牧野邦昭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
経済力の観点で対米開戦は勝ち目がないとわかっていたのに、なぜ開戦に踏み切ったのか?この疑問に対し、行動経済学におけるプロスペクト理論と、強力なリーダーシップのある指導者が不在ななかでの意思決定に関する社会心理学的な知見から答えている。
開戦回避では確実にジリ貧が見えているなかで、ドカ貧リスクが極めて高くても、僅かながらもジリ貧を避けられるかもしれない道が示されたがために、秋丸機関にとって本意ではない結論に突き進んだのはもどかしい。後講釈かもしれないが、ドカ貧の悲惨さ、つまり焦土と多数の戦没ということについて想像しきれていなかったから絶対の開戦回避という選択がなされなかったのだろう。リスクの高さについては理解していながら、ネガティブなインパクトの大きさから目を背けると、いかに悲劇的な結末を招くか。戦争だけに限らず、様々な場面で究極の選択を迫られる際に肝に銘じないといけない。 -
Posted by ブクログ
秋丸機関なんて聞いたこともなかった。
先の大戦で、経済面の国力分析を、日本と他国においても行なっており、それはかなり正確だった。
その報告書が、開戦の障害になるから全て廃棄されたと言われていたが、実のところ、世間一般で言われているような内容と大差なく、そんな気密でもなく。
日米の国力差、1:20。
故に、資源確保も狙って乾坤一擲、あらゆる条件を好意的に見積もって開戦するしかなかったという判断。
そこは、行動経済学とか、社会心理学の分野であって。
結果論だが、あまりに稚拙。結果はね。
もうちょっと、現状維持でジリ貧にはならないかも、という報告書もできたんじゃないかと投げかける。 -
Posted by ブクログ
太平洋戦争開戦の可否を、経済・国力の観点から調査した秋丸機関を主人公として書かれている。報告書の内容が曖昧な表現であったため、開戦しても勝てる一縷の望みがあるとすがってしまったようだ。翻って見れば、世界における日本の地位が脅かされていた時期で、最高に切羽詰まって開戦せざるを得なかったと考えるのが妥当であろう。
報告書の有無を問わず、日米開戦は不可避であったのだろう。なぜなら今日における対北朝鮮、対北ベトナム、対イラク戦争を見ても、アメリカの謀略・戦略は明確で、どの国相手でも良いが戦争をしたかったのは明らかである。その相手が、その時はちょうど日本だったと言うだけだ。第二次大戦の一部分ではあるが、ただ単純に前述の戦争と同様、対日戦争と言ったほうがしっくりくる。
そしてまた日本も、誰が決めたのかはっきりしない解散を決断し、その結果敗戦し、真に誰が責任を取るべきなのかはっきりしないままの幕切れとなった。現在の日本の政治家及び一般市民と大差ない。
好き勝手なことを言うが、誰も責任を取らない。