出隆のレビュー一覧
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ミレトス(現トルコ)。哲学発祥の地。ギリシアの植民市で、ギリシア文化の影響が比較的弱く、自由な気風。さまざな異文化が混在。ギリシア人は自然(世界)は神々により創られたと考えていたが、異文化の人々は別の神話(創造の物語)を持っていることに気付く。地域に関係なく当てはまる(神に頼らない)万物の根源(アルケー)を考え始める。水(タレス)、原子(デモクリトス)、数(ピタゴラス)、無限なるもの(アナクシマンドロス)、空気(アナクシメネス)。
同一人物であっても、時の経過とともに老いていくから、同一人物でない。誰も同じ川に二度入ることはできない。万物は流転する。ヘラクレイトス
牛に手があれば、牛に似せ -
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再読。
プラトンとかアリストテレスは、高校の頃に適当にざっと読み流して済ませてしまったのだが、近現代の哲学書もある程度読んできた現在、あらためてこれら「基本図書」を読み返してみると、どうだろう。ことに哲学書に関しては、読むことに終わりはなく、すべてを何度でも読み返し、考え直していくのが正しいやり方だ。
紀元前4世紀頃に(散逸した形で)著されたこの本は、西欧哲学の起源を示す基本中の基本図書というべきものだ。近世以降のヨーロッパの思考は、アリストテレスの諸著作、特にこの本を読み解くことからスタートしたのだと言ってかまわない。いま読み返してみて、そのことを改めて痛感する。「西洋哲学」なるもの -
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[α,Α,Β,Γ,Ε,Ζ(1,3,8),Λ(6,7,9,10)]
古代ギリシアの哲学者、プラトンの弟子にして、「万学の祖」とも称さる、アリストテレス(前384-322)による形而上学の古典。ここで展開されている存在論が、中世キリスト教世界に於ける支配的な思考枠組みたるスコラ哲学の基礎となる。
□ 自己関係性
或る哲学者が「人間/世界は○○である」と論述する当の哲学体系の内部に於いて、「人間のうちの一人である/世界の一部である当の哲学者が「人間/世界は○○である」と語ること」の可能性が自己正当化されていなければ、哲学体系として全く土台を欠いた不完全なものである。哲学者が哲学体系を語る(