森嶋通夫のレビュー一覧
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森嶋通夫
1923年大阪府生まれ。1946年京都大学経済学部卒業。大阪大学教授、エセックス大学教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)教授を歴任。1976年文化勲章受章。2004年7月逝去。大阪大学名誉教授。LSE名誉教授。イギリス学士院会員。著書に『イギリスと日本』 『続イギリスと日本』 『政治家の条件』 『思想としての近代経済学』(以上、岩波新書)ほか多数。
事実、英国は日光の非常に乏しい国でありまして、ビタミンDの不足のために、「くる病」が非常に多い。ですから、「くる病」をもって英国病というのは、きわめて穏当であるかと思います。しかし、ここで「くる病」の話をす -
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ネタバレこの本のはしがきは一九九九年一月六日の日付です。
そこで森嶋さんは、日本は今危険な状態にある。日本はどうなるかと誰もがいぶかっている。わたしも本書で、照準を次の世紀の中央時点―二〇五〇年―に合わせて、そのときの暴落しているかどうかを考えることにした。
そのためには、まずなぜこんな国になったのかが明らかにされねばならない。それと予測が本書の問題である。
と記載されています。
この本で森嶋さんが心配して予測をした2050年よりもはるかに早い現在の二〇二二年の時点で、もうすでに日本の没落、日本人の衰退が顕著になってしまっています。
現実を見ることは悲惨である。彼等の人生、そのためには、現在の彼ら -
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2050年に日本はどうなっているかを予見した書籍。
森嶋氏は没落すると考え、それを防ぐために東北アジア共同体を作ればよいと提案する。政治的イノベーションを起こさないと駄目だと。
考えさせられる点が多多あったが、政策立案者にこそ読んで欲しい書籍だった。
大学の3、4年での専門教育を1、2年で行い、3、4年で教養教育を行う。1、2年を修了した者にも、4年の教養教育まで終えた者にも同じ学士の資格を与えて、大学教育の短縮化を図るなど興味深い提案もあった。
本格的な大学は日本には5校もあれば良いとも言っている。
本当に知的に成長するのは、10代後半までだとも言っている。
評者は自分が学者とし -
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本書はイギリスで長年経済学を教えていた著者が、1977年に初版を出版したものである。その意味では巷に出回っている日本とイギリスの比較ものと同ジャンルとも言えるのだが、決定的に違うのは、著者の主張や推論には統計的裏付けがあることだ(数理経済学者としては当然の振る舞いである)。
イギリスを日本人が紹介する本は多数あるが、大半は限られた側面しか見ていないし、記述があまりに表層的でお粗末である。データの裏付けもない。それと比べると本書はトピックは限定的でも(経済と教育面)、統計データを元に推論を進め、リーズナブルな結論を導いているという点で、大変良心的な本である。また驚くべき事に27年前に提言されてい -
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まず驚くのは、出版された年が今から20年以上も前にもかかわらず、現状の日本社会の問題点を的確にあぶり出したところだ。著者の森嶋通夫は、社会の土台として、人間の存在が重要だと繰り返し説くが、なかでも教育を注視する。ここを適切に修正しないと、長期的に見て日本は衰退を免れないという。
森嶋は、現代の大人たち(この場合、戦後教育を受けた大人たちを指す)が知識の丸暗記に長けている一方で、価値判断や論理的思考が欠けていると批判する。また、戦後教育の影響で、日本社会には社会的信条や倫理的規範、すなわちエートスが頽廃していると批判する。それが抽象的な、超越的なものに対する義務感や責任感の欠如、倫理上の価値 -
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ネタバレ1999年に書かれた、経済学者である森嶋道夫氏の本。
2050年の日本を予想している。
社会は経済ではなく「人」がベースになっており、その(日本)人を分析して未来を予測することで、2050年を予測している。
「人」「精神」「金融」「産業」「教育」という観点で論を進め、最後に「解決策」を1つ提示して終わる。概ね納得。2020年現在、たしかに森嶋氏の予測通りに社会は劣化が進行している。おそらく、氏の予測より状況は酷くなるだろう。
最後の解決策である「東北アジア共同体」については、現在のEUを見ると各国が独自の金融政策が行えずドイツの一人勝ち状態で通貨統合した悪影響がかなり出ているので、正直そ -
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最初の印象は、生臭い「徒然草」のようだったのだが、読み進むうちに、かなり熱を孕んだ遺言のようなものに見えてきた。
50年後の社会は、現在の小学生が官僚トップに、中学生が財界トップに、大学生が政界のドンになることを想像すれば、どの程度の社会になるのか見える・・・これは結構キビシイ見方であり、「いつの世も若者は頼りない」ということに過ぎないのかもしれないが、精神も金融も産業も教育も、このままでは荒廃していくという森嶋先生の警告は、感覚として頷いてしまう人が多いだろう。
解決の方策として、欧州共同体ならぬ東洋共同体を提言する。アメリカはいざとなると日本ではなく中国を取るであろうという洞察は、イギリス -
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あの森嶋先生が90年代末に書いた2050年を見すえた書。
正直、読後感は悪い。
森嶋先生自身、「経済学、社会学、教育学、歴史学など取り混ぜた社会科学領域での一種の学際的研究-私がかつて交響学的社会科学と呼んだもの-」を歯に衣着せぬ語り口で、日本の没落を論証している。
人口の分裂、精神・産業・金融・教育の荒廃、、、
教育の荒廃についての具体的提案ついて、大学進学率を12-15%に押さえるとか、大学と専門部を分けるということは過激に見えて実はそのくらいしないと没落は防げない状況なのかもしれない。
また、「唯一の救済策」として提案されている「東北アジア共同体」構想を提案するには今のタイミングは最悪と -
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ネタバレ[ 内容 ]
日本は高度成長を遂げて経済大国になったが、一方、英国はかつての大英帝国から小さな福祉国家へと変貌した。
長年、ロンドン大学で理論経済学を講じている著者は、英国の中等・高等教育の実際の姿と、日本の画一的な教育の現状とを対比しながら、教育の社会における在り方を論じ、これからの日本の教育と経済の方途を示す。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度( -
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イギリスについて知りたいなあという漠然とした思いから手に取った一冊。
副題の通り教育と経済という視点からイギリスが語られています。
著者の森嶋さんは数理経済学者で、大学教授からの視点が主とされています。
単線型教育の日本と複線型教育のイギリス。そのことによる経済成長への影響など、知らなかったことをたくさん知ることができました。
またその国を知るというためにはその国の制度を知ることの大切さも強く感じました。
30年近く以前に書かれた内容ですが、十分今に通じるものがあって、参考になりました。
どちらかというと教育のあり方についての日本とイギリスとの比較に比重が置かれていたように思うので、教育を学 -
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ハマータウンの野郎どもの再読に向けての布石として読んだんですが、70年代に書かれた本の割には意外と先見性があるなぁって思いましたね。そして第4章がおもしろい。
イギリスの教育事情が興味深かったです。教育が成功しすぎているがゆえに大学と産業界のパイプがつながらず、いわゆる「英国病」にかかってるわけだけど、でもそのぶん個々はそれぞれ異なる専門性を得ているわけだ。だけど日本の場合は、画一的な教育がメイン。そして質の低い大学教育を経て学生は悔いなく学問の世界に別れを告げ産業界へと去ってゆく。そしてその産業界では個々の画一性が追い風となり産業界は力をつけていったわけであります。僕は「英国病患者」になり