【感想】
妖怪味のついた、さわやかな青春もの? であり「東京バンドワゴン」のようでもある。
【一行目】
今でも、昨日の事のように覚えている。
【内容】
・夢路クンは霊獣に近いと自称する猫又のサクラと出会い、寡黙で無表情な同級生の咲さんを助けようとする。それは自分の心を救うことともなった。
▼鵜野森町についての簡単なメモ
【アイちゃん】祖父の道場に古武道を習いに来ている少女。夢路に懐いているもよう。
【朝霧宗一郎/あさぎり・そういちろう】夢路の祖父。鵜野森神社の宮司。霊感とかはないが、霊とか妖とかがいることは知っている。昔、洋子さんと妖怪がらみのなんかがあったようだ。それで結婚することになったのかも?
【朝霧夢路/あさぎり・ゆめじ】→夢路
【朝霧洋子/あさぎり・ようこ】夢路の祖母。いつも落ち着いている。あるいはのんびりしている。黒猫がしゃべっても特に気にはしない。そういうのに出会ったのは三度目だとか。妖怪のことにそこそこ詳しい。
【雨おんば】長野の下伊那あたりに出る、大雨とともに現れて子どもをさらう妖怪。
【鵜野森地区】東西南北に分かれており、鵜野森神社は北、高校は西、東は線路沿い、南は駅。駅の向こうは新興住宅地。
【圭一/けいいち】喫茶店のマスター。洋子さんとは昔馴染み。
【景子/けいこ】八百屋のおばちゃん。昔は看板娘だった。
【相良/さがら】サッカー部部長。連絡がつかなくなっている。
【咲/さき】クラスメート。少なくともこの巻ではヒロイン。夢路の前の席。寡黙だが受け答えはちゃんとするのでコミュニケーションを拒絶しているわけではない。駅向こうのショッピングモールのペット用品店でアルバイトしている。猫がからむと急に面白人間になってしまう。「全部の事に、向き合わなくてもいいと思う」p.84
【サクラ】黒猫。台風の日に倒れていたところを夢路が助けた。しゃべる。そのことを隠す必要はないらしい。猫又でも仙狸(せんり)なのでどちらかと言えば霊獣に近い。なぜか夢路と結婚する(している?)つもりらしい。彼女が住みついたせいで夢路の財布はすっからかんになった。
【淑乃/しゅくの】夢路の母。夢路が小さい頃に亡くなった。サクラと知り合いだったようだ。
【高橋悟/たかはし・さとる】夢路のクラスメートで友人と言えそう。サッカー部員。新興住宅地に住む。
【独り言】夢路クンのカッコいい独り言は必ず誰かに聞かれ、大惨事となる。
【日野咲/ひの・さき】→咲
【貧乏パン】運動部御用達で半球形のデカイだけで味のついていない120円のパン。購買部で手に入れることが可能。
【厄島/やくしま】咲のトラウマの一人。
【山崎/やまざき】担任。社会科教師。女性。最近恋人に浮気をされて別れた。
【夢路/ゆめじ】主人公の「僕」。鵜野森神社の跡継ぎ? 空手の大会で相手に大ケガを負わせたことがトラウマになっている。自宅でも古武道を習っている。