宮森千嘉子のレビュー一覧
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ホフステード指数という指標をつい最近知り、それがキッカケで出会った本。
この本は、オランダの社会心理学者へールト・ホフステードさんが書いた本を日本語訳にした訳ではなく、ホフステードさんに指数の意味や考え方等いろいろ教わった日本人2人の共著になっている。
なので、ただ日本語訳されたやつとは違って読みやすい。
この本を読んで、コミュニケーションのトライアル&エラーを繰り返して、成功を見つけていくのが重要だと感じた。
また、国民性をひとつの指標から見ていくのではなく、複数の指標を組み合わせてこそ、その国々の独自の国民性が見えてくるんだということをこの本から学んだ。 -
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『異文化理解力』を読んで、ホフステードの名前は知っていたけど、読むに至らず。
そんなところへこの本を知り、手に取る。
翻訳ではないのもあり、読みやすくかった。
異文化理解力で示された8つの領域と異なるから、このふたつの本のエッセンスを共有するのはちとこんがらがる感じもするけど、だいたい同じことを言っている。
こっちは6つの次元(権力格差、集団主義/個人主義、女性性/男性性、不確実性の回避、短期志向/長期志向、人生の楽しみ方)。
そして、いま一番刺さったのは、「生産性向上に繋がらない社内への気遣いをしている時間はない」という一言。僕の中では、きれいなパワポが典型かな。。。お絵描き下手だから。パワポがきれいじゃないと動かないとかがない組織をつくれば、格段にスピードあがる。
以下、備忘。
・組織づくり、運営時の検討項目
①誰が何を決定する権力をもつか
②目標達成のために従う必要のある規則や手続きは何か
・権力格差と不確実性、ミンツバーグの組織調整メカニズムの組み合わせ
①良き上司による直接監督と標準化
②標準化
③相互調整
④良き上司による直接監督
・6つのメンタルイメージ
・6次元の価値観スコア(国別) -
Posted by ブクログ
経営学とか、心理学とかのツールのほとんどはアメリカ生まれ。
「人間の種としてのDNAは共通なので、どんな国でも機能する」と主張するツールもなかにはあるのだが、本当だろうか?
「なんだか、アメリカンなツールなんだけど、日本にあわせて調整したほうがいいのだろうか?中途半端な調整はツールの本来のパワーを削いでしまうのではないだろうか?」というのは、よく悩むところ。
この悩みの解決に体系的にアプローチするヒントを与えてくれるのが、ホフステードの6次元モデルで、国ごとの価値観の相違を定量化したもの。
国によって文化や価値観の違いがあって、それが人の考え方や行動に影響を与えるというのは、当たり前のことなのだが(この当たり前のことが無視されることが結構多い)、定性情報の最たるものといえる文化を定量化するというのは、かなり非常識なことに思える。
そういうわけで、正直、最初は、懐疑的だったのだが、ホフステードの「多文化世界」を読んで、すっかり感服してしまった。そんなに海外経験があるわけではないのだが、以前からなんとなく感じていた文化の差が次から次に定量的に説明できてしまう不思議さ。
そして、「しかし、こういう観点もあるんじゃないか?」とか、「○○の本で書いてあったこととこれは整合するのかな?」などと疑問を浮かぶと、すかさずそういう疑問に対する解明がされたり、先行する研究との整合性の検証がでてくる。
というわけで、ホフステードのモデルには、すっかり、まいったという次第。
そんな素晴らしいホフステードモデルなのだが、「多文化世界」は、分厚いし、膨大な情報量があって、モデルを使いこなすには、相当の難しさがあるを感じていた。
そういうなかで、でてきたのが、ホフステード・モデルの実践における日本における第一人者によるこの本。
ホフステードとその弟子(?)たちの膨大な研究を豊富な事例を交えながら、日本とビジネスという観点から分かりやすくまとめ直している。
また、国民文化の議論を組織に展開するときに便利な6つのメンタルイメージの解説も丁寧に紹介されているし、CQを高めるためのトレーニングの方法も入っている。
ビジネスの現場でのさまざまな「あるある」な事例を踏まえての解説は、まさに現場の実践を通じて生み出されたものだと思う。
「学術」的な「多文化世界」が、この本によって、まさに実践的な知恵に転換されたという感慨がある。
説明はとてもわかりやすいのだが、ホフステードのモデルがステレオタイプ的な理解にならないよう細やかな配慮も行き届いている。
最後にホフステードのインタビューが掲載されていて、「文化も次元も、現実には存在しないものです。・・・研究で提唱したモデルは文化を読み解くためのツールにすぎません。大事なことは『あなたが生まれ育った場所が、あなたの基本的なモノの考え方や視点に影響を与える』という事実から、目をそむけないことです」という言葉には共感した。
私自身の仕事は、ドメスティックで、この本に書いてあるグローバルなビジネスシーンでのコミュニケーション力のアップというのは、切実な課題ではないのだが、それでも、日本の文化、そして自分自身を理解するのに、とても意味深い本であった。
グローバルな仕事と縁が遠いと思う人も、ぜひ、読んでほしい。 -
Posted by ブクログ
本書のテーマであるCQとは『多様な文化に適応できる能力』と定義されており、グローバル化が加速する今日では、IQとEQと同様に必要とされる能力と定義されております。
書籍ではホフステード博士が提唱した6次元モデルを基に、異文化理解に対する知識を深耕することができます。
6次元モデルでは、国の文化要素を数値化しその社会の傾向値を客観的に見ることができます。抽象度の高い文化という概念を誰もが客観的に比較できる数値に落とす試みはとても斬新です。
正直、私の経験からの思う推測値と若干ズレがあります。本書が指摘するように、この数値はあくまで国という社会における文化の価値観の違いであって、個別の人間の違いではないということでしょう。
ただ、この数値や要素も時代に合わせてアップデートしていく必要があると感じました。日本でも世代によって価値観が大きく異なるように、世界も大きく変わっているは間違いないでしょう。
人間同士だから文化の違いは関係ない、という美しい誤解をしている方にこそ是非読んでいただきたいです。
◯メモ
人々の考え方は様々に異なるが、その背景には一貫した構造が存在しており、その存在を理解すれば、相互理解の基礎が得られる。
求めらるリーダーシップの形が国によって異なる以上、求められる組織の形も制度も、文化的な差異を踏まえた物にカスタマイズする必要がる。
海外体験の有無と、異文化適応力には相関関係がない。
世界中の大学やビジネススクールで教えられている経営理論は主にアングロサクソンが考え出した物。どこでも通じるものと考えると危険。経営理論を他国で機能させるには、どのような社会で発展し、応用されてきたかをとう姿勢が大事。
国民文化は10歳までに無意識に身に着ける価値観。 -
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ネタバレCQ 文化の知能指数
ホフステード6次元モデル 日本/アメリカ
1.権力格差 :中庸/低め
2.集団主義/個人主義:中庸/個人
3.女性性/男性性 :圧倒的男性性/男性性高め
4.不確実性の回避 :枠組みで回避/非回避
5.短期志向/長期志向:不屈で長期/短期
6.人生の楽しみ方 :中庸/非抑制で誇張
情報コミュニケーション技術
アメリカという個人主義社会で生まれる
個人の能力を拡張する道具
職務が人間関係より優先
集団主義
プライベートな質問で相手との距離感を縮め、
答え方で信頼できるかを見極める
不確実性の回避の低さ
規則がなくても問題は解決できる考え
失敗多いがスピード感
日本
日々のオペレーションまで気を配る高い回避性(組織改革困難原因)
決断より承認
個人主義かつ仕事への熱意低さ
勝ち馬企業で働くことがモチベーション
職人気質
会議は情報共有の場
責任は個人よりチーム
失敗を恐れる
職務領域あいまい
全てのステークホルダへの承認で意思形成
アメリカ
職務範囲と責任は個人に
会議は意思決定の場、権限のなき人は入れない
仮設で取り組み、修正
短期志向で効率的に
「自分たちが正しい」という思い込みを捨てて俯瞰する。
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Posted by ブクログ
「文化」と考えると、自然な流れで勝手に醸成されるものと思ってしまう。
企業文化についても、何も意識しなければ、それぞれ所属する社員たちが、勝手に作り上げていくのだろう。
しかし、本当にそれでよいのか?
企業文化こそ、意識して作り上げていかなければいけないのではないか。
最近ではそういう議論が主流になりつつある。
だから企業はパーパスを定めたり、ミッション・ビジョンを定めたりする。
多国籍企業であればあるほど、社員の文化的背景が異なっている人たちの集団となる。
だからこそ「企業文化を作り上げる」行為を実践していかないと、働く社員たちをまとめ上げるのは相当に難しい。
日本企業であっても、かつての昭和の価値観だけで、「阿吽の呼吸で」なんてことは今の時代には通用しない。
何が大事で、何を省略しても許されるのか。
そこを阿吽の呼吸で済まさずに、きちんと言語を使って表現し、お互いを尊重しながら意見をすり合わせしていくのが必要なのだろうと思う。
そんな中で、共通の価値観だったり、目標だったりを持っていないと、すべてがすべて議論だけで解決しようとしても難しい。
ミッション・ビジョンがあればそれでよい、という話では、決してない。
社員みんながきちんと腹落ちし、日々の行動まで繋げていかないと、浸透しているとはとても言えない。
だからこそ、企業文化。
よく「土を耕す」に例えられるのだが、企業経営も同じことだ。
企業文化という土壌を改良し続けなければ、作物は育たない。
強い根、太い幹、茂る葉があるからこそ、大きな果実が実る。
悪い例えとして「腐った組織」などと言われるが、まさに企業文化という土壌が悪ければ、根から腐っていく。
どうやって継続性を確保していくかを考えると、地道だが畑を耕していくしかない。
短期の収穫だけを考えて、作物を無理矢理に植えても、結局土地がやせ細り、いつか収穫高は落ちてしまう。
当たり前のことなのに、これがなかなかできないのが難しいところだ。
巻末に、各企業の事例を担当者の言葉で書かれていたのだが、これが参考になった。
企業文化を浸透させようとしても、国によってベースとなる文化は異なる。
さらに、働く従業員個人個人の価値観も異なっている。
こういう中でどうやって企業文化を育んでいくか。
意見の主張だけでなく、建設的な議論をどう重ねるか。
相手を尊重して、自分の意見も客観的に見つめ直して、第三の解を模索していく必要がある。
これが本当に難しい。
しかしながら、これが実行できる企業に変革していかないと、生き残っていけないのも事実だ。
未来は益々AIが浸透していく世界だ。
人間に残された仕事は何なのか?
「この人と一緒に仕事をしたい。この企業で働きたい」という、「気持ち」が大事になるのは間違いない。
課題についての答えはAIが出してくれるだろう。
しかし、それを実行していくのは人間。
AIの答えに納得いかなければ、関係者(人間)が集まって、議論して最適解を出していくしかない。
人間としての生き方は、より難易度が増していくのが想像される。
だからこそ、学習し続けるしかないということなのだと思う。
(2025/8/29金)