林将之のレビュー一覧
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購入済み
おもしろかった
「人間は、自らが生き残るために、紅葉や自然の色を美しいと感じる本能と感性を備えている」
つまり、人間にとって都合のよいものを美しく感じるというわけだ。
美しいと思うものが一致する人は価値観も一致するかもしれない。
かといって、それでうまく行くかどうかはわからないのが難しいところ。 -
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タイトル通り「葉っぱはなぜこんな形なのか?」という考察も面白かったが、樹木に魅せられた人の、人生、就職や仕事としても面白かった(『バッタを倒しにアフリカへ』を読んで面白かった人はこの本も楽しめると思う)。
葉っぱの「ぎざぎざ」がないツルッとした葉は温かい地域に多く、沖縄と北海道の人だと、どちらが見慣れた葉か違う、など、へー、と関心をもって読めた。
「平均気温=0.306×全縁(つるつるの葉)率+1.141」など、式にできるそう。
そしてなぜそうなのか理由がわかっていないこの現象を筆者は考察していく。
全体的に学術的に正しいことの羅列ではなく、筆者の考察が多く、それがまた楽しい。 -
Posted by ブクログ
園池公毅の『植物の形には意味がある』は大変面白かったのだが、裸子植物の葉っぱについては書かれておらず、裸子植物の葉っぱがなぜあんな特殊な形なのか書いてある本はないかなあ(一般書で)と思っていたら、これには書いてあるようなので喜んで読んだ。
『植物の形には‥‥』はいかにも学者らしく、仮説を立て、観察・実験を重ねて、こうではないかという真実に近づいて行くところが(読み手にも考えさせるところが)、本当に面白かったのだが、こちらは(植物図鑑を作る)専門家ではあるが、実踏を重ねた現場の人なので、経験と観察においては上かもしれない。
葉っぱの形に関しては、園池本と同様の推理ではあったが、大変わかりやすく、 -
Posted by ブクログ
秋だしたまには秋っぽい本でも読もうかなーと思って見つけたのが、こちらの1冊。
とにかく掲載される樹木の情報量と写真の量が多い本でした。
作るのめっちゃ大変そうだけど、
作った人いったい何者なんだろうと思って経歴を見ると、樹木図鑑作家とある。
なにそのレアな職業。
確かに、さすがは樹木図鑑作家という内容ではある。
基本的にすごいんだけども、紅葉一覧、黄葉一覧、ドングリ一覧が特にすごい。
見開きに各種類の紅葉の葉の写真が無数に貼り付けてあるのは壮観ですらある。
個人的には、ドウダンツツジが綺麗だと思った。
各種類ごとにページがある感じで単調だが、ときおり樹木クイズなどのコラムが入る。 -
Posted by ブクログ
図鑑を編集されてる方の豊富なフィールドワークから得られた鋭い観察眼と考え方は大変興味深かったが、「僕はこう考える、科学的にどうなってるかは知らない」というスタンスで本が進むことに違和感を感じた。
著者曰く、科学的知見とは異なることや間違ってることが含まれてるかもしれないが、本書は論文でも知識紹介本でもなく、僕の考えを紹介するエッセイだからその点はご容赦いただきたいとのこと。(あとがきより)
タイトルと内容紹介からすっかり科学的な知見も踏まえた読み物だと思い込んで読んでいたので、あとがきをみて納得したものの物足りなさを拭いきれなかった。惜しい本だった。