ナオミ・オルダーマンのレビュー一覧

  • パワー

    Posted by ブクログ

    中学3年生の「課題図書」の一つとして紹介された書籍です。

    「女性が手から電撃を出せるようになる」という設定ひとつで、ここまで現代社会を風刺した小説を書くことができるのか、という驚きに満ちた読書体験でした。

    力を得た女性が、それまで自分たちを征服し、虐げてきた男性社会にたいして叛旗を翻すという流れ自体は想像できるものですが、今の世の中に「当たり前」にあると考えられている「女性ならではのやさしさ」という幻想を打ち破るような激しい攻撃性を目の当たりにすると、私自身、男として居心地の悪さや一抹の恐怖を感じます。

    大いなる力には「責任」が伴い、それを無視して濫用すると「歪み」が生まれること。人間は

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    2023年07月16日
  • パワー

    Posted by ブクログ

    凄かった。上手く説明できないけど、これは要約ではダメで、読書の体験そのものに意味がある本だと思う。
    最初のワクワク感から、どんどん凄惨な方向へ転がっていく。
    残虐さに目を背けたくなるシーンは多々あるが、裏返してみれば、これは戦時中や不安定な情勢であれば「よくあること」だ。
    ミラーリングというのか、男性であれば「普通」とされていることを女性が行うと、こんな感じ方をするのか。読み終わってからも、この本の色々なシーンを何度も思い出す。

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    2023年07月04日
  • パワー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    非常に面白かったけれど、これを通してどう受け止めればいいのか少し戸惑う

    男が女に行なっている行為を逆転させることで残虐性を男性が感じる それで男性たちに気付きを与えることができるのだろうか 寧ろその残虐性は女性だから、という結論にならないだろうか

    寧ろここでこの残虐性は男のものとイコールであると気づく層はそもそもリベラルであって、女性たちの声に対して揶揄する層ではないのでは、と 揶揄する層は恐らくこれらを女性特有の残虐性と取り、やっぱり女性に権力を与えてはいけないみたいな考えになるのではないか(そういう層は読まないかもだが

    しかしこの本の中で恐らく言いたいのは作中でもあるように、物事は

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    2023年08月17日
  • パワー

    Posted by ブクログ

    ナオミ・オルダーマンの小説。
    ベイリーズ賞を2017年に受賞。

    女性が男性よりも権力を握るようになった世界において、ニールという作家が考古学説をベースに創作した小説を、本書の作者であるナオミがレビューするという設定になっている。

    小説では、ある日突然女性が手から強力な電流を放電できるようになり、既存の男性優位の社会を塗り替えはじめた「大変動」時代が描かれる。

    その中で特に大きな役割を担う4人の人物の視点を切り替えながらストーリーが進む。
    キリスト教の新しい亜流を立ち上げて教祖として信仰を集めていくアリー、マフィアの娘で最強の放電能力を持つロクシー、アメリカで勢力を増していく政治家のマーガ

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    2025年01月21日