秋山聰のレビュー一覧
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本書は、西洋絵画を鑑賞する前に知っておくとより楽しめる「絵にまつわる物語」に焦点を当てた「物語編」と、表現技法のイノベーションを解説する「歴史編」の二部構成になっています。
「物語編」では、主にルネサンス期からバロック期にかけての宗教画や古典歌劇を題材とした絵画を取り上げて、その背景となる物語や、画家ごとの表現の違いから見えてくる主題の切り取り方の差異を説明しています。
「ホロフェルネスの首を斬るユディト」「オフィーリア」「アモルとプシュケ」「ダヴィデとゴリアテ」等については、おぼろげに知っていた物語も、より深い背景を知知って理解が深まりました。例えば「ユディト」とよく似たモチーフで、生首が -
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物語と歴史の観点から絵画を読み解けるようにしてくれる1冊。
絵に描かれている主題やストーリーがわかる物語編は、読めば読むほど「なるほど」と思うことが多く興味深かったです。
1つの主題に対して、複数の絵を紹介しているので、画家による表現の違いを見て楽しめました。
一方、歴史編はやや教科書的な内容でしたが、こちらも興味深く、時代ごとの絵画のターニングポイントを示しているので、「この絵はあの技法を取り入れてるかも?」など当てはめながら、鑑賞時により汎用性高く使えそうな知識だと思いました。
学んだことを生かすべく、国立西洋美術館に行きたくなりました。
西洋画の主題には神話や聖書が多く取り上げられますが -
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聖遺物のキリスト教における位置づけの変遷、産業、美術に与えた影響、そして熱狂の終焉とその後についてコンパクトにまとまっている。聖遺物にも様々なものがあるが、より価値の高いものは聖人そのもの、はっきり言ってしまえば殉教者の遺体である。それらを巡って宗教関係者や王侯貴族、民衆が熱狂し、ひと目見ようと押し寄せていたのである。遺体を見に押し寄せるというと一見奇妙な行為に思えるが、日本においては現在も即身仏を祀り拝むことが続いていることを思い出せばそれほど奇妙とは思えなくなる。また、洋の東西を問わず聖人の遺体を崇敬するという行為が行われてきたということは興味深い。宗教、文化は違えど信仰の根本にあるもの
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前半は、絵画に描かれている物語の解説。分かりやすい文章で書かれているが、もう少し情報が欲しいところ。
後半は、ざっくりとルネサンス以降の西洋絵画の流れを追っている。
ジョットによるリアル感のある描写。マザッチョの遠近法。ヤン・ファン・エイクの油絵発明による色彩のリアル化。レオナルド・ダ・ヴィンチのスフマートによる柔らかなリアルな肌触り。カラヴァッチョのドラマチックな明暗法。絵画は二次元であることを強調したマネ。輪郭を捨てて光や色彩でのリアルを追求した印象派のモネ。多視点や幾何学的立体を援用し、画家の信じる法則で絵画を描いてよいということを示したセザンヌ。多視点を使ったり、三次元的な空間表現を捨 -
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文章は平易であり、細かく章が分かれているので読みやすいが、今まで「なんとなく」見ていたものを「鑑賞」というレベルにまで底上げしてくれる。
美術に興味を持ち始めた人、好きだけれど体系的に学んではない人向けに良いと思った。大人も子供も関係なく読んで楽しい一冊。
本作は物語と歴史という2つの大きな観点をもとに説明が進む。
物語は、日本人には馴染みのない聖書やギリシャ神話の話が説明される。このあたりは実際の美術館の解説でも書かれがちなので、知っている部分も多かった。あとは、同じ主題テーマでも、画家によって描き方が違うというポイントに注目するとより楽しく鑑賞できそう。
面白かったのは、歴史編。ジョット