李楊樺のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
広い中国・多様な気候風土、長い歴史から織りなされる料理の数々に驚かされます。
見たこともない食材。
想像もつかない調理法。
そして著者の食レポぶりが素晴らしいです。
調理しているところを見ているかのような臨場感、その料理にまつわるエピソードや歴史、名前の由来、など83の全ての料理一つずつに書かれています。
家、街角、レストランと3つのシチュエーション別に選ばれているのも想像しやすくて、物語のような楽しさです。
薬膳を勉強していることもあり、食材や香辛料の組み合わせも興味深かったです。
「それぞれの土地には風土に根ざした滋味があるものなのだ。」
気になるのは -
Posted by ブクログ
中国各地の美味しい料理を家庭、屋台、レストランという食べるシチュエーション別に分けて紹介する食いしんぼうのためのエッセイ。
著者は北京出身なので全体で見るとやはり北京料理が多いけれど、旅行で訪れた先の料理についても熱心に調べて紹介している。マカオで食べられている「馬介休」がポルトガル経由で入ってきた「バカリャウ」、つまり塩ダラだと知って、直近で読んだ越智敏之の『魚で始まる世界史』とこんなところで繋がるのか!と感動した。海ってすごいぜ。逆にヨーグルトが西洋から入ってくるずっと前から、西寧ではヤクの乳を使って作られてたんじゃね?という仮説も面白い。
さらに驚いたのは広東料理の「古老肉」。これは -
Posted by ブクログ
Netflix配信の「美味の起源」という中国の地方料理を紹介する番組を見ていて、あの広大な土地の多様性というものを考えた。この映像作品群は一帯一路を目指す中国もダイバーシティを意識していることを醸し出すプロパガンダ映画かな。
それはさておき、著者は紫禁城の近くで生まれ育った生粋の北京っ子だそう。「食は広州にあり」という言葉を耳にしてきた私にとっては、知らないことばかり。辞典と冠しているが、本当に様々な料理が紹介されている。いわゆるグルメ本ではなく、ご本人が本当に美味しいと感じた料理について書かれた随筆集。コロナのオミクロン株で冬季・北京オリンピックの開催が危ぶまれているが、早く美味しいものに