秦新二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今年はあの、【真珠の耳飾りの少女】がやってきます。本物を一度は見てみたいですが、1日全国から何万人の人が集まるのかと思うと、今から不安。
フェルメール展のプロデュースをされていた秦さんによると、2000年には会期中59万人、2008年には94万人もの人々がフェルメールに会う為に何時間も並んだらしい。その後、2011年、2018年と続いていく。その陰に、フェルメール・マンと呼ばれるシンジケートの存在があったなんて、知らなかった!世界各地の美術館から貸し出してもらうのだから、その交渉がいかに大変なものなのか、どういう準備、下調べが必要で、開催まで何年をかけるのか、裏側を知ることで今年のフェルメール展がどんなに貴重なものかを思い知らされました。
フェルメール・シンジケートの中でもトップだったアーサー・ウィーロック氏、仲が悪かったメトロポリタン美術館の学芸員でフェルメール研究家だったウォルタ―・リトケ氏、アムステルダム国立美術館館長ターコ・ディビッツ氏、シンジケートの相関図も記されていて、面白い。交渉には人間関係も影響してくるのだなぁと興味深い。
この本は2018年に書かれたものなので、2022年に来日した【窓辺で手紙を読む女】については修復後の事は勿論書かれていないけど、2018年の開催に修復は間に合わないだろうと述べられていた。その頃からの交渉もあり、ドレスデン国立絵画館とは固い信頼関係で結ばれているらしい。だからこそ、修復後あんなに早く日本に来てくれたのだと思うと感激。あの時大阪市立美術館で見た天使の画中画が現れた【窓辺で手紙を読む女】は忘れられない。
オランダの国宝といわれる【真珠の耳飾りの少女】はもう今回を最後に日本に来る事はないかもしれない。マウリッツハイス王立美術館の事情も含めての交渉の成果とは思うけど、なんと、2000年のフェルメール展に彼女が来れたのは、当時の小渕首相からオランダの首相への貸し出し依頼の手紙のおかげとの事。すごい根回し!
そんな少女だからこそ、ぜひ、会いに行かねば❗
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購入済み
アート大好き
フェルメールの隠された貴重な事実が知れて良かったです。何度も繰り返し読みたい本です。
地方に住んでいるので、実物を見ることがなかなか出来ないのですが、写真を見るだけで嬉しいです😃 -
Posted by ブクログ
日本のフェルメールシンジケートなる人物、秦新ニ氏による、フェルメール解剖本。
フェルメールは謎が多い。知られた作品は37作品ほどで、その人物像も多くは語られていない。そして、日本にもファンが多い。
私もフェルメール、好きです。
フェルメールの作品もカラーで大きく一枚ずつ紹介されており、ビジュアルも楽しめる。
フェルメールの作品をめぐる歴史や、作者自身がどうやってフェルメールの世界に足を踏み入れたか、世界に散らばるフェルメール作品を、いかに交渉して借り、日本に運び展示することができたか、その過程も知ることができる。
また、フェルメール研究の世界的権威の人物の話や、今現在、フェルメールの絵を旅させることができる、世界の限られたシンジケート(画家によってそれぞれシンジケートのグループはあるらしい。印象派やレンブラントなど。レンブラントのシンジケートは、同じオランダ画家ということでほぼメンバーは同じとのこと)の人々のことなど、フェルメール作品の裏面史を知ることができるのも面白い。
この前NHKの特集で見たメーヘレンによる贋作事件や、Netflixに入っているガードナー美術館の盗難事件により盗まれた合奏などの話もあり、フェルメール作品は、そのエピソードも濃厚なものがあると改めて感じた。
巻末には、フェルメール全作品をどうやったら見ることができるか、ヨーロッパやアメリカの美術館を巡るための旅の参考行程も詳しく記載されていて、とても親切。
私が興味深く感じた作品は、2枚しかない風景画の、「デルフトの眺望」と「小路」。
2枚しかない男性モデルの絵、「地理学者」と「天文学者」。
2枚しかない頭部のみの肖像画、「真珠の耳飾りの少女」と「少女」。
これらをそれぞれ見比べてみたい。
(並んで展示されることは、門外不出の作品もあるので難しそうだけど)
作者が2018年、10点のフェルメール作品を集めて展示を企画した。
来日させるべく交渉していたのは、「窓辺で手紙を読む女」だったが、修復間に合わず断念したらしい。
そしてその完成された作品は、今年、東京都美術館で見ることができましたね!(写真のパンフレット)
秦さんがこの企画に関わっていたら良いなと思って調べてみたけど、不明だった。
フェルメール。これからも知っていきたい画家の一人です。
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Posted by ブクログ
先日、東京都美術館で開催されている「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」に行った際にミュージアムショップに平積みされていたので、興味を持ち、読んでみた。タイトルからするとフェルメールの謎に包まれた生涯や贋作、盗難についての謎解きなのかと思ったが、少々違った。
フェルメールがどのように注目される画家となっていったのか、フェルメールの絵画が国外にトラベリングすることがどれほど大変なことなのか、がキュレーターというものがいまいちまだよく分かっていない私のような者にでも分かりやすい筆致で書かれていた。
フェルメールシンジケート、そんなものがあるんだ、と思ったが、確かに価値を分かってない人間に易々と貸し出したくはない絵だろうし、日本にだってそういう仏像はあるのではないか、と思える。フェルメールの絵画が一つ一つ解説付きで載っていて、来日したことがあるか、ないか、また国外持ち出し不可の絵の情報もついている。一フェルメールファンとしては、とてもためになる情報だった。
学芸員資格、取っておけば良かったなあ、もっと深く内容が理解できただろうに。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読書前は「俺たちゃフェルメールシンジケートの一員なんだぜへへへ」という自慢本かと思っていたのだが、読み進めるとそのステロタイプは(幸いなことに)裏切られた。
各章はそれぞれ、フェルメールの人生、著者がフェルメールに携わるようになった経緯、シンジケートメンバーそしてその間の関係、そして日本での(担当した)フェルメール展におけるシンジケートの戦略とその結果などの裏話。これらが(著者の人生の物語が加わるため、筋が若干入り乱れながらも)意外にしっかりと著述されている。
またフェルメール好きなら聞いたことがある研究者三人(ウィーロックJr.、リトケ、サットン)のこと(特に性格)について知ることが出来るのは、直接会える(そして交渉した)からに他ならない。特にウィーロックがワシントンナショナルギャラリーを辞めたこと、またリトケが列車事故で亡くなっていたことなど、個人的に全く知らなかった情報が載っていることに驚いた。
とりあえず、このタフネゴシエーターが日本側に付いているのは、フェルメール(そしてオランダ黄金時代の画家たち)の絵を日本国内で観る上で、非常に有利な状況であると納得した。
なお、この本のタイトル「フェルメール最後の真実」、文春文庫の惹句「フェルメール展…読めば100倍面白くなる!」などは、正直言って不細工である。これらは、本の内容に対して泥を塗っていると感じる。ので☆一つ減。