宮田八郎のレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
彼をよく知ったのは亡くなられてからで、生前小屋を訪れた時にお話し聞いておけば良かったと後悔です。レベルの差はあれ、山をやる者の社会からの疎外感、そして「人はなぜ山に登るのか」の腑に落ちる考えが圧巻でした。それはあくまでレスキューの立場であり、アルピニストを客観的に見ていたからでもありますが、長年の同じ現場で、自分の考えに磨きがかかったかもしれません。
7年前に穂高岳山荘の前で雪掻きをしている人達の写真を撮っていました。たぶんその一人が宮田さんだと思います。そんな微かなすれ違いであっても、いまこうやって本を読み終えると、自分の中にいつの間にか彼の居場所ができているのが不思議です。 -
-
Posted by ブクログ
昨今、山の番組は結構あって、日本百名山とかグレート○○とか、BSでは毎日何かしらやっているので、全部はチェックしないのですが、先ごろなんとなくついていたテレビで山の番組が始まり、見るとはなしにみていると、宮田八郎という人の特番らしく、途中からしっかりと見入ってしまいました。
山を愛するあまり10代で神戸から出てきて穂高岳山荘の小屋番をされています。
小屋明けや小屋仕舞やその日常(いえ私たちにしたら大変な非日常)の中で生き生きと動き回る宮田さんにくぎ付けです。
丸いひげ面のお顔にくりくりとしたまん丸い目、人懐こい笑顔、ほっとする関西弁、誰もがそんな宮田さんを慕って小屋に通うのは納得です。
とはい -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
岳の漫画を読み始めてから、こんな人達がいるんだって知り、実際に山小屋で救助活動をしている人のことが気になり読んでみました。岳でも感じたけど、凄まじいし山では本当に人が呆気なく死ぬんだと思いました。
登山が趣味だけど、山で遭難しないよう、死なないよう準備を含めたリスク管理と、慣れてきても油断しないようにしようって肝に銘じました。どんな山でも登山をするかぎり危険は伴うけど、まずは遭難しないようにすることが、登山者として何よりも大事だと思いました。
特に雪山での大量遭難の現場が凄まじすぎて、心がぎゅっとなった。登山客の医師と看護師も救助に加わったらしいけど、自分がその壮絶な現場に居合わせたとして -
Posted by ブクログ
日本で3番目に高い山、北アルプスの名峰、奥穂高岳(3190m)への足掛かりとなる穂高岳山荘の支配人だった宮田八郎さんのコラム。この山荘は岐阜県と長野県のほぼ境界にあり標高2996mにある。毎年多くの登山者を迎える山荘であると同時に、多くの遭難者の救出活動の前線になる山荘だ。宮田さん自身、遭難者の救助に全力であたってきた。山を愛する気持ち、山で遭難してほしくない気持ちが、痛いほど伝わってくる。漫画「岳」に宮川三郎の名前で登場する宮田さんが、実はわりと近い存在であったことを知ったのは、残念ながら2018年4月に彼が海で亡くなってからであった。ぜひ生きていてほしかった、そして穂高岳山荘で話をしてみた
-
-
-
Posted by ブクログ
3000メートルを超える穂高岳の山小屋支配人を務めた宮田八郎。彼の仕事は山小屋の運営、客のもてなしに加えて、山での遭難救助。本書は多くの遭難救助に立ち会った宮田氏の活動の記録。
山での遭難について、よく言われるのが自己責任論。本書の記録の中には登山者の無謀、無知が原因による遭難も多い。が、宮田氏はそんな救助活動についても決して登山者を責めないし、恨まない。関西弁でツッコミを入れて、笑い飛ばす。彼にとって、救助とは自分の役目であり、助けることができるのあれば助けるし、助けてあげたい。それだけで彼は行動する。
そんな境地に達したのは、山で彼の師や友の死に何度も接したからだろう。どんなに注意して -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ山に魅せられた人たちの本を読んでいて、ふと救助する人たちは何を思っているのかが気になり手に取ったと思う本
穂高連峰の美しさは知っていても、登るではなく見るのが好きなので各名称は知らず、1章の終盤はネットで名称を調べ、こんなところを人が歩くのかと驚愕しながら読んだ
今年も大型連休、というか山開きをしてから遭難しているニュースをよく見る
登山する人が増え、きっと山に対して畏怖を抱く濃度も範囲が増えたから救助を呼ぶ頻度も増えたのかなと思った
助けてもらっておいて荷物取ってこいって…そういう粗暴な人だから遭難するんじゃないのと思ってしまった私は短気
救助を呼ぶということはその人の命を危険に晒す -