野口憲一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ニュースで時々耳にする「豊作で摂れすぎたので
キャベツを廃棄する」という記事。
この時、豊作により価格が下がっているので、そ
れを調整する意味でも廃棄しているとか。
一方で当然ですが不作の時は価格は上がります。
しかしいずれも場合でも品質は一定度の水準が求
められていることは理解できると思います。
「安いなら多少は粗雑なものでもいい」とはなら
ないのです。
つまり農業は安かろう悪かろうが許されないので
す。
このような身近な事例から、なぜ「やりがい搾取」
であるのかを説明します。
特に農業組合(農協)の歴史と現在抱える問題点
の解説は非常にわかりやすいです。
社会学としても勉強 -
Posted by ブクログ
ネタバレ年の近い方の農業の本だったので手に取りました。
どちらかというと精神面の話がためになり、軽い語り口なので
「成功した近所のお兄ちゃんの話を聞いている」
という感じで読めます。
実家が農家なので、若い世代と色々苦労した結果頑なになっている親世代とのぶつかり合いが非常に伝わりやすかったです。
こういう世代間のズレ、どこにでもあると思う。
喧嘩しつつも動く事で少しずつ相手に納得してもらうって、精神力も実力も行動力もいる。
大変だからこそやるべき、やらなきゃいけないのだと思いました。
お互いにとって良い結果を出すために。
この成功は、お父様の品質の良いレンコンがあってこその話です。
物が良けれ -
Posted by ブクログ
ネタバレブランディングの話。なぜ、1本5,000円のレンコンが売れるようになったのか。先祖から続けていたレンコンを安く売る訳にはいかない、という信念がそうさせた、と著者自身も読者に参考にならない、と言う理由。著者は大学で民俗学を学び、社会学の博士号も取得しており、精神論だけではなく、学問にも結びつけ話を展開。面白く読めた。
6章には志ある農業者へのメッセージが。
生産性を向上させることは、自分の首を絞めることになる。技術の悪循環。
国が求める農業の方向性だけに着目していて良いとは思えない。
消費者のニーズにとらわれ過ぎない。
マーケットイン(消費者目線)に惑わされない。…レンコンを真空パックにして