石黒達昌のレビュー一覧

  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女
    中級クラスな難解SFに属すると思うが「ALICE」が個人的に好きだ。
    出版社の都合で、このような実力のある作家を埋もれさせる現状は本当にやるせない。
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女
     この本を読むまで、作者のお名前を存じ上げなかった。解説およびあとがきを読むと、長編は1作もなく中短編が30ほど発表されているらしい。作品の多くは文芸誌に掲載され、芥川賞の候補に3度なってる。SF寄りの作品が多く、東京大学医学部出身ということもあって、安部公房を彷彿させる。

     この「日本SFの臨界...続きを読む
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女
    昨年の10月に既に読み終わっていたのだが、登録忘れに気が付いて慌ててレビューを追加した。

    前回の小田雅久仁に引き続く新たな作家との出会い、これは単なる読書の楽しさだけでなく、遥か昔に感動したSFに対する記憶・共感を呼び起こしてくれる。その点では「日本SFの臨界点」と称して新しく企画してくれた伴名練...続きを読む
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女
    書評につられて久々にSFモノを読んだ。グイグイ引き込まれて密度が濃く、短編でちょうどよい。
    希望ホヤ、平成3年~が良かった。
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女
    いやはや、まさか石黒達昌まとめ読みチャンスとは。
    この中やと「王様はどのようにして〜」はちょっと好みと違うかな。これは石黒達昌でなくても良くね?と言うか。
    「希望ホヤ」「冬至草」あたりは石黒達昌本線バチバチ。これが読みたかったし、石黒達昌でしか読まれへん。
    「或る一日」は宮内悠介「ヨハネスブルクの天...続きを読む
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女
    「希望ホヤ」★★★★★
    「冬至草」★★★★
    「王様はどのようにして不幸になっていったのか?」★★★
    「アブサルティに関する評伝」★★★
    「或る一日」★★★
    「ALICE」★★★★
    「雪女」★★★★
    「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに」★★★★★
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女
    現在(皮膚感覚としての)日本SFはある程度の需要があり、こういう作品集が出ることが出来ているのだと思う。
    個人的には、冬至草の後味の悪さが好きだ。
    事実をなぞったような、ある種のとっちらかりが、判断を読者に委ねる事が出来ている。作者の職業柄、理系用語はリアルだが、そのリアルさを、小説として、どう判断...続きを読む
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女
    医師として、活躍されているので、余計な事だが、作家として活躍して欲しいと…。才能って、ある人には、幾つもあると認識。
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女
    なんというか、とてもユニークな筆致と世界観を有する作家です。
    作家自身の個性や情念や熱量、「この作品で何を表現したいのか」といった想い、そうした通常の小説なら当然表出されているものが、この作品群からは全く感じません。徹底的に冷静で冷徹で、まるで科学者のリポートを読むかのような硬質で冷たい作品ばかりで...続きを読む
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女
    これは、理系SFとして傑作と思います。ストーリーとしても、不思議な哀しさがあります。長編が読みたい!
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女
    「希望ホヤ」「冬至草」「雪女」は既読。著者の淡々とした文章が良い。科学者の不正を書いた「アブサルティに関する評伝」と数多の死を書いた「或る一日」が印象的な作品だった。
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女
    学術論文を思わせる(あるいは擬した)硬質な文体で、疑似科学的幻想を、突き放した視点で描く、研究者作家の短編集。近年は作品の発表がなく、忘れらた作家の印象だが、本業が忙しくなって執筆時間が取れなくなったかららしく、作品に理解者を得られなかったわけではないようだ。
    やはり読後感は重い。いわゆる架空論文は...続きを読む
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女
    主に自然科学、生物化学的なテーマをルポタージュ調の文体を以て俯瞰的な視点からノンフィクション風に淡々と綴る作品集。人の血液を養分とする植物の生態を描いた「冬至草」と妖怪譚を特異体質という観点から描く「雪女」の二作が表題作で、人智を超えた種のメカニズムを研究者の執着的な探究心と共に紐解いていく。併録作...続きを読む