アッティカロックのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレテキサス州の人口が200人にも足りないような田舎町で起こった2つの殺人事件に挑む黒人テキサスレンジャーの話。
ミステリーであり謎解き部分もしっかり作られているのだが、主題はアメリカ南部に今も深く根付く黒人差別問題と、恋愛の物語である。そのほの暗さや深さは我々日本人には計り知れないところもあるが、この本を読めばその一端を垣間見てしまう。
自分より劣っていたり、大勢とは違う個性や特質をもっていたり、立場が弱かったり、出身や民族や文化が違ったり、そういう人を差別する感情ってのは、本能に基づく根深いところにある人間のどうしようもない難点なのかもしれない。
でもどうしようもないからと、ほったらかし -
Posted by ブクログ
街の骨格が徐々にわかってくると、事件の背景も見えてきて、白人至上主義、ヘイトクライムが犯罪に絡み出す。簡単な物語ではない。
黒人のテキサスレンジャーを通して、「家族」という関係を浮き彫りにしていく。
家族関係、人間関係。掘り下げていくことで犯人に、そして胸を抉るような動機へと導かれる。
街や店の匂いが文章から漂う。お腹が減るような、また反吐が出るようなこともあったり。
アメリカ南部の田舎町で起きた正義の傑作ミステリでした。
犯人をとんでもなく間違えてて吹いたのは許してほしい…
私の範疇よりもっと複雑に、また素晴らしい余韻を残してくれますので…
こんな面白いものが書評七福神でみんな選ばないって -
Posted by ブクログ
テキサスの田舎町で2件の殺人事件が発生する。1件目はテキサス外からやってきた黒人の男性弁護士のマイケル。2件目は地元の酒場でウェイトレスをしている白人女性のミシー。白人至上主義の犯罪組織のABTが集う酒場に関わった人が事件に巻き込まれている。事件の調査をしているのはテキサス・レンジャーのダレン。ダレンも黒人であり、家族とは問題を抱えている。マイケルがなぜ殺害されたのか。ABTが何らかの理由で殺したのか。白人のミシーが殺された理由は? 人種問題にからんだ事件かどうかさえ確信はないままダレンは捜査をする。終盤になると犯人はこの人くらいしかいない感じになるので、謎解きとしては深くはない。ただし、物語
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Posted by ブクログ
「ジョーがまずギターを取り出した。沢山の人々の--ジョーの、次いでマイケルの、そして今やランディとダレンの--運命を変えたギブソン・レスポール」
伝説のギターマン、ジョー・スウィート。彼のギターをシカゴから追いけかけてきたマイケル・ライトの遺体がバイユーで発見された。ついで白人女性の死体が同じバイユーの少し下流で。
東テキサス、シェルビー郡。人口178人の小さな田舎町。法律家になる道を妻や叔父に強く促されながらも、テキサス・レンジャーとして生きているダレン・マシューズを主人公に、人種間偏見と暴力が容認されるアメリカ南部の田舎町に起こる葛藤をいくつも重ねたように描いて、世の複雑さと人間と -
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シカゴから来た男が運んできたのは、ギブソンのレスポールだった。
輸入盤で手に入れたミシシッピ・ジョン・ハートのレコードを擦り切れるまで聴いてフィンガー・ピッキングをコピーしていた頃を思い出した。『ブルーバード、ブルーバード』というタイトルは、ブルースの名曲から採られている。事実、文中にはライトニン・ホプキンスやジョン・リー・フッカーの名前がたびたび出てくるし、主要な舞台となる、ラークというテキサスの田舎町にある掘っ立て小屋みたいなカフェ<ジェニーヴァ・スイーツ・スイーツ>では、いつもブルースがかかっている。
面白いのは、ハイウェイ五九号線を挟んだ向かいには、プア・ホワイトが集まってくる<ジ -
Posted by ブクログ
2018年エドガー賞最優秀長編賞受賞作です。
日本人の環境では分からないが、肌の色で社会が別れているのはこの現代でも変わってないのでしょうか。
テキサス州警察のレンジャー・ダレンは友人のマックが殺人事件の容疑者となりダレンも巻き込まれて停職中の所に、FBIの友人グレッグから小さなハイウェイ沿いの街で起きた連続殺人事件の調査を依頼される。
1人目の被害者は、弁護士のマイケル・ライト。年齢が近く、同じ大学の法学部で同じ肌の色をした黒人という事にダレンは被害者に親近感を感じた。
2人目は、白人ウェイトレスのミシー。
マイケルは、ハイウェイ沿いの黒人が屯するジェニーバのカフェとミシ