アッティカロックのレビュー一覧

  • ブルーバード、ブルーバード

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    解説、吉野仁より 

    ブラック ライブス マター の理解

    南部のスモールタウンを舞台としたミステリ
    ひとつの大きな家族だった
    アメリカの縮図
    秘められた愛による犯罪

    通底低音、ブルース
    ジョン リー フッカー ブルーバード 
    ライトニン ホプキンス ブルーバード、ブルーバード

    相似系、逆転のケースが、繰り返される
    表面の写生で終わらない厚み
    白人と黒人、夫と妻、親と子 反転
    過去の回想がドラマとして物語に挿入

    highway59 楽しみ

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    2023年01月06日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    ネタバレ

    テキサス州の人口が200人にも足りないような田舎町で起こった2つの殺人事件に挑む黒人テキサスレンジャーの話。

    ミステリーであり謎解き部分もしっかり作られているのだが、主題はアメリカ南部に今も深く根付く黒人差別問題と、恋愛の物語である。そのほの暗さや深さは我々日本人には計り知れないところもあるが、この本を読めばその一端を垣間見てしまう。

    自分より劣っていたり、大勢とは違う個性や特質をもっていたり、立場が弱かったり、出身や民族や文化が違ったり、そういう人を差別する感情ってのは、本能に基づく根深いところにある人間のどうしようもない難点なのかもしれない。

    でもどうしようもないからと、ほったらかし

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    2019年11月11日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    街の骨格が徐々にわかってくると、事件の背景も見えてきて、白人至上主義、ヘイトクライムが犯罪に絡み出す。簡単な物語ではない。
    黒人のテキサスレンジャーを通して、「家族」という関係を浮き彫りにしていく。
    家族関係、人間関係。掘り下げていくことで犯人に、そして胸を抉るような動機へと導かれる。
    街や店の匂いが文章から漂う。お腹が減るような、また反吐が出るようなこともあったり。
    アメリカ南部の田舎町で起きた正義の傑作ミステリでした。
    犯人をとんでもなく間違えてて吹いたのは許してほしい…
    私の範疇よりもっと複雑に、また素晴らしい余韻を残してくれますので…

    こんな面白いものが書評七福神でみんな選ばないって

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    2019年05月04日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    ネタバレ

    アメリカの人種差別が描かれているけれどそれだけではなく愛とか憎しみ、家族、住む場所とさまざまなことが重なり起きた事件。絶えることなく繰り返されてきた黒人に対する差別。そこから生まれる憎しみ、怒りの連鎖。そして殺人。人種問題だけではなくて政治、力、財産、土地とたくさんのものが絡んでくる。こういうものだからと諦めたり正そうとしたり。正しいこととは何かと考え向き合い続ける男の物語でもある。

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    2018年12月27日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    想像以上に読みやすく面白かった
    人種問題を絡めながらもそれ以前の人間関係の問題、そして全てが綺麗に解決する訳ではない展開なのが良かった。主人公は決してスーパーマンじゃない。読みやすかった

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    2023年05月08日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    旅先三重の本屋さんで、たまたま出会った本。
    誰が二人を殺したのかという謎を追いながら、白人社会と黒人社会の複雑な関係を描き出す。
    既得権益、とは簡単に言えるが、あいつらがいなければ…という行き場のない怒りは普遍的であり、避けて通れない。

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    2023年03月05日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    テキサスの田舎町で2件の殺人事件が発生する。1件目はテキサス外からやってきた黒人の男性弁護士のマイケル。2件目は地元の酒場でウェイトレスをしている白人女性のミシー。白人至上主義の犯罪組織のABTが集う酒場に関わった人が事件に巻き込まれている。事件の調査をしているのはテキサス・レンジャーのダレン。ダレンも黒人であり、家族とは問題を抱えている。マイケルがなぜ殺害されたのか。ABTが何らかの理由で殺したのか。白人のミシーが殺された理由は? 人種問題にからんだ事件かどうかさえ確信はないままダレンは捜査をする。終盤になると犯人はこの人くらいしかいない感じになるので、謎解きとしては深くはない。ただし、物語

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    2022年05月06日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    うん、面白かった‼︎題名と装丁に惹かれて借りた本だったんで、あんまり内容は見ないで借りたんで、最初はちょっととっつきにくかった。終わって振り返れば、各所に必要な情景描写なんだけど、余計なものだなと思ってた。レンジャーとか保安官とか、やっぱりアメリカのそれもテキサスの生活はよくわからないんだけど、驚くほど人種間のいわゆるヘイトが蔓延っている彼の国の現実に驚き、そしてまた悲しかった。そんなことしている場合じゃないのに、世界は。

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    2021年01月16日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    ネタバレ

    テキサスの片田舎、肌の色を無視せずにはいられない文化的背景がある町で、黒人の男、白人の女が相次いで殺される。

    強盗による襲撃で夫の命を奪われた町のシンボル的軽食堂の女主人ジェニーヴァをルーツにもつれ絡み合う人間模様。

    プチアル中の誇り高き黒人テキサスレンジャーダレンが、ともするとヘイトクライムに分類されかねない事件の真相を探る過程で見えてくるきな臭いサイドストーリー。

    物語始めのトラブルの結末と、作品全体で主張している黒人への不当な扱いへの訴え、正義の追求との対比がなんとも心憎い結び。

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    2020年05月30日
  • ブルーバード、ブルーバード

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     アメリカの法執行機関は複雑だ。警察官がいて、保安官がおり、連邦捜査官もいる。本作品の主人公は法執行機関の一つ、テキサスレンジャーだ。より誇り高い存在だ。

     これが現代のアメリカなのかと疑うほど、人種差別が厳然と残る中で、黒人テキサスレンジャーとして事件に自ら切込んでいく。小説に出てくる事件は、人種間のヘイトクライムとして進行するが、実は愛の裏返しであることがわかる。また、本格的なミステリーとして十分なストーリーだ。紙幅のない最終局面で、新たな展開を匂わせるシーンで終わるので、続編が待たれる作品だ。

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    2020年02月05日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    読み出してから気付いたが第一作である「黒き水のうねり」と同じ匂い、同じアブラっこさ、同じ旋律(深くて暗い…)で物語は進みテキサスの沼地に回帰するのであった。
    テキサス・レンジャーの誇り高さ、尊敬されっぷり、ステットソンとブーツとシルバーバッチ。
    テキサスが特殊なのか、アメリカ南部では当たり前なのか。人種間の憎悪と隠された愛。ねじ曲がってるよ。
    物語がブルースのようにゆっくり進んでは止まる。もう少しアップテンポな展開を期待。読むのに時間かかったよ。
    3.6

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    2019年12月12日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    この不穏な終わり方、次回作があるとしたら、ドキドキ。英米ミステリの主人公って音楽好きが多いな。リーバスのロック、ボッシュのジャズ、モースのオペラ。ジェニーヴァの言葉を借りれば「失われた愛」の物語。

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    2019年07月22日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    ネタバレ

    主人公が黒人(カラード)のテキサスレンジャーというだけで既に異色では?
    南部の田舎町で起きた連続の殺人事件に巻き込まれる、事件の謎を丹念に捜査していく。
    話しが全体的に地味だけど、比喩や暗喩に富んだ文章が抜群に上手いうえに、キャラの設定も見事。

    そのせいか、さほどのストーリーでもないのにラストまで楽しめだ。

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    2019年05月22日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    ネタバレ

    面白かった。が、まだ尚進行している人種偏見への認識を共有していないので感じ方はどうなのか疑問だが。
    文中の彼らは大きな家族。黒人を憎んでいることが強迫観念となり逆に縛られている様子は印象に残る。
    海外のミステリーが好きなせいもあるが、最近読んだ本も映画も人種間、男女の偏見、差別が基になる話ばっかりやなー。

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    2019年04月19日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    テキサス州のハイウェイ沿いの田舎町で、ふたつの死体があいついで発見された。都会から訪れていた黒人男性弁護士と、地元の白人女性の遺体だ。停職処分中の黒人テキサス・レンジャー、ダレンは、FBIに所属する友人から、事件の周辺を探ってほしいと頼まれて現地に赴くが―。愛と憎悪、正義の在り方を卓越した力量で描き切り、現代アメリカの暗部をえぐる傑作ミステリ。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞、英国推理作家協会賞スティール・ダガー賞、アンソニー賞最優秀長篇賞の三冠受賞作!

    静かな筆致だが、物語の力強さを感じさせる。収穫でした。

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    2019年03月03日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    主人公の黒人レンジャーを揶揄するように「夜の大走査線(In the heat of the night)」の名が本文中に使われる。同作が映画化されてから半世紀以上経つとゆうのに人種間の分断は相変らず社会に暗い影を落としている。なぜ同じ悲劇が繰り返されるのか、本作はアメリカの病巣を描く凡百のノンフィクションより強くその問題の深さを訴える。

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    2019年03月02日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    「ジョーがまずギターを取り出した。沢山の人々の--ジョーの、次いでマイケルの、そして今やランディとダレンの--運命を変えたギブソン・レスポール」

     伝説のギターマン、ジョー・スウィート。彼のギターをシカゴから追いけかけてきたマイケル・ライトの遺体がバイユーで発見された。ついで白人女性の死体が同じバイユーの少し下流で。

     東テキサス、シェルビー郡。人口178人の小さな田舎町。法律家になる道を妻や叔父に強く促されながらも、テキサス・レンジャーとして生きているダレン・マシューズを主人公に、人種間偏見と暴力が容認されるアメリカ南部の田舎町に起こる葛藤をいくつも重ねたように描いて、世の複雑さと人間と

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    2019年02月28日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    シカゴから来た男が運んできたのは、ギブソンのレスポールだった。

    輸入盤で手に入れたミシシッピ・ジョン・ハートのレコードを擦り切れるまで聴いてフィンガー・ピッキングをコピーしていた頃を思い出した。『ブルーバード、ブルーバード』というタイトルは、ブルースの名曲から採られている。事実、文中にはライトニン・ホプキンスやジョン・リー・フッカーの名前がたびたび出てくるし、主要な舞台となる、ラークというテキサスの田舎町にある掘っ立て小屋みたいなカフェ<ジェニーヴァ・スイーツ・スイーツ>では、いつもブルースがかかっている。

    面白いのは、ハイウェイ五九号線を挟んだ向かいには、プア・ホワイトが集まってくる<ジ

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    2019年01月30日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    ネタバレ

    アメリカ南部が舞台で、根深い黒人差別問題が全面に押し出しされるという、題材としては個人的にとても苦手な分野なのですが、三冠受賞作品なので読まないという選択肢はない。
    結果、読んでよかった。正義とは?と考えさせられる作品が最近は多い気がするが、捻りが効いてなかなかなもの。
    しかし、南部は濃い!

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    2018年12月29日
  • ブルーバード、ブルーバード

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     2018年エドガー賞最優秀長編賞受賞作です。
    日本人の環境では分からないが、肌の色で社会が別れているのはこの現代でも変わってないのでしょうか。

     テキサス州警察のレンジャー・ダレンは友人のマックが殺人事件の容疑者となりダレンも巻き込まれて停職中の所に、FBIの友人グレッグから小さなハイウェイ沿いの街で起きた連続殺人事件の調査を依頼される。

     1人目の被害者は、弁護士のマイケル・ライト。年齢が近く、同じ大学の法学部で同じ肌の色をした黒人という事にダレンは被害者に親近感を感じた。

     2人目は、白人ウェイトレスのミシー。

     マイケルは、ハイウェイ沿いの黒人が屯するジェニーバのカフェとミシ

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    2021年05月16日