谷口亜沙子のレビュー一覧

  • 三つの物語

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    光文社古典新訳文庫のフランス文学は、衝撃の『目玉の話』以来。
    3作ともキリスト教にまつわる話。
    「聖ジュリアン伝」は、トルストイの民話のような味わい。
    「ヘロディアス」は、半ばくらいで『サロメの話?』と気付いた。だが、洗礼者ヨハネの首を欲っしたのが、サロメではなく、母親のヘロディアスだった、という設定が、実にさりげなく説明されている点、解説を読むまで気が付かなかった。マルタ島にあるカラヴァッジォの大作『洗礼者聖ヨハネの斬首』を思い出した。

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    2022年11月16日
  • 三つの物語

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    いずれも端麗で細緻な文体でありながら、3つそれぞれが違う雰囲気:
    「素朴なひと」は淡い色合いの水彩で描いた風景画、青く広い空と小さな家の周りの木立…。
    「聖ジュリアン伝」は重厚で暗く濃い色のタペストリー、緑の色合いが鬱蒼とした感じの。もとはステンドグラスに発想を得たみたいだけど。
    「ヘロディアス」はギュスターヴモローの絵のような細密画(サロメの題材に引きずられて…)だけど、もっと金色やパキッとした色合いの。

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    2021年05月27日
  • 三つの物語

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    「素朴なひと」ジョルジュサンドに「冷徹」と思われていて「あたしだってやるのよ」ということを見せつけるために書いた作品。ある女性の一生。カナダの映画監督アトムエゴヤンの作品を思い出した。「聖ジュリアン伝」フローベールの生地ルーアン大聖堂の34枚のステンドグラスに描かれた彼の一生。「ヘロディアス」エルサレムの地にてキリストがいた頃の話。どれも良かった。久々に本と仲良く解り合えた感覚だった。訳がいいんだと思う。この訳者は読む人の気持ちがよくわかっている人なんだと思うが、作者の言葉選びの素晴らしさに惚れた。

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    2019年06月08日