吹井賢のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読んでいる最中、椥辻霖雨が先生なら、あるいは社会学が楽しく感じれたのかもしれない、と何度も思った。
犯罪社会学を専門とする大学準教授の椥辻霖雨の講義場面から始まる各章に、退屈さは微塵もない。
このシリーズが好きで自ら読んでいるから、という贔屓抜きにしても引きこまれる要素がある。
今作は罪を犯すことと裁くこと、償うということの違いが主題に置かれている。
「犯したから裁かれ償う」と「裁かれたから犯した」、「償ったから犯した」は別物ということをだ。
安易に「冤罪」という単語が想起されたが、読み進めると似ているが違うのではないかと考えを改めた。
確定した罪は覆ることはなく、償った年月も戻ること -
Posted by ブクログ
ネタバレキャラクター造形はライトノベルテイストですし、特殊能力も出てきますが、それが何か、そしてそれをどう逆手に取って相手を倒すか、その辺りの駆け引きや推理まで楽しめる物語でした。
命を賭けた手に汗握る攻防戦。
彼が勝つのだろうなと分かっていても嫌な汗をかきました。
不利な状況から逆転、また相手に逆転されて、また逆転……と優位な立場が二転三転するのもいい。
何より彼の特殊能力とそれに対する代償を知った時の驚きと納得としてやられた感は本当に凄かった。
全体通しての大いなる伏線。
これは二度読みしたくなる展開。
最後の最後にあの種明かしは本当にずるかった。
思っていることを上手く表現できないのがもどかしい -
購入済み
主人公が個性的
傍目にはつかみどころのない主人公、戻橋トウヤが魅力的で、狂気とも言える命知らずっぷりから巻き起こるスリリングな展開も面白く、大変楽しませてもらいました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ作中でも言われてたけど、今回は完全に敵地、アウェーでの知略合戦。
主人公たちが迎え撃つ側ではなく乗り込んでいく側だから、前回とはまた違う戦い方でゾクゾクしました。
事前に罠を仕掛けることができないですからね。
難易度は上がったように思います。
実行犯の登場と彼との対決が意外に呆気なくて(いや命的には十分危険でしたし、彼女の目覚めにも繋がったけど、ページ数的にも短めだった気がする)操っていた側の存在が凄すぎたせいか、ちょっと霞みましたね、彼の存在。
今後キーパーソンになりそうな新キャラが色々登場して、そちらの方が濃かったせいでしょうか。
味方側でも敵側でも油断ならないので始末に悪い。
敵の敵は味 -
Posted by ブクログ
ある怪事件と共に消えた国家機密ファイル。唯一の手掛かりは、事件当時現場で目撃された一人の男子大学生・戻橋トウヤ。
内閣情報調査室に極秘裏に設置された、”普通ではありえない事件”を扱う「特務捜査」部門、通称CIRO-Sに配属された新人捜査官・珠子は、トウヤの協力を得て、予想もしないようなやり方で事件の核心に迫っていく。
事件の目撃者である男子大学生と共に、異能力を使う犯罪者に迫っていくサスペンス・ミステリ小説です。
正義感の強い新人捜査員と、どこか破滅主義的な男子大学生のバディもの。2人の関係は、大学生と捜査官と考えると立場が逆転しているようにも思えますが、振り回される珠子がかわいいです。罵