真理探究に疲れた時、やめたくなった時、やめようと思った時、瞑想に飽きた時、時々思い出すのがプンジャジとガンガジ。
この寓話好き↓
昔、子供に恵まれない王がいた。
自分が年老いたことと王位を継承する後継ぎがいないことを理由に、彼の死後に王国の支配者となるべき養子を迎えることに決めた。
彼は考えた。「もし後継ぎを置かなければ、私の死後、王国はたいへんな混乱に見舞われるだろう」。
そして大臣を呼ぶと、翌朝六時から夕方六時までの間、宮殿の門を開けるようにと告げた。
そして王国の誰もが次の支配者になるための面接を受けられること、誰もが歓迎されるということを宣言したのだった。
翌朝、大勢の人々が宮殿の門のところに集まった。
その一人一人が次の支配者になることを期待しながら。
彼らは護衛官や宮廷の人々に迎え入れられた。
廷臣の一人が告げた。
「あなたたちはこれから王に会って迎え入れられます。そのときに備えて身なりを整えてください。ごらんなさい! まったくのボロをまとっている人さえいる。私たちがあなたをきれいにして、入浴させます。そして食事と新しい衣装を与えます。そうすれば、王との会見にふさわしくなるでしょう。こちらにおいでください」
皆は宮殿の中に連れていかれると、王が享受してきたすべての場所を提供された。
この日一日、すべての訪問者が宮殿で自由に過ごし、何であれ欲しいものを手にし、思いのままにすることができた。
香水に興味をもつ者は何本もの香水を手に入れ、衣服に興味のある者はさまざまな衣類を手に入れた。
他の者たちは王の浴室で贅沢を極め、王のご馳走を食べ、そして踊り子や歌い手が演じるのを楽しんだ。
一日中こんな調子で、皆、何のために宮殿に来たのかを忘れ去った。
王は王座の間で待ちつづけたが、誰一人、王に会おうとする者はいなかった。
どの志願者も王の贅沢な暮らしを楽しむことに夢中になっていたからだ。
一日が終わろうとする六時になっても、王国と王位を求める者は一人も現れなかったため、王は申し出を撤回し、皆に家に帰るよう告げたのだった。
もし途中で目を奪われずに直接王のもとに行く人がいたなら、すべての宝物は永久にその人のものとなっていたことだろう。
だが、誰もが宮殿に来た目的を忘れてしまった。
これがジーヴァに起こることだ。
自由の王国の王座は、まっすぐそこに入って、それを要求する人を待っている。だが、ジーヴァは快楽と所有欲という横道に逸れてしまう。
ただ一生を終えて死を迎え、ふたたび誕生して苦痛と快楽の人生を続けていくのだ。
『覚醒の炎-プンジャジの教え』