patoのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ話すよりも書くことの方が得意だから、文章で語ればいい、と思ってきた人生をひっくり返されるような本だった。ぶっ刺さり。「対面で会った人の心も掴めないで、文章で人の心を掴めるわけがない」。対面でのコミュニケーションに怯むたびに思い出したい言葉になった。
文章を書くことはコミュニケーションである、というのは小川哲さんの新刊でも言われていたと思うけど、自分にとっても相手にとっても丁寧で誠実である姿勢の重要さを実感した。
はちゃめちゃに共感したからメモしていたら読むのに時間がかかった。その中でも抜粋すると、まず文章を書くことは絶望とセットである点。こう書きたいという希望と、それを達成できない現実とのギャップに苦しめられる。
次に、書く練習≠伝える練習であること。伝えたいことがない文章は、たとえ体裁が整っていてもただの文字列でしかない。まずは伝えることから始めなければいけない。
そして、文章力とは技術ではなく、色々なパターンの文章を書ける力、一つ一つの文章を適切にあてはめる力の掛け合わせであること。
同じ情報を記述する(伝えようとする)だけでも、どこにフォーカスするか(口調や立ち位置など)で多くのパターンの文章が書ける。パターンの違いを意識して自分で書くこと、さらに他人の文章を読んで自分ならどう書くか考えることが文章力を鍛える筋トレになる。
文章を書くことは基本的に苦しいことで、楽しいときは独りよがりに振る舞っている可能性もある。だからこそ、執筆行為を無理に好きにならなくていいし、無理に続けようとしなくていい。書くことを目的に書かれた文章には伝えたいことがない。
そして、書くことは自分と向き合うこと。自分が世界をどう見ているか、感情を丁寧に紐解く行為が鍵になる。
それは、鉄オタなどの単語にまとわりついたイメージに自覚的になることでもある。
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◎だから、文章をどうこうする前に、まず自分の気持ちに素直になるのが重要。伝えたい気持ちを尊重する。
・内輪感を取り去って自分の感情に素直に
・人と対峙することを目的化しない
・新しい情報を提供するため興味のアンテナを張る
→いかに相手と自分を丁寧に、誠実に扱えるか
最後に、これって面白いか?と我に帰ることは客観性の証であるから、そこで文章を書きたくないと投げ出さない方がいい。ただし、客観性は大切で、同時にクソ(p.239)
感情を爆発させないと、共感は得られない。
=届いた(読んでもらった)だけで、伝わった(読んだ人が行動を起こした、読んだ人に影響を与えた)とは言えない
◎意外性の演出について
・当たり前のことを当たり前のように書かない、印象を残すには意外性が必要
→伝えたいことは自分の本心の従い、見せ方で意外性を出すp.258
・楽しませたいなら文章に多様性を持たせる
・意外性を演出する近道は異端であること。自分に自信はあっても、その自信を信じない。ホームグラウンドを持たず常にアウェーで戦う心意気で文章を書く。
なるほどなと思ったこと↓
・伝え続けることで、伝えたいことは伝わるべきものに変わっていく(ただし、良いものに変わるとは限らない)
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Posted by ブクログ
文章を添削する立場になって読み始めた1冊目。
もともと文を書くのは苦手なのに、添削なんて。
絶望を纏ってページをめくると、
「文章に才能はいらない。」という文言。
これまでの努力不足という後悔と、
これから成長できるという希望。
そんな光と闇を一緒に届けてくれた本でした。
指南書としても、物語としても面白い。
理論と情熱が詰まった良い本です。
以下備忘録
読みやすい文章は「技術」で書くのではない。
読み手に対する「気づかい」で書く。
読みにくい表現は思い切って捨てる。
心配り→こころ配り。
一瞬でも読みづらさを感じさせない。
漢字を使いすぎない。ひらがなを混ぜる。
漢字で知的であるアピールしない。
ひらがなと漢字が並ぶと意味が切れる。
それをうまく活用する。
漢字連続問題。ひらがな連続問題。これを解決。
段落ひとつで、ひとつの内容。
文章ひとつで、ひとつの意味。
語尾に気をつける。語尾が揃うと強烈。
「です。」は強い。
段落の最初で内容がわかるといい。
接続詞とか先に結論とか。
読み手への思いやりが大切。正解は無い。
自分に自信はあるが、自分の自信を信じていない。 -
Posted by ブクログ
私ならこの本に
『小学生時代の黒沢くんとの思い出』
というタイトルをつけてしまう。
文章術の本かと思っていたけれど、読み物としてめちゃくちゃ面白かった。
黒沢くんとの話は、どこからどこまで本当のことなんだろう。
私が小学生の頃の話を書くとすれば、98%くらいは作り話になると思う。
絶望的に記憶力がないうえに、記憶されていても事実が歪められて記憶のすり替えが起こっている。
私には、事実を忘れて、自分の都合のいいように過去を塗り替える才能はあるかもしれない。
この本からは、文章で伝えるときいちばん大切なものは、センスということを学んだ。センスが大切なんて、全く書いてないけれど。私はそう感じてしまった。
patoさんの文章構成とタイトルのセンスは、誰も真似ができない領域だと思う。
たくさん文章を書くこと、同じ内容でも何パターンも書けるように鍛錬することなど、日々努力して上達することはできるかもしれないけれど、センスはどこまで磨けるのだろう。
私が努力しても、大谷翔平にはなれないし、草間彌生にはなれないですからね。
あぁ、天性のセンスが欲しい。
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Posted by ブクログ
Numeriの更新をいつも楽しみにしていました。あれから物書きを続けていらっしゃったのがびっくりです。相変わらずキレのある文章で楽しく読めました。
文章だけに限らず相手に伝えたい気持ちが必要と言うのはとても大事な考えだと思いました。
自分の気持ちを誰もいない宇宙空間に吐き出すだけなら何も気にする事はありませんが、我々が何かを発信する時には、それを受け止める他者がいて、その相手に伝える気持ちなしには決して伝わらないんだろうなと。
仕事のプレゼンやレポートでも少し意識してみます。
当時のNumeriのブログは、どうしてこんな面白い出来事がこの人には起こるのだろう?と思っていましたが、それを見逃さずに伝えたいと言う気持ちがあるからこそ、面白い記事になるのだろうなと思いました。 -
Posted by ブクログ
人に伝える文章の作り方について筆者の経験をもとに描かれた本。ついつい目立つ奇抜な内容を書いてしまいたくなるが、結局作者の気持ちや伝えたいことを乗せてかいていないと何が言いたいのかが分からない、読んでいて伝わらない文になる。
まずは何を伝えたいかを第一に考えて書いていきたい。
お気に入りのポイントは2つ
1つは、大事なのはその人の主観や感情であること。
ただ人の話を流し伝えるだけでは聞き応えがない。
自分が何を書きたいのか、じっくり考えた上で伝えていかないといけないことが大事
2つは、伝えるまでが仕事で、伝わらないと意味がない。一方通行にならないように。 -
Posted by ブクログ
-客観性は大切だ。けれども客観性はクソだ。-
自分の書いた文章は読みやすいか?面白いか?ということをひたすら客観的な目線から精査する大切さを説きながら、
同時にそんな小手先のテクニックや気遣いなど霞むくらいの圧倒的な主観の感情でもって伝えたいことを書け、と、
矛盾しているようで、だけどまっすぐ言いたいことが伝わってくる、そんな不思議な一冊だった。
僕は本書を読むまでpatoさんとその文章のことを存じ上げなかったのと、web記事っぽい砕けた文調やユーモアがちょっと肌に合わなかったのであまりスイスイとは読めなかったのだけど、
「ナマハゲ」の例えは強烈に頭に残っているので、patoさんの書き方論はある意味正しいのだと思う。
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「文章を書くことにおいて絶望こそが信頼できる」 p.21
よほどの才能がない限り、人は自分の中に存在する要素しか表現できない。みんな、自分の中に内包している自分を文章に投影している。 p.149
・段落内の展開は1事象
・語尾に気をつける
・段落の出だしこそが重要 p.195
客観性は大切だ。
けれども客観性はクソだ。 p.245
魂と感情を震わせて書け。表現しろ。誰かに届けるにはそれしかない。 p.245
「私の集団の中での役割はナマハゲです」と書いてあったら、なんだって?となるし最後まで読むし印象に残る。ナマハゲここでもってくるかとその日の夜にも思い返すだろう。そう、印象を残すのに必要なのは意外性だ。 p.256
すべてこ文章は物語である。(中略)いいや、物語でなくてはならないと考えている。 p.303
僕は文章を書くとき、これを心がけている。タイトルや冒頭の部分から受ける印象とはまったく違った場所に連れて行く。そうであるように心がけている。 p.304
文章を書く自分のことが少しでも好きになれるように書く。 p.347