僕自身は公務員でなく、企業で安定した生活を送っているが、ちょうど、この本を読んだ時期は、会社を辞めていく優秀な人材をみるにつけ、何をきっかけに彼らは踏ん切りをつけるのだろうか?と思い巡らし、自分自身の現状に満足しない気持ちが強くなってきていた時でもあった。
著者は、この本を書いた意図について以下のように述べている。
『公務員向けの本のように見えるかもしれませんが、本当のターゲットは、「公務員を辞める奴なんて、どうせ使えない奴ばかりだろ」と考えている民間人の貴方です。拙著を読めば、そんな見方がきっと変わるはずです。』
まさに、著者の意図は伝わったと思う。
この本を読みながら、公務員をしている大学時代の友人が、自分の仕事のことをしきりに”会社”と呼び、公務員であることを公表したくないと言っていたことを思い出した。友人の彼は非常に優秀な奴であるが・・・、今、かつての良さが消えつつある。
公務員という言葉でイメージする対象は非常に広く、消防士や警察官、地方の事務職公務員や省庁勤務の国家公務員にわたるまですべてを「公務員」という言葉でまとめてしまうことには無理がある。しかし、著者はそこを踏まえたうえで、「公務員でも民間会社へ勤務する者でも、必要とされる心構えやスキルは共通である」ことに気がつかせてくれる。この意味で、本書は幅広い対象読者層に薦められると思う。
しかし、最もお勧めすべき対象読者は、やはり公務員であり、また、「おぼろげに転身を考え始めた人」ではないだろうか?
本書は、公務員を辞めようとしたときにどのような転身方法があるかについて、経験を交えながら具体的に書かれているため、転身への最初の一歩(もしくは最後の一歩)を踏み出そうかどうか迷っている人を後押しする一冊である。