岩本宣明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ博士課程に進む人が減っている。理由は、修了後、恒常的なポストにつけるのは1割のみ。優秀な人ほど、企業にいく。40歳過ぎてもポスドクの身分のままであることも多い。
また、研究を落ち着いてできる環境がない。科研費の選択と集中は、日本の研究開発力を促進している、という結果はない。むしろ阻害している可能性の方が高い。
プロジェクト予算が増え、短期に成果を求められることから、腰を据えた基礎研究が行えない状況になっている。
本来、大学院や博士課程に進める実力のない人まで、集めないと大学として成り立たない状況。
「大学」というモデルを解体し、研究機関と高等教育以降の教育機関と分けるなど、抜本的な改革をしない -
Posted by ブクログ
日本から科学者が消える、と聞くと、
そんなはずがない、と思いますが、
相当な危機的状況です。
若手研究者が無期限で雇用される枠はとても少なく、
それを知っている研究力を持つ学生は
博士課程への進学を辞め企業に就職し、
その結果、日本の研究は衰退していく。
衝撃を受けました。
博士号を取得してから
アカデミックでちゃんと職に就けない現状。
私がどうにかできる話ではないけれど、
これが現実なのか、ということが
たくさん書いてありました。
30年後もノーベル賞を取れる日本であってほしい。
そう願うばかりです。
日本の現在の研究状況を知りたい人に
おすすめしたい1冊です(*´˘`*) -
Posted by ブクログ
既に広く知られている事ではあるが大学の研究の衰退と研究者のひどい環境について書かれている。
著者はライターなので既存の統計や資料を集約して書かれている最後の結論はまあまあ良いことが書かれているのではないか。
提案としては研究機関と就職教育機関の分離。
日本では建前上企業も大学で学業が重要、とは言うが実際就職時に学業を全く重視、評価していない。
結果大学では学問的学業や研究ではなくそれ以外の教育に時間が費やされている。そのような教育と博士の学術研究を同じ人、機関がやるのには無理がある。
実際にこういう分離ができてかつ、大学のステータスが今と同じように付加されていればかなり解決はすると思うが、、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ日本における基礎研究の危機が叫ばれるようになって久しい。最近では日本人ノーベル賞受賞者も必ずと言っていいほどこの話題に触れる。ノーベル賞受賞者というと高齢のイメージがあるが、評価された研究のほとんどは若手のころの実績であることからもわかるように、若手研究者が基礎研究に打ち込める環境が日本の科学水準を引き上げる。
高い山には広い裾野が必要だが、日本では博士課程を終了しても研究職につける者は一割にも満たない。理系修士課程修了者の大半は技術者として企業に雇用されるが、技術者になるのであれば博士課程で学ぶことに大きな意味はないし、時間と労力とお金の無駄、と後悔することになりかねない。
筆者によると