の販売)
銀行と生保の力関係や、インセンティブなどの販売戦略、金融庁の指導など、新聞記者さんらしい取材による解説だった。
かんぽ生命の話は、改めてぞっとする。
本当に高齢者を何だと思っているのだろう。
と同時に、田舎の両親が心配になる。
職場にも生保の営業さんがかつてはしょっちゅう来ていた。
コロナを機に、今はほとんど姿をみない。
銀行からもひところ保険やら住宅ローンの勧誘がすごかった。
こちらは、電話とDM。
ただ、それもコロナを境にあまりなくなった気がする。
コロナで業界はどう変わったのだろう。
その後が気になる。