クリスチャン・マスビアウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
STEM教育への系統と人文科学の軽視、
データドリブンへの信奉とコンテクストへの無知。
こうした近年の趨勢に警鐘を鳴らし、人文科学をベースとした「センスメイキング」の重要性を説いている。
大量のデータから表層をなぞるのではなく
現象学的に本質を抉ろう、という主張にはなるほどと思わされる。
つまみ食い程度でわかった気になることはできても
本質を捉えることは対象の内側に没入することでしか達成しえない。
しかし、STEMの欠点を徹底的に晒しつつも、結局なぜセンスメイキングが望ましいのかがいまいち伝わらない。
そもそも言語化・論理化が難しいものであるので性質上難しいというのはあるだろうが、
変に「 -
Posted by ブクログ
人間科学を基盤とした戦略コンサルタントである著者が、STEMやビッグデータといった自然科学に基づく「理系の知識」全盛の時代へのアンチテーゼとして、人文科学や社会科学の重要性を説き、より人間的な文化や感性への回帰を提唱した一冊。
センスメイキングとは、人間本来の知を生かして「意味のある違い」に対する感受性を高めることであり、物事に対する深い洞察は、数値化・抽象化された「薄いデータ」の分析だけでなく、人々の相互の関係によって生まれる「社会的文脈」のようなAIでは認識できない「厚いデータ」を把握することが必要になる。そのためには新たな技術に盲目的に頼るのではなく、自らの経験や感性を主体的に活用して