上川あやのレビュー一覧
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長らく読みたい本リストに入っていながらそこに安定してしまっていた一冊。読めばいい本であることがわかっていたからかな。そしてそのとおり、さわやかな、勇気がわいてくるようないい本だった。
上川あやさん。彼女が世田谷区議選に出ると報道され話題になった頃は、ちょっとした衝撃だった。自分も彼女のような性同一性障害の人の気持ちをそれなりにわかるつもりでいたから。この本では、そんな彼女が勇気をふりしぼっておそるおそる選挙活動を始めた頃のことから始まる。そしていったん時間が巻き戻って、子どもの頃からのことが書かれる。
大学くらいまでの彼女の環境がけっこう恵まれていたのだなと思った。男の子と見なされることに違和 -
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2003年、世田谷区議会議員選挙に出馬し、当選した上川あやさん。
生まれたときから自分の性に違和感を感じていました。
「性同一性障害」の自覚を持つまで、自分を肯定することができず、悩み苦しみます。
親、兄弟、学校の友達……。本当に大切な人たちだから、本当の私を知ってほしい。でも、大切な人だからこそ、口にはできなかった。
もし一番大切な人から否定されてしまったら、自分の居場所はどこにもなくなる。そのことが、心の底から恐ろしかった。
自分で自分のことがわからない。苦しくてたまらないのに、自分で手に入れられる情報は限られていた。男性に生まれて男性に惹かれる私は、同性愛者なのかな? と思い、 -
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授業のレポートの参考文献として読んだ本。
どこかで見た名前だなと思ったら過去の授業で性同一性障害を扱ったときに紹介されていたんだわ。
二年ぶりに再会というわけでした。
最初の方はエッセイみたいだなと思って新書という形をとらなくてもよかったのでは?と思った。
政治家なのは知ってたけど政治家になる人でも「政治に興味がなかった」なんて意外な一面にびっくりした。
学生時代の葛藤に切なくなりました。体の性と心の性が違うのは想像以上に大変なことと思います。
今回のレポート提出のためにいくつか論文も読んだけれど、それらとあわせて考えることによりいかに自分が無知だったかを知りました。
本当に私は知らなか -
Posted by ブクログ
≪目次≫
第1章 「私の戸籍は男性です」-政治家になった
第2章 私は誰?-性を見つめて
第3章 性を移行するー居場所を探して
第4章 性別変更に道を拓くー「性同一性障害特例法」の成立をめぐって
第5章 ちいさな声、声にならない声ー当事者のニーズを掘り起こす
第6章 沈黙から発言へー「変える」方法
第7章 「フツウ」って何だろうー寛容な社会とは
≪内容≫
性同一性障害だった著者が、カミングアウトし、さらには世田谷区議になった。その過程とそこから見えてきた他の社会的弱者へのアプローチを綴ったもの。
非常に優しい目線で描かれた本だと思う。中には議会に関する、役所に対する批判も見えるが、そこにもい