導入から終始、淡々としている。
個人的には伊藤のルベーグ積分をやっていたので、つまずかずに済んだ(伊藤の本で出てくる定理が普通に適用されている)。
新井氏の解説を読むと、このような簡潔な叙述は宮寺の講義そのものだったという。なるほど。
とんとん進んでいく。余計な寄り道はほとんどない。そして、か
...続きを読むなり深いところまでいく。それが本書の特徴だ。
私にとって、ルベーグ積分で触れた以外は初めての関数解析に関する専門書だったが、興味深く読み進めた。
章末の問題は有益かつ解説が丁寧。
シュルマンの経路積分で分からなかった、スペクトルなどの概念が理解できて嬉しい。
伊藤のルベーグ積分をやっておけば、独学は可能。