津田のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
あなたは、「きみ」の存在を意識しているだろうか
読むのが苦手なひすい。書くことが苦手な心桜。女にも男にも分られたくない理幹。養育里親の養子となった拓真。過食ぎみの小晴。化学物質過敏症の留美名……。周囲から理解されにくい困りごとを抱えた中学生たちの苦しみと希望を描く連作短編集。あなた自身の中にも、あなたの周囲の人の中にも、彼らと似た部分があるかもしれない。「怠けている」「わがままだ」と決めつけず、「きみ」の存在を意識し合えたら、どんな世界になるだろう。
「あの子がそんなふうに困っていたなんて、全然気づかなかった。なんていう大人にはならないよ。」
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ある6年生の2学期ベスト本。こ -
Posted by ブクログ
自分の感覚や考え方だけだといろんなことが見えなくなるんだな。
生きにくさや、困りごと…。
一人ひとりが何かの困りごとがあるのかもしれない。
私自身も、この中の登場人物と重なる部分を持っている。
読みたい本がなかなか読めなくて、
気持ちや集中が散り散りになって、
漢字もなかなか覚えられないし、
時間をなかなか守れなくて…
そんな自分が好きになれなくて、一つ失敗をするたびに自分を心の中で責めていたあの頃。
その時の自分の気持ちも思い出しながら読み進めた。
発達障害、心の性、里子、過食。
こうして言葉にすると枠にはまってしまって、本書の魅力を伝えられないけれど、
この作品の登場人物の持っている困 -
Posted by ブクログ
5人の中学2年生の目を通して描く連作短編集。
たぶんディスレクシアで、読むことがとても苦手な、でもそれを正面切って認めたり、周囲に配慮を求めたりするのはいやな、ひすい。そのひすいと同じクラスで、女子だけれど体が大きくさばさばしていて男子と間違えられがちな理幹(りき)。字を書くことが極端に苦手で、ひすいとは対照的に自分でその原因を調べ、周囲を説得して「合理的配慮」を求める心桜(こはる)。ひすいの弟――両親を事故で亡くしてひすいの親に養子としてひきとられた――で、高い知性と繊細な感性を持つ拓真。そして大人のいうことを聞く「いいこ」であろうとするあまり自縄自縛になり、過食症になってしまう小春。
だ -
Posted by ブクログ
タイトルは恋愛小説?となるけど、
内容はまったく違います。
ヤングアダルトのジャンルだけど、これは大人も読むべき。
登場人物が抱える悩みは多種多様。
「読む」ことができない子、
「書く」ことができない子、
男でもなく女でもない真ん中のあの子、
養子縁組でほかの家族のなかで悩む子、
親の期待に応えたい拒食症の子、
匂いに敏感な「化学物質過敏症」の子。
自分だけが、特別ですか?
自分だけが、我慢すればいいですか?
「ほかとは違う」あの子が生きやすい世の中に、せめて変えていけたらいいなと思う。日本はみんなと一緒と前ならえが好きだからなあ、、。
大切なのはいろんなひとがいろんなことを知っていく