辻寛之のレビュー一覧

インソムニア

辻寛之

章ごとに主人公が入れ替わり、視点も移り変わっていく。そして真実に近づいていく。
しかし、真実とは何か、真実とは所詮は概念なのではないか。だとしたら真実を知ることや晒すことにいったい何の意味があるのか、を考えさせられた作品。

個人的には、かつて小泉純一郎が「どこか武装地域でどこか非武装地域か、私に聞かれても分かるわけがない。」と開き直った答弁をしていたことを思い出した。
そんな地域に送り込まれた自衛隊と、自衛隊を送り込んだ地域はあくまで戦地ではないと言い張る防衛省のスタンスの対比が見事に描かれていた。

エンドレス・スリープ

辻寛之

終末医療と銘打って患者に希望を持たせる。
犠牲者は藁にもすがる思いだっただろう。
エンドレス・スリープ、果てなき眠りという思惑は瓦解する。
扱ったテーマは重く考えさせられるものだった。星４つです。

エンドレス・スリープ

辻寛之

大井の港湾倉庫で火災が発生。湾岸署の刑事・矢島は、被害のあった現場の冷凍庫から身元不明の五体の死体を発見する。
そして、死体の中でいちばん最初に身元が判明したフリーライター・如月啓一の遺稿には、六人の名前が記されていた……。
死体は、何のためにわざわざ冷凍保管されたのか？　死に直面した人間の絶望と再生への執着を描いた意欲作。

レッドデータ～麻薬取締官・霧島彩III～

辻寛之

麻薬取締官・霧島彩シリーズ第三弾。今回は危険ドラッグの撲滅を目指す戦いが描かれた。誰が味方で、誰が敵か、面白い展開だった。元上司の娘・辰巳直、あの大西情報官の娘・大西唯が登場。若い娘さんには危険すぎる職場だなー。

ブラックリスト～麻薬取締官・霧島彩II～

辻寛之

女性麻薬取締官・霧島彩シリーズ第二弾。今回は中国から密輸された覚醒剤の摘発、ルート解明に乗り出す。しかし相手は中国マフィア。強敵である。味方とおもったら敵で、敵と思ったら味方と、スリリングな展開。まさか大西情報官が、、、

終末のアリア

辻寛之

大変壮大で外交と軍事、そして宗教的対立という極めて難しい課題に切り込んで、平和と国防を訴えていることが理解できた。亡国のイージスを彷彿とさせる大作でした。ただし表紙が軽いSFみたいに感じるのでもうちょっと硬派な感じにしたほうがいいかな。

インソムニア

辻寛之

「宮部みゆきが「本よみうり堂」でおすすめした本　2015-2019」に出ていたので。

そりゃ、読むでしょ。
稀代のミステリー作家宮部みゆきに「ミステリーファンには本年必読の一冊だ。」と勧められてしまっては。

国際派遣された自衛隊の小隊が現地の武装勢力に襲われて、
一人が死亡、帰国後一人が自殺をする。
現地で死亡した隊員の両親に頼まれ、自衛隊のメンタルヘルス官が真相を探る。

自衛隊の国際派遣に対する問題提起としてはなかなか読み応えのある作品だったし、
「藪の中」を思わせる複数の視点での描写も良かったが、
海外ミステリードラマで軍事行動下での犯罪についてはいろいろ見てしまったのもあって、
ストーリー展開としてはあまり驚くものはなかった。

しかも運悪く終盤で登場した「眠れない一族」という本は読んだことがあったので、
「謎解き」の一部がわかってしまった。
残念。

というわけで、
宮部みゆき先生、あなたの書くミステリーほどではありませんでした。

ブラックリスト～麻薬取締官・霧島彩II～

辻寛之

今回も楽しく読ませていただきました。今回は中国人が絡んでいて殺し屋まで登場。物語自体はすんなりとは入れませんでしたが、内容的には面白かったです。次回シリーズも楽しみです。

レッドデータ～麻薬取締官・霧島彩III～

辻寛之

今回も楽しく読ませていただきました。マトリのシリーズ物で物語が前作より続いて以前逮捕した犯人が登場。又前作に登場していた人物と関係の有る登場人物も登場。今後どのように物語が進んでいくか？楽しみです。

エーテル 5.0～麻薬取締官・霧島彩～

辻寛之

新しい魅力ある主人公を発見！マトリは警察みたいで捜査方法が違う。暴走気味の主人公、嫌な上司と頼りになる上司。もしかしたら主人公が女性だから面白く読めたかもしれない。とにかくシリーズ物だと言う事で今後が楽しみです。

終末のアリア

辻寛之

タイトルと表紙でジャケ借り。
重くて壮大で好きな雰囲気でしたが、少しテンポが悪いのと、人物名や展開が難解で読みづらかったです。
でも赤星の過去編はテンポ良くて好きです。

エーテル 5.0～麻薬取締官・霧島彩～

辻寛之

若い女性麻薬取締官・霧島彩の活躍を描いた作品。麻薬取締官って、取り締まる相手はヤク中とかその筋のヒトとかろくなもんじゃないから、怖いですよね。薬学部卒業の若い女性の仕事とは思えない。シリーズ化されているので、次作も読んでみよう。

インソムニア

辻寛之

文章がうまかった。グイグイ読めた。ただもう少しドラマチックに締めくくれたらいいのにって、やや消化不良な読後だった。

エーテル 5.0～麻薬取締官・霧島彩～

辻寛之

途中途中、専門的な内容もあり、難しいなと思ったけど、
おもしろかった！
彩が今後も麻薬取締官として成長していくシリーズなんだなと思ったら次が気になります！

エーテル 5.0～麻薬取締官・霧島彩～

辻寛之

麻薬取締官霧島彩の時には暴走しがちな情熱と麻薬がらみの殺人事件も含む麻薬ルートの捜査をテンポ良く描いている。

エーテル 5.0～麻薬取締官・霧島彩～

辻寛之

囮捜査を仕掛け、薬物パーティに潜入した関東信越厚生局の麻薬取締官・霧島彩。
ネット上で違法薬物を売買する男たちを逮捕し、さらに、現場で急性薬物中毒の少女を救出する。
入院先の病院で検査の結果、少女からは覚せい剤成分のほか、意外な薬物が検出される。
そんな中、渋谷と新宿で、連続して薬物常習者の怪死事件が起こる……。
マトリ歴5年、家族なし、モットーは「麻薬を憎んで人を憎まず」
著者渾身の書下ろし長編シリーズスタート!