夏苅郁子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「人生は基本的には不公平だと思う、そしてなぜこんな不公平なことが起きるのか」と著者は本書のまえがきに書いている。実際、本書を読み進むうちに、胸が塞がれて息も止まりそうな場面が次々に出てくる。
そして、人との出会いと、時間の癒しによって、著者は、人は人との出会いで変わることができると、心から思うようになる。その過程が丁寧に(おそらく大変な辛い思いと戦いながら)書かれている。ほかでもない著者だからこそ、頑張り抜いて試練に耐えてこういう高い境地まで到達できたのだと思う。
精神科医が処方する薬だけでなく、心への温かい働きかけがなければ病む人々は救われないことを著者は示してくれた。患者の家族への救い -
Posted by ブクログ
ネタバレ超個人的私的感想
実際、お世話になっている先生。
今まで何かあっても誰にも言わず自分の中で解釈してきた人生の中、先生は初めて私に新しい考えをくれた人。
毎日馬鹿みたいに泣きながら電車に乗らずに済んだのも先生のおかげ。
だから読みたかった。
人との出会いを大切にすること。
いつか失うのが嫌で大切なものを増やしたくない。関係性に「諦め」が常にあった。
けど、先生みたいに出会いをに大切にしたら、もっと人を大事にできる人になれるかも。
出会いや、出来事から自分の成長、成功体験を見つけたいと思った。
最初は、読んでいて辛くなるの、共感する所も沢山。
でも、先生の言葉は優しいから、嘘が無いか -
Posted by ブクログ
ネタバレ以前夏苅さんの本を読んだことがあり、その頃から精神病に関して当事者であり医療者であるという著者に関心を持っていました。
このタイトル…ちょっと誤解を招くのではと思いました。
私はこのタイトル及びサブタイトルを見た時、夏苅さんの患者さんが診療室で話した、他の精神科の診察室では聞けないような話を集めたものかと思ってしまい「7つの不思議」の意味合いを、本書で書かれていたものと全然違うものとして捉えていました。例えば統合失調症の症状で現れる妄想の内容とかそういうものかと思いました。
本書でいう「7つの不思議」とは
1.病名を言われずに何十年と通院している患者さんがいる
2.何十年と薬を飲んでいるのに -
Posted by ブクログ
統合失調症の母に育てられ過酷な幼少期を過ごした筆者は、様々な人との「出会い」を通して少しずつ社会復帰へと向かっていった。その実話をまとめたものがこの本である。
たいへん興味深く、また参考になる部分も少なからずあった。特に筆者が社会復帰へと向かっていく際の周りからのサポートに関しては多くの学びが得られた。
しかし筆者の生き方は一般人には到底真似できないもののように感じられた。彼女は非常に過酷な生い立ちでありながら医学部に合格できるほど、すぐれた頭脳や自制心の持ち主だからだ。例えば、3度目の自殺未遂を起こさなかった理由に関して「母のようになりたくなく、更に父からも脅されていたから」と筆者は述べ -
Posted by ブクログ
心の病にかかった精神科医の人生をつないでくれた12の出会い…と副題にあります。
母が統合失調症であり、自らも精神科の患者になり、精神科医でもある著者が、色々な人に出会い、良き伴侶にも恵まれ、今では幸せだと思えるようになったそうです。
苦しめられた母親に対しても、今では尊敬していると書かれていました。
尊敬出来るようになった心の変化がよくわかりませんでした。
この本は、講演でした話をまとめたような簡略な内容で今一つ、詳しい過程が私にはわかりませんでした。夏苅さんの他の著書をまた読んでみたいと思います。
ただ、精神的な病を治すのは、薬ではなく、人との関わり合いである。人は、人を浴びて人にな