柳父章のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「社会」「個人」「近代」「美」「恋愛」「存在」「自然」「権利」「自由」「彼、彼女」という幕末から明治期に生まれた翻訳語が、なぜそう訳されることになったのか、実際の意味がどのように歪み、分かりにくさや矛盾を孕んだまま急速に受け入れられ広まっていくこととなったのか、という点について述べている。
訳語そのものの成立の歴史もさることながら、結局今の我々がどういう意識でその言葉を使っているのか、ということに目を向けさせる点が、ドキッとしてします。例えば、「今日、私たちがsocietyを『社会』と訳すときは、その意味についてあまり考えないでも、いわばことばの意味をこの翻訳語に委ね、訳者は、意味について -
Posted by ブクログ
翻訳語をめぐる問題に取り組んできた著者が、明治以降の西洋文明の受容によって成立し、あるいは意味の変容がおこなわれた10のことばについて考察をおこなっている本です。
とりあげられていることばは、「社会」「個人」「近代」「美」「恋愛」「存在」「自然」「権利」「自由」「彼、彼女」で、「社会」や「権利」のようにそれまでの日本に存在しない西洋由来の概念を日本語に移し替える努力をした人びとの仕事に焦点があてられるとともに、それらの外来語が広くつかわれていくなかで、どのような効果を発揮したのかということについて論じられています。
著者は、こうした外来語が「中身が何かは分らなくても、人を魅惑し、惹きつける -
Posted by ブクログ
よ、読むのにめっちゃ時間かかったー!
他の方のレビューには敵わないので、もっと丁寧に書かれているレビューを参考にされたし(笑)
この間、ちくまプリマーで誰が言ってたか、英語のLOVEと、日本語の愛はその語に含まれた背景が違うと。
英語では神に対するような感情を含めた言葉。
日本ではせいぜい兄妹に向けるような言葉。
んー。この解釈も、『翻訳語成立事情』を読むとズレがあるように感じる。
そして、恋すると愛すると恋愛もやっぱりそれぞれに違いがあるように思う。
しかし、書かれている内容は本当に面白い。
社会、個人、近代、美、存在、自然、権利、自由、彼・彼女。
特に思想が絡んだ言葉は、モノのよう