東海友和のレビュー一覧
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ネタバレ日本最大の流通グループになったイオン。イオンの創始者岡田卓也氏の姉千鶴子氏は、両親・姉の死去で、23歳でイオンの前身・岡田屋呉服店(創業1758年)の社長となった(1939年)。婚約者もいたが結婚を延期しての就任、一人身で、戦中・戦後の混乱期を乗り切った。その後、1954年、10歳年下の弟、まだ早稲田大学在学中の岡田卓也を社長にし、結婚(23歳で婚約していた画家と)を期に完全にしりぞき、住居も四日市から大阪住吉に移し「本屋」を開店。
1959年、請われて、ジャスコを率いる岡田を支えるブレーンととして復帰。当時の流通業としては先駆的に大卒社員の定期採用、女子社員の戦力化、パートタイマーの積極的雇用、高卒社員を対象に小売業初の企業内大学を発足。連邦制経営めざし、企業の合併・統合をとおしての企業理念・行動規範を作成、制度・規定を整備。ジャスコ厚生年金基金を設立、ジャスコ大学の設立、商品試験室・経営監査室設置、東証・大証・名証への上場まで実現。今から約50年も前、「経営人事」「戦略人事」を掲げ、管理部門、特に人事・組織経営の専門家として、「人事のレジェンド」、「影の実力者」と称された。
「上げに儲けるな、下げに儲けよ(浮利を追わず堅実に)」「見えざる資産(知識、技術、人脈)の蓄積をせよ」「店舗は人材育成の錬成の場」「個人の意思をベースにした仕事(主体的)には感激がある」「仕事が人を創る」「(大切なのは)情報の共有、目的の共有、結果の共有」「不満の本質を見極めよ」等、いくつか名言を残している。
「私が全国行脚し、志を同じくする小売業の経営者たちの提携交渉に注力できたのも、千鶴子がジャスコの内部固めを一手に引き受けてくれたおかげ。時には悪者となり、社員に厳しかった。『あんた会社を潰す気か』と雷を落とされた幹部は多い。ジャスコの精神的な支柱だった」(岡田卓也「小売業の繁栄は平和の象徴」)。
60歳で自ら定めた規定にそって取締役を退任し常勤監査役に、65歳で監査役も退任。
ライフコーポレーションの清水信次会長や、セブンイレブンの鈴木敏文前会長、渥美俊一氏や商業界の倉本長治氏からも一目も二目を置かれていたという小嶋千鶴子氏。本書は、小嶋氏のもとで働いていた著者が、イオンの社員だけが読めるという「あしあと」(小嶋氏が81歳の時発刊)も抜粋、エピソードを交え、経営哲学・人事哲学を紹介。小嶋千鶴子は1916年生まれ、今年103歳になるが、四日市に住み、今でも「エコノミスト」を購読されており健在とのこと。
「経営とは人事のこと。これまで読んだ中で最高の人事本。この本全社員に配りたいくらい」(ファーストリテイリング・柳井正会長)。柳井氏は、大学卒業し、ジャスコに就職したが、その時の面接官は小嶋氏だったとのこと。 -
Posted by ブクログ
『人財育成』と、うちの会社含めてどの会社も目にする今ではありきたりな言葉を本気で取り組んだ方。
結婚するなら岡田呉服店の女性、親御さんから預かっている、ジャスコ大学など、言葉だけではない本気の取り組みを感じられた。
前半はイオングループになっていく際の小嶋さんの奮闘劇。
後半は経営哲学、人事哲学など小嶋さんの考え方を学べる。正直後半は飛ばしながら読みました…
ダイヤモンドシティが三菱との合同会社の屋号だと知ったのがビックリでした。
下記は、印象に残った、自分自身気をつけようと思った言葉
若者の過ちより老人の跋扈の方が害がある
*御自身が60歳で役員を定年した時の心構え
単に念じるのではなく幸福や自分の成功の姿をはっきりと描き、より具体的に実行に移す。映像になるくらい。
P66.わずか50年で人間一人が経験できることは、たかが知れている。先人の教えや生き方のそういった書物を読まない人、人の話を聞かない人、それで人から敬意や信頼を得られようか。
教えについては、自分なりの解釈を徹底する
P75.信頼の基礎は責任感があるかないか。
P100.とにかく勉強せよ。能力がなくては優れた仕事はできず、人間的な成長もない。経営視点でモノを見よ -
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経営人事で巨大小売企業イオンを作った、小嶋千鶴子氏の金言が詰まった一冊。自分の血肉にしたい考え方もいくつかありメモ。
ただ、エッセンスは豊富ながらあまり深掘りはされておらず星3つの評価。
企業の成長ステージごとに顕在化される課題に、1つ1つ向き合い、学び、解決した40年間だったんだなと思った。ただ、その解決の過程を、ストーリーとしてもっと知りたかった。それぞれの打ち手が当時は斬新だったのはよくわかるが、実現にあたっては必ず困難があったはずで、それをどう考え乗り越えてきたのかを知りたかった。
エッセンスは豊富なので、自分の組織に課題を感じ、それと当てはめながら読める人には非常にタメになると思う。 -
Posted by ブクログ
イオンの実質的創業者小嶋千鶴子の評伝。親、姉を早くに亡くし岡田屋を20歳そこそこで継ぎ社長に。その後弟の岡田卓也に継ぐまで社長を勤める。社長退任後もジャスコの経営に関与し、弟とともに現イオンの母体をつくった。
その経営スタイルは清廉潔白、正しいことを追求することの徹底。従業員に倫理観を求めつつ、当事者意識をもって仕事をしてもらうことに努めたと言える。
やや宗教めいてはいるけれど、大きくなる企業は必要な要素で従業員が信じて着いてこれるものでなければならないし、誇りを持てる仕事でなければならない。だからブラック企業ではダメとい経営者小嶋の薫陶を得た著者は考えている。
それはどこか京セラの稲盛和夫に似ているかもしれない。稲盛氏ほど著作という形で残ってないが故に世間的には広まってはいないけれど、「日本」の優れた企業にはこのようなどこか宗教的な要素が必要なんだということなんだろう。