アッティカロックのレビュー一覧

  • ブルーバード、ブルーバード

    解説、吉野仁より 

    ブラック ライブス マター の理解

    南部のスモールタウンを舞台としたミステリ
    ひとつの大きな家族だった
    アメリカの縮図
    秘められた愛による犯罪

    通底低音、ブルース
    ジョン リー フッカー ブルーバード 
    ライトニン ホプキンス ブルーバード、ブルーバード

    相似系、逆転の...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    テキサス州の人口が200人にも足りないような田舎町で起こった2つの殺人事件に挑む黒人テキサスレンジャーの話。

    ミステリーであり謎解き部分もしっかり作られているのだが、主題はアメリカ南部に今も深く根付く黒人差別問題と、恋愛の物語である。そのほの暗さや深さは我々日本人には計り知れないところもあるが、こ...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    街の骨格が徐々にわかってくると、事件の背景も見えてきて、白人至上主義、ヘイトクライムが犯罪に絡み出す。簡単な物語ではない。
    黒人のテキサスレンジャーを通して、「家族」という関係を浮き彫りにしていく。
    家族関係、人間関係。掘り下げていくことで犯人に、そして胸を抉るような動機へと導かれる。
    街や店の匂い...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    アメリカの人種差別が描かれているけれどそれだけではなく愛とか憎しみ、家族、住む場所とさまざまなことが重なり起きた事件。絶えることなく繰り返されてきた黒人に対する差別。そこから生まれる憎しみ、怒りの連鎖。そして殺人。人種問題だけではなくて政治、力、財産、土地とたくさんのものが絡んでくる。こういうものだ...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    想像以上に読みやすく面白かった
    人種問題を絡めながらもそれ以前の人間関係の問題、そして全てが綺麗に解決する訳ではない展開なのが良かった。主人公は決してスーパーマンじゃない。読みやすかった
  • ブルーバード、ブルーバード
    旅先三重の本屋さんで、たまたま出会った本。
    誰が二人を殺したのかという謎を追いながら、白人社会と黒人社会の複雑な関係を描き出す。
    既得権益、とは簡単に言えるが、あいつらがいなければ…という行き場のない怒りは普遍的であり、避けて通れない。
  • ブルーバード、ブルーバード
    テキサスの田舎町で2件の殺人事件が発生する。1件目はテキサス外からやってきた黒人の男性弁護士のマイケル。2件目は地元の酒場でウェイトレスをしている白人女性のミシー。白人至上主義の犯罪組織のABTが集う酒場に関わった人が事件に巻き込まれている。事件の調査をしているのはテキサス・レンジャーのダレン。ダレ...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    うん、面白かった‼︎題名と装丁に惹かれて借りた本だったんで、あんまり内容は見ないで借りたんで、最初はちょっととっつきにくかった。終わって振り返れば、各所に必要な情景描写なんだけど、余計なものだなと思ってた。レンジャーとか保安官とか、やっぱりアメリカのそれもテキサスの生活はよくわからないんだけど、驚く...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    テキサスの片田舎、肌の色を無視せずにはいられない文化的背景がある町で、黒人の男、白人の女が相次いで殺される。

    強盗による襲撃で夫の命を奪われた町のシンボル的軽食堂の女主人ジェニーヴァをルーツにもつれ絡み合う人間模様。

    プチアル中の誇り高き黒人テキサスレンジャーダレンが、ともするとヘイトクライムに...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
     アメリカの法執行機関は複雑だ。警察官がいて、保安官がおり、連邦捜査官もいる。本作品の主人公は法執行機関の一つ、テキサスレンジャーだ。より誇り高い存在だ。

     これが現代のアメリカなのかと疑うほど、人種差別が厳然と残る中で、黒人テキサスレンジャーとして事件に自ら切込んでいく。小説に出てくる事件は、人...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    読み出してから気付いたが第一作である「黒き水のうねり」と同じ匂い、同じアブラっこさ、同じ旋律(深くて暗い…)で物語は進みテキサスの沼地に回帰するのであった。
    テキサス・レンジャーの誇り高さ、尊敬されっぷり、ステットソンとブーツとシルバーバッチ。
    テキサスが特殊なのか、アメリカ南部では当たり前なのか。...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    この不穏な終わり方、次回作があるとしたら、ドキドキ。英米ミステリの主人公って音楽好きが多いな。リーバスのロック、ボッシュのジャズ、モースのオペラ。ジェニーヴァの言葉を借りれば「失われた愛」の物語。
  • ブルーバード、ブルーバード
    主人公が黒人(カラード)のテキサスレンジャーというだけで既に異色では?
    南部の田舎町で起きた連続の殺人事件に巻き込まれる、事件の謎を丹念に捜査していく。
    話しが全体的に地味だけど、比喩や暗喩に富んだ文章が抜群に上手いうえに、キャラの設定も見事。

    そのせいか、さほどのストーリーでもないのにラストまで...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    面白かった。が、まだ尚進行している人種偏見への認識を共有していないので感じ方はどうなのか疑問だが。
    文中の彼らは大きな家族。黒人を憎んでいることが強迫観念となり逆に縛られている様子は印象に残る。
    海外のミステリーが好きなせいもあるが、最近読んだ本も映画も人種間、男女の偏見、差別が基になる話ばっかりや...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    テキサス州のハイウェイ沿いの田舎町で、ふたつの死体があいついで発見された。都会から訪れていた黒人男性弁護士と、地元の白人女性の遺体だ。停職処分中の黒人テキサス・レンジャー、ダレンは、FBIに所属する友人から、事件の周辺を探ってほしいと頼まれて現地に赴くが―。愛と憎悪、正義の在り方を卓越した力量で描き...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    主人公の黒人レンジャーを揶揄するように「夜の大走査線(In the heat of the night)」の名が本文中に使われる。同作が映画化されてから半世紀以上経つとゆうのに人種間の分断は相変らず社会に暗い影を落としている。なぜ同じ悲劇が繰り返されるのか、本作はアメリカの病巣を描く凡百のノンフィク...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    「ジョーがまずギターを取り出した。沢山の人々の--ジョーの、次いでマイケルの、そして今やランディとダレンの--運命を変えたギブソン・レスポール」

     伝説のギターマン、ジョー・スウィート。彼のギターをシカゴから追いけかけてきたマイケル・ライトの遺体がバイユーで発見された。ついで白人女性の死体が同じバ...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    シカゴから来た男が運んできたのは、ギブソンのレスポールだった。

    輸入盤で手に入れたミシシッピ・ジョン・ハートのレコードを擦り切れるまで聴いてフィンガー・ピッキングをコピーしていた頃を思い出した。『ブルーバード、ブルーバード』というタイトルは、ブルースの名曲から採られている。事実、文中にはライトニン...続きを読む
  • ブルーバード、ブルーバード
    アメリカ南部が舞台で、根深い黒人差別問題が全面に押し出しされるという、題材としては個人的にとても苦手な分野なのですが、三冠受賞作品なので読まないという選択肢はない。
    結果、読んでよかった。正義とは?と考えさせられる作品が最近は多い気がするが、捻りが効いてなかなかなもの。
    しかし、南部は濃い!
  • ブルーバード、ブルーバード

     2018年エドガー賞最優秀長編賞受賞作です。
    日本人の環境では分からないが、肌の色で社会が別れているのはこの現代でも変わってないのでしょうか。

     テキサス州警察のレンジャー・ダレンは友人のマックが殺人事件の容疑者となりダレンも巻き込まれて停職中の所に、FBIの友人グレッグから小さなハイウェイ沿...続きを読む