斉藤詠一のレビュー一覧
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2018年、突然の電波障害で南極に不時着した遊覧飛行中だったチャーター機。基地との連絡が取れなくなった南極観測隊。そして1945年、戦時下の兵士たちに下された極秘の指令。現在と過去が交互に語られ、見えてくるものは……。圧巻の舞台設定とスケールで描く江戸川乱歩賞受賞作。
この話の最大の謎は、2018年の電波障害と、1945年の戦時下の指令がどうつながるのか、というところなのですが、その謎が明かされるまでの各時代の描写がまず読ませる。
2018年では南極のリアルな描写が見もの。知識的な面はもちろんなのですが、食料や燃料を求め、今は使われていない基地へ向かう描写の迫力はかなりのもの。冒険小説として -
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今回の斉藤さんは割かしいつもより重め。
もちろんミステリーとお馴染みのラブロマンスはあるのだけど、ちょっとその結末がいつもより切なめ。
終戦間近の朝鮮で、
その時その場に居た日本軍の若者のおかげで、
なんとか朝鮮から脱出し、子供3人が戦後を生き抜いて大人になった所から話は始まる。
戦後の東京。
オリンピック開催まであと1年の日本で、
現金輸送電車の担当職員が死体となって発見される。
同時期米兵の指示の元、ある荷物を運ぶよう秘密裏に依頼される自衛隊員。
過去の辛い思いは忘れ去り、
綺麗な思い出だけを残して未来に伝えていく。
それがいい事なのか今一度考えさせられた。 -
Posted by ブクログ
温室効果で海面上昇して関東地方とか沿岸部から荒川沿いの埼玉辺り、千葉浦安の例の施設も人口の山を残して水没しちゃった10数年後の近未来が舞台。こんな世界になったのは環境破壊したからだからと、環境を守ることが第一義となった世界で、その取り締まりを行う実行部隊、環境省管轄のEDRAが今作の舞台となる(説明長い)。
設定は武器内容や地理情報含めてリアルだが、ゴリゴリヘビー一辺倒ではなく、部隊の若者らの他愛もない会話もあったりで、それだけにリアリティが強調されている。パトレイバーな雰囲気というと伝わりやすいかもしれない。
が、謎が謎呼ぶ伏線張りが続く前半はかなりかったるく、話があちゃこちゃに飛ぶ感じでな -
Posted by ブクログ
ネタバレ現実のロシアウクライナの戦争から地球規模の大規模災害が起こって、自然環境の保護こそが最優先になったif世界のお話。
なんかちょっと・・・設定はなかなかに興味深かったんですが、内容があんまりあわなかったかな。ミリタリー的な描写が細かいわりに犯人たちの描写が最後までかなり少なめだった印象。名前だけでてきたモブくらいのキャラクターが実は犯人でこんなことを考えてこんなことを企てて・・みたいなことがラスト付近で急に語られて面喰いました。
最後、海に飛び込んで助かりましたというのも・・・とんでもない威力の爆弾みたいに思ったんだけどそれくらいでほとんど無傷なんだ・・・と。