近藤好和のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
江戸時代までにおいて、「装束」は、可視的身分標識として政治的機能を持つものであった。そうした装束の機能をもっとも体現している天皇の装束に着目し、歴史的に天皇はどのような装束を着用し、それがどのような政治的機能を持ち、天皇の生涯とどのように連動したのかを考える。
天皇の装束としては、冕服、束帯、御引直衣の3種類しかないのだという。そして、上皇となると、その縛りから解放され、臣下と同じような装束を身に付けるようになり(そのための儀式が布衣始)、法皇になればそれに応じた法体装束を身に付けることになったという。
天皇の装束についてかなり細かいところまで解説されており、興味深い内容だった。中近世の装束に