ヘレン・トムスンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
脳の話を読むのが好き。自分の知らない自分の脳のスペックに「へ〜」を連発したり、意外な不確かさと頼りなさに人ごとのように呆れたり。
自宅ですら迷子になったり、オーラが見えたり、人の痛みをリアルに感じ取れたり、登場する9人の特殊な能力は、脳のエラーから得られたもの。ということは、彼らは私と全く違う存在なわけではなくて、何かが過剰なだけ。そう思うと、9人の脳だけじゃなく、全ての脳が、やっぱり摩訶不思議で興味深い。
自分の人生の全ての日の出来事を記憶しているのは、記憶力が優れているわけではなく、記憶の取り出し方が優れているという話。つまり、私の脳にも、私の人生の出来事が保存されているんだ!と思うと、くらくらする。
そして彼の、「その人のことをとてもはっきり覚えているから、本当に失ったような気がしない」という言葉。その人のことを何度も何度も思い出し考えて記憶を強化すること。それは私にもできることだ。
これ、推しについても言えるかも。実体がそばにいなくても、いろんな姿を何度も思い出すことで、脳を騙して、しあわせを感じてるのかもね。
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Posted by ブクログ
人間の脳の複雑な機能
膨大な数の人間がいる中で、特別な脳の動きをする人たちがいて
個々人の脳の働きによって、よくも悪くもいろんな人格の人間がいるのは、しょうがないんだと思えた(苦笑)
序章から
世界を旅して、特別な脳を持つ人たちに会って、
我々の脳がどう機能しているかを理解する事ができた。彼らの話を通して、脳があるときは素晴らしく、あるときは予想もできないような危険なやり方で我々の人生を形作っていることを知った。同時に消えない記憶を持つ方法や、迷子にならない方法や、死ぬときの感覚などもわかった。さらに一瞬で幸せな気分になれる方法も、幻覚を見る方法も、良い判断をする方法も教わった。ゴム手袋を自分の手だと感じる方法も、自分の現実を直視する方法も、さらには自分が生きていることを確認する方法まで学んだ。
第1章 過去を一日も忘れない“完全記憶者”ボブ
第2章 自宅で道に迷う“究極の方向音痴”シャロン
第3章 鮮やかな色彩を知る“色盲の共感覚者”ルーベン
第4章 一夜で人格が入れ替わった“元詐欺師の聖人”トミー
第5章 “幻聴を聞く絶対音感保持者”シルビア
第6章 発作と戦う“トラに変身する男”マター
第7章 孤独を生きる“離人症のママ”ルイーズ
第8章 “三年間の「死」から生還した中年”グラハム
第9章 “他者の触覚とシンクロする医師”ジョエル
終章 ジャンピング・フレンチマンを求めて
ホムンクルス感覚図 -
Posted by ブクログ
「世界中の「奇妙な脳」を持つ人々に
会いに行った!」(帯より)ことが書かれた
ルポタージュ。
9つの事例が取り上げられていますが、
その中で個人的に興味深く読んだのは
「自宅で道に迷う人」「狼化妄想症の男性」
「「自分は死んでいる」と思っている男性」
「人の痛みを感じる医師」でした。
狼化妄想症の男性は実際に人を襲うし、
死んでいると思っている男性の脳は
生活しているのに脳の活動が低下し、
昏睡状態にあります。最後の医師は
困難を抱えつつも自分の特性を仕事に
活かして生活しています。
脳の研究がさらに進めば、これらの困難は
解決するのかもしれませんが、
脳はまだまだ不思議な領域です。。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ特別な脳による特別な症状を持つ人々について報告した本です。論文のような味気ない感じではなく、それぞれの所へ訪れる際の描写や、それぞれの人の生活や内観などを聞き出しており、物語のようになっています。オリバーサックスの本のような作りです。いくつかは聞いたことがある話でしたが、発達性の脳内地図の喪失、トラに変身したと思い込む狼化妄想症、ミラーニューロンの抑制が不十分で他者の痛みを強く体で感じる例は、初めて聞いて興味深かった。脳がいろんなバランスの上に成り立っていて、特殊に見える例が多くあること、みんな自分の世界を当然と思っているけど、人それぞれで感じている世界が違う可能性があることが、よくわかった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ9つの脳の不思議な物語
【目次】
■序 章 「奇妙な脳」を探す旅へ出よう
大学で脳を研究していた私は、卒業後にある衝撃的な論文と出会う。この世にはどんな命令にも必ず従ってしまう“ジャンパー”と呼ばれる人々がいるというのだ。彼らの脳では一体何が起きているのか。それがこの旅の始まりだった。
■第1章 完璧な記憶を操る
──過去を一日も忘れない“完全記憶者”ボブ
これまでの人生の全ての日を覚えている。ごくまれに、そんな記憶力を持つ人々がいる。その秘密を探るべく、私はボブを訪ねた。彼に最も古い記憶を尋ねると、なんと生後九ヶ月の時の記憶があると言う。そんなことはありえるのか。
■第2章 脳内地図の喪失
──自宅で道に迷う“究極の方向音痴”シャロン
方向感覚は脳が生み出す最も高度な能力の一つだ。では、それを失うと人はどうなるのか。それを教えてくれるのがシャロンだ。彼女は自宅のトイレからキッチンへ行こうとして迷子になる。脳内ではどんなエラーが起きているのか。
■第3章 オーラが見える男
──鮮やかな色彩を知る“色盲の共感覚者”ルーベン
特定の数字に色を見たり、特定の音で味を感じる。こうした共感覚は四%の人に備わっているとされる。中には特殊なものもあり、ルーベンは出会う人の多くにカラフルなオーラが見えるという。だが不思議なことに、彼は色盲なのだ。
■第4章 何が性格を決めるのか?
──一夜で人格が入れ替わった“元詐欺師の聖人”トミー
「ドラッグ、窃盗、けんか。全部やったよ」と過去を振り返るトミーは、ある夜を境に虫も殺せない穏やかな性格へと激変し、家族を戸惑わせた。人の性格は脳が決める。その鍵は左脳と右脳ではなく、上脳と下脳のバランスにあった。
■第5章 脳内iPodが止まらない
──“幻聴を聞く絶対音感保持者”シルビア
幻覚は精神疾患の症状だとされることが多いが、実は誰しもピンポン玉とヘッドフォンを使えば幻覚を体験できる。なぜ脳は幻覚を生み出すのか。絶え間ない幻聴に悩まされているシルビアの脳をスキャンすると、答えが見えてきた。
■第6章 狼化妄想症という病
──発作と戦う“トラに変身する男”マター
自分が動物に変身したと思い込む狼化妄想症。非常に珍しいその患者、マターに会うため、私はUAEへ飛んだ。医師立ち会いのもとインタビューを始めるも、彼の様子が急変。低いうなり声をあげ、「全員を襲いたい」と言い出した。
■第7章 この記憶も身体も私じゃない
──孤独を生きる“離人症のママ”ルイーズ
身体から抜け出たように感じ全ての現実感を失う。一時的にそうした離人症状を経験する人は多いが、ルイーズは何十年もその感覚の中で生きている。彼女の脳の謎を解くには、意外にも「人工心臓を入れた男」の研究がヒントになる。
■第8章 ある日、自分がゾンビになったら
──“三年間の「死」から生還した中年”グラハム
「私は死んでいる」ある出来事を機に脳がなくなったと感じたグラハムは、そう訴えて周囲を当惑させた。彼を検査した医師らには衝撃が走る。起きて生活をしているのに、脳の活動が著しく低下し、ほとんど昏睡状態にあったのだ。
■第9章 人の痛みを肌で感じる
──“他者の触覚とシンクロする医師”ジョエル
他人が経験した触覚や感情を、自分の身体でも感じてしまう。そんなSFのような人々が実在する。医師として働くジョエルも、目の前の患者の痛みを身体で感じながら治療に当たる。なぜ彼の脳は他者と自分を区別できないのか。
■終 章 ジャンピング・フレンチマンを求めて
この旅の始まりとなった不思議な人々“ジャンパー”は全員亡くなったものと考えられ
ていた。しかし、私は友人から届いた動画に、まさしく“ジャンパー”が映っていることに驚く。ノルウェイで会社員として働く彼に会いにいった。
脳に起因する障害を持つ人々に直接会って話を聞きながら、その障害の原因や脳の機能を解説している本です。
文章のせいかもしれませんが、各章の主人公である人たちの人となりがあまり生々しく迫って来ません。
あくまでも医者が患者を観察しているような感じで、その人のキャラクターなり信条なり生き様がうまく描けていないので、こういった手法で話を進めるよりも、脳科学の側面からの解説の方が分かり易かったかなと思います。
そうは言っても、著者のアクティブな行動力はたいしたものだなという感想は持ちました。
作家と組んで本を作ったりする方がより良い作品に仕上がる可能性を感じました。
竹蔵