ドニー・アイカーのレビュー一覧
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〈雪崩、吹雪、殺人、放射線被曝、脱獄囚の攻撃、衝撃波または爆発によるショック死、放射性廃棄物による死、UFO、宇宙人、狂暴な熊、異常な冬な竜巻などなど。強烈な密造酒を飲んで、ただちに失明したせいだという説まである。(中略)自称懐疑主義者ですら、この複雑な謎を解明して科学的に説明しようとして、陰謀論や偽情報の網の目にからめとられている。〉
一九五九年初めの冬、ウラル工科大学の学生とOBによって作られた雪山登山のグループが、出発して十日後の夜に、〈なにかが起こって〉メンバー全員がテントを飛び出し、十キロ半ほど離れた場所でほとんどが服も着ずに異様な状態で死んでいた。リーダーの名前を取って、今では -
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ネタバレやはり映画作家だからなのか、構成がとてもうまくてパーティーの行程を追体験するような感覚になる。資料写真も多く、彼らの人となりの描写も詳細で、アルバムを見ながら話を聞いているよう。
パーティの行程と当時の捜索の様子と現代の調査が入れ替わり立ち替わり語られていく。著者の生活や、アメリカンジョークというか、ふきんし…陽気さが滲むので、凄惨さの割には暗く沈み込まない。
結末は冒頭に記されているのだが、旅は始まりから不穏。大学生の中に大人が闖入。何と言っても放射性物質の検出が否が応でも国家的な背景を感じさせる。おまけに多数の光球の目撃情報、現地の少数民族、不可解な軍の態度。怪しみだしたらどうとでも言えて -
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ネタバレ1959年1月、ロシア西部ウラル山脈の一帯で起きた遭難事故の真相を地道な調査で解き明かしたドキュメンタリー。ディアトロフ峠事件と呼ばれている。真冬のウラル山脈に学生登山部9名が入山後消息を断つ。1ヶ月後全員の死亡が確認された。その死に様が異様で凄惨なであったため、未解決遭難怪死事件として知られるようになる。氷点下の雪山のテントから1キロ以上離れた場所で発見された死体は、衣服や靴はなく、頭蓋骨折したものや、舌を喪失したもの、遺体から異常な濃度の放射能が検出されていた。最終事故報告書には「未知の不可抗力によって死亡」との記載で終わっている。ソビエト連邦時代に起こった未解決事件をアメリカ人である著者
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ドニー・アイカー『死に山 世界一不気味な遭難事件《ディアトロフ峠事件》の真相』河出文庫。
1週間の海外出張で、なかなか読書が捗らなかった。4日も掛かってようやく読み終えた。
テレビなどでも紹介された『ディアトロフ峠事件』の真相に迫るノンフィクションである。
遭難した9人の若者たちの視点と事故現場と遺体を発見した捜索隊の視点、事件の真相を明らかにしようと関係者へのヒアリングを行い、事件現場まで赴いた著者の視点とが交互に描かれる。
旧ソ連時代の状況や様々な制約の中で、過酷なトレッキングに挑戦した若者たちの様子、事故後の混乱などがリアルに描かれる。
冷戦下のソ連、1959年にウラル山脈で -
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ネタバレこれで解決されたような口ぶりのレビューも多いが、あくまで帰結しているのは「可能性の一つ」でしかない。
「カルマン渦」「超低周波音」が発生した可能性はあるかもしれないが、本当にそれが起きたのかは、また別だ。最後の一枚に写りこんでいた「光球」が何だったのかもはっきりしていない。
私はたっぷり…というほどではないが、冬山登山の経験はある。
厳冬期の八ヶ岳、初冬の鹿島槍ヶ岳など、かなりの暴風と山鳴りに一晩中悩まされたこともある。そういったことから色々と疑問に思う。
・カルマン渦や超低周波音が起きたとしても、トレッキングの経験豊富なパーティが、たった一晩の数時間の出来事で発狂したようにテントを飛び出 -
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嗚呼、雪山…
雪山に、憧れている。とてつもなく。なんというか、本当に恋焦がれている。雪の降らない場所に住み、山登り…高尾山、登山って言っても、いいのかな…という、このわたくし、わたくしは…雪山に…とてつもなく…恋慕の情を抱いている…。それは、そう…これもすべて…………闇の左手…嗚呼、惑星"冬"…
という不純な動機で読み始めた本書。先に読んだ家族がニヨニヨしながら、読んだ?読んだ?と待っていた。やっと、読み終わりました。(一ヶ月くらいダラダラ,寝しなに読んでいた)なんとまあ…。
アンタははやく、孤高の人を読みなさい。と言われたので、雪山読書を計画中。 -
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ネタバレ「死に山」という強烈なインパクトのあるタイトルと、ノンフィクション、未解決事件、という3点で購入を即決。
「ディアトロフ峠事件」
本書を読むまで恥ずかしながら存じ上げなかった事件だったが、Wikipediaやあらすじだけをかいつまんだだけでも実に興味深い事件。
いろんな場所でささやかれてる数多の説を、一つずつ検証しながら、筆者は実際にその死に山の現場まで行ってしまう。
事件が起きたのはロシア(旧ソ連)であるが、なにかに取り憑かれたように真相に迫っていく筆者はアメリカ人という面白さがまずある。
なぜアメリカ人の君がこの事件を?と何度も聞かれるし言葉の壁ももちろんあるが、彼自身も、わからないが -
Posted by ブクログ
「ディアトロフ峠事件」。1959年、冷戦下のソビエトで起こった未解決遭難怪死事件。氷点下の雪山、テントから離れた地点で登山チーム9名の遺体が発見された。皆衣服や靴を脱ぎ、頭蓋骨や肋骨を骨折する重傷。遺体からは高濃度の放射能が検出。最終報告書には、「未知の不可抗力によって死亡」と記された。
ディアトロフ峠事件の全貌と真相を描くノンフィクション。
若く、友情と幸福に満ちていた経験豊富なトレッカーたちは、なぜ遭難し異常な状況で死亡することとなったのか?
おそらく世界でも1,2を争うほど有名な遭難事故、「ディアトロフ峠事件」の真相に迫るノンフィクション小説です。
正確には、遭難したトレッカーたちの