鈴木隆美のレビュー一覧

  • 誤読と暴走の日本思想~西周、福沢諭吉から東浩紀、落合陽一まで~

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    時は明治。

    それまでとは全く違った思想を解読するため、
    時に多くの言葉を生み出し、
    時に独自の解釈を生み出しながら、
    思想の荒波を航海した先人たちの記録。

    今となっては当然のように使われる単語も
    このころに作られたものが多くある。

    この柔軟さと強靭さが日本の武器だし、
    いまだに根付いたのか根付いていないのかもよくわからないまま“社会”を構築してしまっている弱みでもあると思う。

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    2025年11月24日
  • 誤読と暴走の日本思想~西周、福沢諭吉から東浩紀、落合陽一まで~

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    分厚い新書といっても雑誌連載の集成などはまとまりが弱いものもあるが、タイトルを通貫した意欲作。序章の「自分語り」ですら長く、この時点で筆者の「反発的情熱」のようなものに惹かれた。テーマによっては難解さが避けられないが、人選にもいい意味で筆者の個人的関心が影響していることをさらけ出し、付かず離れずの距離感を保ちながらいわゆる「日本思想」を特徴づける誤読と暴走というテーゼを縦横無尽に振り回している。再読。

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    2025年08月10日
  • 誤読と暴走の日本思想~西周、福沢諭吉から東浩紀、落合陽一まで~

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    今月一番気になっていた本。明治時代に西周が「哲学」「主体」などの言葉を翻訳して作った。しかしこれは元の言葉の意味を反映したのではなく、儒教的な考えと無理やりつなげて生み出した。このように、海外の文化の背景を無視して取り入れることを「文化的接木」と本著では読んでいる。西田幾多郎や和辻哲郎などは独自の哲学を「創作」したわけである。私も正直「自由」や「権利」「平等」は日本に浸透していないと思っていた。自由ひとつとっても人によって意味合いが違う。また、誤読もこの創作の流れだと思うと腑に落ちた。

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    2025年07月11日
  • 恋愛制度、束縛の2500年史~古代ギリシャ・ローマから現代日本まで~

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    ネタバレ

    最近ジェンダーや環境の性格形成への影響、その時代変化など知りたいと思ってたので、恋愛制度の変化というより、価値観の違いに興味をもって読んだ。図書室で発掘。

    やはり時代、場所によって恋愛、また結婚の制度は様々であり、その「型」にはまって人間は生きている。
    恋愛=結婚ではないし、恋愛に肉体的欲望を結びつけなかったり、過去に同性愛が推奨されたりした世界もあった。
    戦国時代なのか、貴族社会なのか、政策によって求められる人々の考え方は変わる。
    私の価値観は今私が生きている現代日本の「型」である。
    他の時代や国の価値観を否定しても、それは自分がその世界に生きていたら当たり前の価値観である。
    身近な人々の

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    2021年10月13日
  • 恋愛制度、束縛の2500年史~古代ギリシャ・ローマから現代日本まで~

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    愛とは何か?著者によれば、仏教的にもキリスト教的にも、そこから生まれたロマン主義的にも束縛。その束縛からいかに逃れるのか、考えさせられるた。日本のキャラ論については、まだ消化不良。

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    2018年12月20日
  • 誤読と暴走の日本思想~西周、福沢諭吉から東浩紀、落合陽一まで~

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    基本的な知識がない私には、全体的に難しかった。
    文化的接木や記号接地問題という観点を用いて、西洋哲学はそのまま日本人には馴染みようがない、という主張についてはその通りだと思った。
    個人的体験が導入となる序章は面白く読めたし、著者の主張に対して納得感もあった。
    ただ、細かい各論に入ると著者には申し訳ないが、難解になってしまって読みきれなかった。

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    2025年10月22日
  • 誤読と暴走の日本思想~西周、福沢諭吉から東浩紀、落合陽一まで~

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     冒頭で著者自身のポンコツエピソードを並べてるから後は何言っても0キロカロリー。
     西洋から輸入された哲学は言語や宗教や文化が異なる日本人には理解されずに誤読、翻訳され拡散してるという内容。歴史で習う偉人も頭良さそうにテレビで喋ってる有名人もみんな揃ってみんな誤読と暴走してるって考えると安心する。

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    2025年07月26日
  • 恋愛制度、束縛の2500年史~古代ギリシャ・ローマから現代日本まで~

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    今の日本の恋愛制度がいかに西欧の過去の恋愛観に影響され、そのごった煮になっているかということを歴史的に辿った本。

    「ロマンティックラブ」「浮気はいけない」「レディーファースト」といった概念は江戸時代までの日本では見られず、明治以降に西欧から輸入された中世宮廷恋愛やロマン主義的な価値観に影響されたものだ。

    それまでの日本は「農村では盆踊りで乱交」「夜這いでできた誰の子かわからん」「できた子どもを村のみんなで育てる」「村にはおばさんが性の指南役をしていて、若者の筆下ろしを手伝う習慣がある」みたいなことが当たり前で、明治以降の文明開花によって「なんて野蛮な。なんて恥ずかしい。これはヨーロッパの人

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    2024年07月07日
  • 恋愛制度、束縛の2500年史~古代ギリシャ・ローマから現代日本まで~

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    ロマンティックラブの成立から日本への入り込みの節が白眉。現代日本恋愛の解釈がキャラ論のみで手薄なのがマイナス。熱海のゲストハウスで出会った恋愛カウンセラーのお兄さんの良いオススメ。

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    2021年05月21日
  • 恋愛制度、束縛の2500年史~古代ギリシャ・ローマから現代日本まで~

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    ネタバレ

    日本の「恋愛」は欧米のそれとは異質なものである。欧米恋愛観は歴史の変遷に伴って変化し、今の形があるのに、日本はその土壌を無視して輸入してしまった。らしい。
    人を愛する気持ちは人類共通だと思っていたので、恋愛の枠組みさえ文化に決定されているというのは非常に衝撃的だった。

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    2019年07月26日
  • 恋愛制度、束縛の2500年史~古代ギリシャ・ローマから現代日本まで~

    読みやすく面白い

    日本が恋愛を取り入れるまでの流れが詳しく書かれている。
    話し言葉で読みやすい。

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    2019年01月30日
  • 恋愛制度、束縛の2500年史~古代ギリシャ・ローマから現代日本まで~

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    「恋愛」に制度!?

    現代を生きる自分には、正直ピンとこないタイトル。

    古代ギリシャから現代日本に至るまで、「〜だと思わなくちゃいけない」という
    心理的束縛が存在し、恋愛の制度化という罠が常にあることに対して著者は警報を鳴らしている。

    "正しい"「恋愛」は、人生を豊かにするうえで欠かせないドラマ。

    恋愛感の歴史的展開やヨーロッパと日本の比較から、自分なりの「恋愛」の答えを再確認してみては?

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    2021年02月20日
  • 恋愛制度、束縛の2500年史~古代ギリシャ・ローマから現代日本まで~

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    恋愛・セックスの文学史。ってな感じ。類書がないのでとてもえらい。



    まあこうなるだろうな、っていう並び。オウィディウスやカペラーヌスの内容とか新書レベルで紹介してるのははじめてちゃうかな。どれくらい本気なのかわからんけど、がんばってほしい。小谷野先生とかに対してはリファレンスするべきじゃないかな。文献リストは項目ごとの脚注みたいな形で、リストはなくて見通しがわるい。でもこれでかなりこの分野の理解が進むね。偉い。



    検討中。うしろの方はすこし問題があるように思う。



    というか、なんでもかんでも「似たようなもの」になってしまう。それでいいのだろうか。

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    2020年06月15日