栢木清吾のレビュー一覧
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ネタバレ世界を知りたいと思っている人は読むべき。
有色人種と言われる南アジア(インド、パキスタン、その中の下層カーストだった身分に生まれた人)、中国(オリエントと言われてる日本含むインドから東側の民族)、アフリカ(アフリカ人はみんな肌が黒いわけではない。白人に間違えられるけどルーツや信条など中身がアフリカ民族な人、ケニア、ナイジェリア、ルワンダ、ジンバブエの人は明らかに異なる性質を持つ。ひとくくりにアフリカ系と言えない多様性がありアイデンティティも複雑である)。など、世界でマイノリティとして生きたことがない私にとっては全てが新鮮だった。
世界最強と言われる日本のパスポートを幸運にも持っている私にはそ -
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ページを捲るたびに小さな傷ができていくような感覚。
瘡蓋になってもその上からまた傷が付く。
それを彼らは日々の生活の中で感じているんだろうし、私も国外へ出ればそうなってしまうんだろうなと思った。
編者前書きの「有色人には、やることなすことすべてに人種が関わってきます。なぜなら、普遍的な経験とは白人のものだからです。」にハッとした。
そして、だからこの本は私の(そして全ての有色人種の)本なのだ思った。
それぞれのエッセイの完成度が高いので付箋をぺたぺた貼りながら読んでいたら2週間もかかってしまった!
きっと手放せそうにない。
リトル・マーメイドのキャスティングに怒る人達が噴出する日本はこの本 -
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美味しいフィッシュ&チップスになかなか巡り会えない。かと言ってこのまま引き退るのも癪に触る。そんな中ギリシャ系の著者が歴史を紐解くと聞き、美味しい出会いにも期待してみることにした。(ここでも「食べる」より「読む」を優先…)
起源–発展–イギリスらしさ–エスニシティ–フィッシュ&チップスの意味…と、これ一冊で充分じゃね?と思わしめるほどの専門書ぶり。
揚げた魚とじゃがいもがいつ・どこから登場してくるのか。文献を辿る旅もなかなかに忍耐を要したけど、調理風景とか(美味しいかは別にして)ちょこっと味見したくなることもあったり。古くからそれらしい料理はあったらしく、ディケンズの時代に -
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「イギリス料理はまずい」とはいったいいつ頃から言われるようになったのでしょうか。
観光旅行程度ですが実際にイギリスに行ってみた感想としては、味が大雑把な料理が多いのはアメリカと大差ないという感じ。そこそこ高いホテルのディナーは十分おいしかったし、イングリッシュブレックファーストだって好きだった。だいたいアフタヌーンティーとかなら日本でももてはやされているのに?
巻末のあとがきで「イギリス料理はまずいでしょう」と聞かれた訳者は次のように答えています。
「ロンドンで食べる飲茶やカレーは日本よりおいしいと思いますし、ジャマイカとかレバノンとか日本ではなかなか出会えない地域の料理も食べられますから -
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「よい」「わるい」はいつも他人が決める。
70年代以降に英国で生まれた移民2世・3世の著名なクリエイター21人が、自己存在の意味や葛藤、社会の偏見などを繊細かつ巧みに表現し、大きな反響を呼んだ話題の書が日本語版で登場。J・K・ローリング推薦。
★日本語版推薦
移民のひとたちは”よい移民”、つまりモデル・マイノリティでなければならないのだろうか。求められている役割を演じなければ”悪い移民”なのか? 人種も境遇もさまざまな本音の声たちに耳を傾けながら、考え込んでしまっていた。受け入れるとはどういうことか。アジア人であるとはどういうことか。どちらの立場からしても、わたしたちは当事者だ。
――谷崎 -
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イギリスって人種のるつぼだよね。そういう問いをよく聞く。英国市民はダイバーシティを皆が理解している、かというと答えはそう簡単ではない。
本書はアジアやらインドやらアフリカ、移民をルーツに持つ英国人が感じるイギリス社会を描く。共通して行間から読み取れるのは、多くの人が生粋の英国人との間に見えそうで見えない壁を感じていること。その壁に対してどこかしら不満を抱きつつも、イギリスの社会システムに順応して生きていること。とにかく忍耐強い。
横道に逸れるが、鉄道が突然キャンセルになって乗客が駅で立ち往生することが頻繁にある。駅員に文句の一つでも叫びそうなところ、ここの人は静かに次の行動を粛々と探す。個人的