渡辺恒夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
脳科学によって外側から夢を研究するのではなく、夢を見る
者の当事者研究として、夢をその内側から現象学的に解き
明かそうという試みであり、その端緒と研究への入門の仕方
を解説した本。その試みは面白いと思うし、夢を現象学的に
見ていくことで現象学そのものへの入門編になっていると
いうのもなかなか良く出来ていると思う。まぁ毎回のように
「読んでいる間だけわかった気になる現象学」という
パターンはそのままなのだけれど(苦笑)。
この「夢の現象学」において最大の問題点は「夢」と「夢
日記」との関係性に一言も触れていないことだと思う。
睡眠状態の脳が見ている夢と、覚醒状態の脳がその夢を解釈
してつづる夢